増設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/10 14:25 UTC 版)
1891年(明治24年)10月28日朝、濃尾地震が発生した。名古屋市内でも家屋倒壊など多数の被害が出たこの地震により、電灯中央局でも煙突が折損する、機械室の妻面に亀裂が入るなど被害が生じるも、発電設備自体は無事であった。修理中は発電停止(供給停止)を余儀なくされたが、2か月後の同年12月24日に復旧した。この震災やその後相次いだ大火により市民の防災意識が高まった結果、電灯の需要が増加に向かう。そこで1892年(明治25年)5月、名古屋電灯は初めての発電所増設を決定。京都電灯から不要となった設備一式を譲り受け、翌1893年(明治26年)2月までに据え付けた。これら第1次増設は以下の機械から構成された。 米国ナショナル水管式汽缶製100馬力ボイラー1台 三吉電機工場製蒸気機関1台 三吉電機工場製エジソン式直流25キロワット発電機2台 上記工事中の1892年10月、会社初の増資を伴う設備増設が決定。1893年10月設備の発注、翌1894年(明治27年)電気室・ボイラー室の増築工事と準備が進められ、同年7月末までに増設工事が竣工した。この第2次増設による設備は以下の通り。 岡谷商店製70馬力ボイラー1台 米国セーフティ・スチーム・パワー製蒸気機関1台 ドイツ・AEG製直流25キロワット発電機2台 日清戦争終戦後、陸軍第三師団が凱旋したことによる師団各隊への電灯取付の増加、灯油価格の高騰、さらに競合会社愛知電灯(1894年12月開業)の出現に伴う料金値下げといった事象が重なって、電灯の需要が急増した。これに応えるべく名古屋電灯は3度目の増設を決定、1895年(明治28年)2月設備を発注し、同年12月30日までにすべての据付を終えた。この第3次増設による設備は以下の通り。 神戸川崎造船所製70馬力ボイラー1台 米国セーフティ・スチーム・パワー製蒸気機関1台 ドイツ・AEG製直流25キロワット発電機2台 3度にわたる増設の結果、電灯中央局は発電機10台・総出力250キロワットの発電所となった。翌1896年(明治29年)、名古屋電灯が愛知電灯を合併し、5月に同社発電所を継続使用する認可を得ると、下広井町(現・中村区名駅南)にあった愛知電灯発電所が「第二発電所」と命名され、南長島町の電灯中央局は「第一発電所」と改称された。
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