調整施設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 04:43 UTC 版)
平成16年(2004年)の下水道法改正を受け、主に合流式下水道の未処理下水放流を抑制、解消するため設置が推進されている。 貯留施設 処理場の汚水処理能力を超える下水(遮集汚水)を一時的に貯め、雨があがってから下水管へ戻す。 合流下水をどう遮集、貯留するのが効果的であるかは、降雨や管路の条件が大きく影響するため、貯留能力の検討と合わせてシミュレーション技法の活用が進んでいる。 雨水浸透施設 汚水と合流する前の雨水を土壌に浸透させ、合流管への排除量を削減する。 舗装が過剰なまでに行き届いた市街地は、浸透係数の小さい地表が大部分を占める。そのうえ都市型水害を防ぐため雨水排除を進めた結果、本来土壌浸透させ地下水とすべき降水までも、下水としてしまっていた。これに対処するため、路面の流出水を浸透マスで受け、浸透トレンチ内の浸透管で浸透マンホールに集水し、越流水のみを合流管渠へ排除する、雨水流出抑制モデルが実用化されている。なお、下水道計画においては管路施設の計画水量に影響するので、浸透管路線計画図を作って検討する。 簡易処理施設 下水を排出する前に、スクリーンで除塵(夾雑物を取り除く)や消毒をする。 市街地に降り始めた雨がやがて流出水となるとき、大気中や屋根、路面に由来する煤煙やゴミなどを洗い流して取り込んでいることが多い(ノンポイント汚染)。これを初期降雨(初期フラッシュ水)と呼び、分流式下水道の雨水施設であっても処理の対象とすべきとされる。小さな設置面積で急変する水量を効率的に処理できる設備が必要となる。 遮集設備 処理施設へ送る量を増やすため、堰高や構造を改良した雨水吐など。 雨水調整池 下水道施設ではないが、雨水量を抑えるので遮集改善に効果がある。
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