離散家族
別名:南北離散家族
英語:separated family
韓国・北朝鮮の2国間で、離れ離れになっている家族のこと。
朝鮮戦争の勃発と終結により、朝鮮半島は38度線で完全に分断され、互いに行き来することが不可能になった。その当時38度線の南北に離れていた家族は、そのまま再開できずに離れて暮らすことを余儀なくされている。また、戦時中に捕虜となったり、あるいは北朝鮮の工作により拉致されたことで離散家族となった例もあるとされる。
1970年代以降、韓国と北朝鮮は、南北赤十字会談を通じて離散家族の再会に関する協議を行っている。2000年からは離散家族の再会が定期的に実施されている。、2006年7月には北朝鮮への経済的支援の問題から離散家族再開は一時中断。2010年11月に実施される予定だった南北赤十字会談は延坪島における北朝鮮の砲撃事件により無期限に延期されている。
離散家族(かくさんかぞく)
1950年の朝鮮戦争の後、家族が北と南に分断されるという悲劇が生じた。戦争の後、38度線で南北に朝鮮が分断されたが、このときに多くの人が夫と妻、兄弟や親子で生き別れた。朝鮮戦争が停戦した後、行き来が禁じられたため、お互いに生死の連絡もとれない状態が続いていた。
この離散家族の数は、韓国内で767万人、北朝鮮も合わせると1000万人にも達する。また南北分断の後、すでに50年が経過しており、離散者の多くは高齢である。当時20歳で親と離れた人は現在、70歳にもなっている。一刻も早く家族に会いたいという思いは特に深刻である。
このように政治的な理由で生き別れになった人々に対し、1985年、たった一回だけ計100人の相互訪問が実現したことがあった。今回も8月15日の相互訪問が予定されているが、またもや一回きりにで中断されてしまうのではないか、という危惧の声が韓国側では絶えない。
多数の離散家族の要求にこたえるためには相互訪問の定例化が不可欠で、南北の対話が少し良くなっている今こそ、それが期待されている。
2000年8月15日の相互訪問に応募したのは韓国側で2万3000人だった。このうち候補リストに載ったのはたった200人で、実際に訪問できるのは100人である。リストに載る基準として、(1)70歳以上、(2)過去の申請回数が多い、(3)夫婦や親子など直系家族で離散、の3つが挙げられている。
すでに70歳を越す離散者は韓国側だけで26万5000人もいるということである。
(2000.07.18更新)
離散家族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 14:04 UTC 版)
離散家族(りさんかぞく)は、朝鮮半島内で起きている社会問題である。朝鮮半島の南北分断の結果、大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との間で離れ離れになってしまった家族を指す。
- ^ a b c “南北和解ムードの中で体制を強化する北朝鮮(2) | Joongang Ilbo | 中央日報”. japanese.joins.com. 2018年8月29日閲覧。
- ^ 北朝鮮が総引き揚げ 1964年10月8日 「再現日録 東京五輪の10月」(8)
- ^ 東京の再会、わずか数分 1964年10月9日 「再現日録 東京五輪の10月」(9)
- ^ 【オリンピズム】1972札幌(14)深さを増す北朝鮮の闇 - 産経ニュース
- ^ 일본에서 남북한 이산가족 남매 상봉 - KBS NEWS(韓国放送公社)(韓国語)(KBS9時ニュース、1990年3月9日)
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- ^ 이산 가족 첫 화상 상봉 - KBS NEWS(韓国放送公社)(韓国語)(KBSニュース9、2005年8月15日)
- ^ 화상 상봉 연중 실시 추진 - KBS NEWS(韓国放送公社)(韓国語)(KBSニュース9、2005年8月15日)
- ^ 남북 이산가족 첫 화상상봉 현장(韓国語)(MBCニュースデスク、2005年8月15日)
- ^ “「金剛山、みすぼらしい」と言う金正恩氏、それは韓国の責任なのか”. www.donga.com (2019年11月22日). 2019年12月3日閲覧。
- ^ “存命の南北離散家族4万人下回る 高齢化が進行=韓国”. ライブドア. 2024年3月5日閲覧。
- ^ KBSニュース9(2000年8月15日)(韓国語)
- ^ MBCニュースデスク(2000年8月15日)(韓国語)
- ^ ““이산가족 상봉 北 주민, ‘충성자금’ 명목 당에 현금 뺏겨”” (朝鮮語). m.chosun.com. 2018年9月13日閲覧。
- 1 離散家族とは
- 2 離散家族の概要
- 3 北朝鮮による再会家族への再教育と没収
離散家族と同じ種類の言葉
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