符丁と用語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 12:37 UTC 版)
江戸前ずし屋独特の言葉や言い回しがあり、古くは「すし言葉」と呼ばれた言葉や、職人同士が使う隠語・符丁がある(この「隠語」「符丁」は本来客が使うものではなく、店側が使用する言葉である)。 用語漢字意味アガリ 上がり 茶のこと。「上がり花」の略。 アニキ 兄貴 先に仕入れた(仕込んだ)古いタネのこと。 オアイソ お愛想 勘定のこと。(本来は「わざわざお越しいただいたのに、会計のことを申し上げるのは愛想のないことで恐縮です」という店側の謙遜。客が使うと「こんな愛想のない店はとっとと出たいから清算してくれ」という意味になるので注意) オドリ 踊り 生きたままのタネ。通常生きたエビのこと。 ガリ 薄く切った生姜の甘酢漬け。その質感から。 カン 貫、巻など すし1つを1カンと数える握りずしの数え方。語源は諸説あり。 ギョク 玉 卵焼きのこと。「玉子」から。 シャリ 舎利 飯の異称で、すし屋ではすし飯のこと。仏教語の舎利(米・飯)から。 タチ 立ち カウンター形式の店、またはその客のこと。立ち食い形式のすし屋の名残り。 ヅケ 漬け マグロの醤油漬け。 ツケバ すしを製する(つける)調理場のこと。 ツケダイ 付け台 カウンターのすしを乗せる台のこと。今日では直接ツケダイにすしを乗せる店は少ない。 ツメ 詰め アナゴなどの煮汁を調味し、煮詰めた甘辛いタレ。「煮詰め」から。 トロ マグロの腹身。とろっとした質感から。 ナミダ 涙 ワサビのこと。 ニキリ 煮切り 醤油に日本酒や味醂を加えて火にかけて煮切ったもの。すしに塗るかつけ醤油にする。 ネタ 種 すしの具材、すしダネのこと。タネの逆さ読み。 ムラサキ 紫 醤油のこと。その色味から。語源は諸説あり。 ヤマ 山 ネタ切れのこと。海の物(魚介)が無いことから。飾りの笹のこともヤマということもある。
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