知恵比べ
『江談抄』第3-1 吉備真備が入唐した折、彼の諸道にすぐれた才能を知って恥ずかしく思った唐人たちが、彼を鬼の出る楼に登らせて殺そうとしたり、難解な『文選』の読法や囲碁の勝負等で挑む。吉備真備は日本の仏神などの助けによって、それらを切り抜ける〔*『吉備大臣入唐絵巻』に類話〕。
『太平広記』巻228所収『杜陽雑編』 日本の王子が渡唐して、唐第1の碁の名人顧師言と対局する。顧師言は辛くも勝利するが、唐人たちは「顧師言は唐で第3位の名手にすぎない」といつわる。日本の王子は「小国の第1位は大国の第3位に及ばぬか」と嘆息する。
『日本書紀』巻20敏達天皇元年5月 高麗から奉られた国書が黒い烏の羽に書かれており、読むことができなかった。帰化人王辰爾が、湯気で蒸した烏羽に絹布を押しあてて、文字を写し取った。
『白楽天』(能) 唐帝から「日本の知恵をはかれ」との宣旨を受けた白楽天が、海路日本を目指し、筑紫の松浦潟に到る。漁翁(=実は住吉明神の化身)が白楽天を出迎え、彼と詩歌の問答をする(*→〔漢字〕3)。漁翁は、「日本では人間のみならず、生きとし生けるもの、すべて歌を詠む」と説き、神体を現して舞う。舞いの手に連れて神風が吹き、白楽天の乗る唐船を漢土へ吹き戻す。
『枕草子』「蟻通し明神」の段 唐土の帝が日本の国を討ち取ろうとたくらみ、「丸く棒状に削った木の本末(もとすゑ)を見分けよ」、「2匹の蛇のどちらが雄か雌か見分けよ」、「7曲りにまがった玉の穴に糸を通せ(*→〔糸〕4)」などの難題をつきつけ、日本の帝は困惑する。某中将の家に隠れ住んでいた老親(*→〔親捨て〕3)が、これらの難題をことごとく解決したので、唐土の帝は、「なほ日の本の国はかしこかりけり」と感服し、以後は日本への手出しをしなくなった。
知恵比べ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/05/05 03:12 UTC 版)
彦一の頓智ぶりは八代城下の評判となっていた。一方、お隣、豊後国に吉四六というこれまた頓智の上手い男がいるという。噂は広まり、いつしか二人は近所のお寺の余興で頓智合戦を行うこととなった。しかし、始まったはいいが、二人とも知恵が回るので、なかなか決着が付かない。そんなとき、判定をしていた和尚は二人にこう伝える「今から、一番そなたにとって一番必要なものを作ってこい」。二人はしばらくしてから戻ってきた。まずは庄屋でもある吉四六が自信ありげに「わしは、見てのとおり、商いに欠かせない天秤棒を作ってきた。そなたはどうじゃ?」と尋ねる。すると彦一が「それならわしの勝ちじゃな」と返す。だが、彼は藁を一本刈り取っただけの代物だった。怪訝そうに「どういうことじゃ?それは、ただ、藁を刈っただけではないか?それがそなたにとって必要なものなのか」と問い尋ねると、「そうじゃ、わしが今一番必要なのはそなたに勝つことじゃ。だから、刈った(勝った)だけでよかろう」と返す。はっとする吉四六に対し、和尚は「これは見事じゃ、彦一の勝ちじゃ」と返した。
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