備忘録
備忘録(びぼうろく)とは、後から参照する必要のある事柄を書き留めておく帳面のことである。文章や改まった会話で用いられる、やや硬い漢語である。「忘備録」ともいう。
備忘録の「備」はそなえる、「忘」はわすれるの意で、「備忘」は忘れることに備える意である。「録」は物事を書き記した帳面を意味する。したがって、「備忘録」はわすれることにそなえて書く帳面の意である。
「備忘録」の類義語に「覚え書き」「手控え」「メモ」「メモ帳」「ノート」などがある。
「備忘録」「メモ帳」は普通複数枚のページをひとつにつづった冊子を指すのに対し、「覚え書き」「手控え」「メモ」「ノート」は冊子だけでなく一枚の紙切れにもいう。特に「メモ」はごく簡易的なものであるというニュアンスが強い。
また、「備忘録」「メモ帳」は書きつける帳面のことのみを指すのが普通であるが、「覚え書き」は書いた内容、「手控え」「メモ」「ノート」は書いた内容および書く行為も指すことができる。
「覚え書き」は、外交における略式の文書や、契約の当事者が交わす確認の文書を指すこともある。まれではあるが、「備忘録」も、中国語の用法に由来し、外交文書としての覚え書きを意味して用いられることがある。
備忘録の用例:
(執筆:稲川智樹)
備忘録
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 23:42 UTC 版)
備忘録(びぼうろく)は、記憶すべき事柄を簡単にメモするための個人的な雑記帳である。忘備録(ぼうびろく)という誤記も一部で見られる[1][2]。
- ^ びぼう―ろく〔ビバウ―〕【備忘録】 デジタル大辞泉の解説 びぼうろく【備忘録】 大辞林第三版の解説
- ^ インターネット上では「防備録」「備防録」、さらには「防忘録」「忘防録」といった表記も見られる。 暮らしに生きることば うろ覚えのことば 国立国語研究所『国語研の窓』第36号、2008年7月1日
- 1 備忘録とは
- 2 備忘録の概要
備忘録
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/09 09:29 UTC 版)
「ルーファス・ウィルモット・グリスウォルド」の記事における「備忘録」の解説
グリスウォルドは、「ポー氏の最後の要請の中で」、「彼の家族の利益のために」自分がポーの文学的遺産の執行者になると主張した。グリスウォルドは、ポーの叔母で義母のマリア・クレムが、ポーが1849年6月9日にそのような声明を作り、彼女自身がポーの作品に対する権利を手放すと言ったと主張した。実際にクレムが代理権をグリスウォルドに渡すという1849年10月20日付の文書が存在したが、証人の署名が無かった。しかし、クレムはそのような判断をする権利が無かった。ポーの妹であるロザリーが最も近い親類だった。グリスウォルドは他のアメリカ文学者の文学上の代理人として行動していたが、ポーが実際にグリスウォルドを執行人に指名したか(恐らくポーの短編『邪悪の出版』の一部として)、グリスウォルド側のトリックなのか、あるいはマリア・クレムの誤りなのか、明らかではない。オズグッドがポーを説得して、グリスウォルドを執行人に指名させた可能性もある。 いずれにしても、グリスウォルドはジェイムズ・ラッセル・ローウェルおよびナサニエル・パーカー・ウィリスと共に、ポーの作品を編集して、1850年1月から3巻本で作品集を死後出版した。グリスウォルドはポーの生存している親戚とその出版の利益を分けることは無かった。その本には『作家の備忘録』と題する自伝的スケッチが含まれており、その不正確さで有名になった。この『備忘録』はポーを狂人、薬物に依存し、慢性的に飲酒する者として描いていた。多くの要素は証拠として偽造された手紙を使いグリスウォルドが装飾したものであり、ポーを知っている者からは非難された。例えばサラ・ヘレン・ホイットマン、チャールズ・フレデリック・ブリッグス、さらにジョージ・レックス・グラハムだった。3月になって、グラハムはその雑誌で、グリスウォルドが信頼を裏切り、死者に報復していると告発する声明を掲載した。「グリスウォルド氏は、古い偏見と古い敵意をして、かれの絵の色付けに忍び込ませた」と記した。トマス・ホリー・シバーズは、グリスウォルドの告発に直接反応して『エドガー・アラン・ポーの新生活』と題する本を書いた。シバーズは、グリスウォルドにはポーの作品を編集する能力が無いだけでなく、死者の文学遺産執行者として彼自身を指定する彼および全ての者が死者に負うている任務に全く気付いていないと言っていた。 今日、グリスウォルドの名前は通常、人格の暗殺者としてポーと関連付けられている。ただし、グリスウォルドがポーを傷付けようと図っていたと、全てが考えているわけではない。グリスウォルドが主張あるいは示唆していた情報の幾らかは、ポーがバージニア大学から追い出されたことと、ポーがその保護者であるジョン・アレンの2番目の妻を誘惑しようとしたことである。仮にそうだったとしても、グリスウォルドの試みはポーの作品に注目を惹きつけさせただけである。読者は「悪の」男の作品を読むという概念に興奮していた。グリスウォルドによるポーの性格描写と、彼が創った嘘の情報は、その後の20年間に一貫してポーの伝記に現れていた。
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「備忘録」の例文・使い方・用例・文例
- 彼はその紙を備忘録にはさんだ。
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