華夏とは? わかりやすく解説

か‐か〔クワ‐〕【華夏】

読み方:かか

《「」ははなやか、「夏」はさかんの意。中国人自国誇っていった語から》文化開けた地。都。

「牛を放ち馬を息(いこ)へ、愷悌(がいてい)して—に帰り」〈記・序〉


華夏

読み方:カカ(kaka)

文化開けた地。


華夏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/16 19:35 UTC 版)

華夏
逆流する黄河。馬遠の作品。
繁体字 華夏
簡体字 华夏
発音記号
標準中国語
漢語拼音Huáxià
ウェード式Hua2-hsia4
呉語
ローマ字gho ya
贛語
ローマ字fa4 ha5
客家語
客家語拼音fa11 ha55
粤語
粤拼waa4 haa6
閩南語
閩南語白話字hôa-hā
中古音
中古音hwæ hæX
上古音
バクスター-
サガール
*[N-qʷʰˤra [ɢ]ˤraʔ]

華夏(かか)とは、漢民族の間に存在する中華思想において、中国及び中華文化のことを表現する歴史民俗用語である[1]。この用語は元来、新石器時代後期および青銅器時代初期の、現代の漢民族の祖先であった農業部族のことも指しており[2][1]、現在でもこの用法で用いられることもある。この概念は、漢民族の自らの祖先に対する礼賛に由来している[2]

語源

孔子の編纂によると伝えられる中国の歴史書・春秋の代表的な注釈書の1つである春秋左氏伝によれば、「壮大さ」を意味する「夏」の語は、中国の儀式における「礼儀の大」を表すために用いられ、「著名さ」を意味する「華」の語は、漢民族の伝統的な民族服である漢服の「章服の美」を表すために用いられていた[3]

歴史

起源

華夏という語は元来、関中の渓谷沿い、および黄河の河沿いに居住していた、新石器時代後期および青銅器時代初期の、現在の漢民族に連なる太古の諸民族が融合してできた農業部族をいう[4][1][5][6][2][7][8]、西戎の黄帝とその後裔である夏王朝と周王朝を「夏族」とする、このうち周王朝は殷王朝の諸侯であり、後に殷王朝を滅ぼした、東夷に起源をもつ殷王朝とその末裔は周の一部の諸侯である為「華族」である、「華族」と「夏族」が相次いで中原に王朝を建てて融合したので、中原の王朝と配下の諸侯は先秦時代に「華夏族」と総称され、中原も「華夏」と呼ばれた。この概念は中国古代の戦国時代紀元前443年紀元前221年)に発展し、戦乱の最中に古代中国全土に広まっていった[8][9]。その頃になると、華夏は主に文明社会のことを定義するようになり、周囲の野蛮と見なしていた国々とは対照的な意味合いで用いられるようになった[10][11](中國有禮儀之大、故稱夏;有服章之美、謂之華)。

現在の用法

現在では「華夏」の語も使用されるが、「華」と「夏」のそれぞれの漢字も自立語として使用されている。

また、それぞれ中国の正式名称である中華人民共和国中国語: 中華人民共和國/中华人民共和国)と中華民国中国語: 中華民國)の2つは、「華夏」の語を「中国」の語と組み合わせて、中華という意味合いで使用している[10]。現在、中国という語は、中国そのものおよび中華の文明のことを指す。

現代の漢民族は、華夏の略称として「華人」の語を、自らの祖先に当たる民族に対する彼らの認識を示す言葉として用いている[12]

「華夏」の語を冠する事物

「華夏」の語は現在でも多くの事物に冠せられており、1966年には台湾新北市中和区にて、技術大学の華夏農業専科学校(現華夏科技大学)が設立された。また1986年には、中国の北京市東直門外香河園北里4号に本社を置く総合出版社である華夏出版社が、1992年には北京市東城区に本社を置く商業銀行華夏銀行が、2006年には貴州省貴陽市に本社を置くローカル線専門の航空会社華夏航空が、それぞれ設立されている他、2007年上海市で開業した上海軌道交通6号線鉄道駅華夏東路駅および華夏西路駅の2駅にも、それぞれ「華夏」の語が冠せられている。

関連項目

脚注

  1. ^ a b c Schliesinger, Joachim (2016). Origin of Man in Southeast Asia 2: Early Dominant Peoples of the Mainland Region. Booksmango. p. 10-17 
  2. ^ a b c Guo, Rongxing (2016). An Introduction to the Chinese Economy: The Driving Forces Behind Modern Day China. Wiley. p. 66-67. ISBN 9783319323053 
  3. ^ Liu 2005, p. 9
  4. ^ Minahan, James (2014). Ethnic Groups of North, East, and Central Asia: An Encyclopedia. ABC-CLIO (February 10, 2014発行). p. 90. ISBN 978-1610690171 
  5. ^ Cioffi-Revilla, C.; Lai, D. (1995). “War and Politics in Ancient China, 2700 B.C. To 722 B.C.: Measurement and Comparative Analysis”. Journal of Conflict Resolution 39 (3): 467–494. doi:10.1177/0022002795039003004. 
  6. ^ West, Barbara A (2009-01-01). Encyclopedia of the Peoples of Asia and Oceania. ISBN 9781438119137. https://books.google.com/books?id=pCiNqFj3MQsC&pg=PA253 
  7. ^ Cioffi-Revilla & Lai 1995, pp. 471–72.
  8. ^ a b Selin 1997, p. 197.
  9. ^ Guo & Feng 1997, p. 197.
  10. ^ a b Holcombe 2010, p. 7.
  11. ^ Schliesinger, Joachim (2016). Origin of Man in Southeast Asia 2: Early Dominant Peoples of the Mainland Region. Booksmango. p. 10-17 
  12. ^ Solé-Farràs 2013, p. 93.

参考文献

外部リンク


華夏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 12:39 UTC 版)

中華思想」の記事における「華夏」の解説

華夏族」を参照 中華という名称は「華夏」という古代名称から転じて来たものともいわれる古代中国呼称は夏、、あるいは華夏(かか)と云われていた。「」ははなやか、「夏」はさかんの意で、中国人自国誇っていった語であった。そこから、文化開けた地、都(みやこ)を意味した満洲族支配であった清朝打倒するために中華民族ナショナリズム構築した章炳麟以下の通り、「華夏」を国土名称・地名でもあり種族の名称でもあると解説している。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}我が国民族古く、雍、二州陝西甘粛四川)の地に居住して居た東南華陰で、東北華陽、すなわち華山以って限界定め,その国土の名を「」と曰くその後人跡到る所九州に遍(あまね)き、の名、始めて広がるは本来国の名であって種族の号ではなかった。 「夏」という名は、実は夏水(河の名前)に因って得たものなり、雍との際(まじは)りにあり、に因って族を名付けたもので、邦国の号に非らず。漢家建国は、漢中地名)に受封されたときに始まる。(漢中は)夏水に於いては同地であり、華陽に於いては同州となる故、通称として用いようになった本名(華夏)ともうまく符合している。従い云うのも、夏と云うのも、漢と云うのも、そのうちどの一つの名を挙げても、互いに三つの意味兼ねている。漢という名を以って族を表している、と同時に国家の意味にもなる。又、という名を国に付けたと同時に種族の意味にも使はれているのはそのためである。 また中国辞典辞海』[要ページ番号]も、「中華」が民族の名称だけでなく地理的国土的な名称を指すことについて、漢民族発祥地黄河流域で、国都黄河南北建てたので、そこが国の中央となり「中原」や「中国」と呼んだとし、「中国」も蛮夷戎狄異民族とは内と外の関係、地域遠近表わすために用いられたとする

※この「華夏」の解説は、「中華思想」の解説の一部です。
「華夏」を含む「中華思想」の記事については、「中華思想」の概要を参照ください。

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