ちちかえる〔ちちかへる〕【父帰る】
父帰る
作者菊池寛
収載図書菊池寛―短篇と戯曲
出版社文芸春秋
刊行年月1988.3
収載図書ちくま日本文学全集 021 菊池寛
出版社筑摩書房
刊行年月1991.12
収載図書藤十郎の恋・忠直卿行状記
出版社小学館
刊行年月2000.4
シリーズ名小学館文庫
収載図書編年体大正文学全集 第6巻 大正六年
出版社ゆまに書房
刊行年月2001.3
父帰る
父、帰る...
父帰る
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『父帰る』(ちち かえる)は、大正6年(1917年)に発表された菊池寛の戯曲。全一幕。3度映画化、また舞台化もされており、同作についても本項で詳述する。
概要
第四次『新思潮』大正6年1月刊行の号に発表された。同人誌であったから一般には知られなかったが、3年後の大正9年 (1920) に二代目市川猿之助によって舞台化されるとこれが絶賛され、以後本作は菊池寛を代表する作品となった。
登場人物
- 黒田賢一郎: 主人公(28歳)
- 新二郎: その弟(23歳)
- おたね: その妹(20歳)
- おたか: 彼らの母(51歳)
- 宗太郎: 彼らの父
あらすじ
明治40年頃のことである。かつて家族を顧みずに家出した父が、20年ぶりに落ちぶれ果てた姿で戻って来た。
母と次男と娘はこれを温かく迎えたが、貧困と闘いつつ一家を支え、弟妹を中学まで出した長男・賢一郎は、決して父を許さなかった。父は家を去る。しかし哀願する母の叫びに賢一郎は翻意、弟を連れて狂ったように父を追う。
映画化
1927年
1927年3月29日公開。製作は松竹キネマ。監督は野村芳亭。
キャスト
- 黒田宗太郎・賢一郎: 岩田祐吉
- 少年時代の賢一郎: 小藤田正一
- おたか: 鈴木歌子
- 新二郎: 菅野七郎
- おたね: 佐々木清野
- 園田修造: 木村健児
- 園田の娘・お加代: 松井千枝子
- 杉田校長: 武田春郎
- 久保の忠太: 酒井啓之助
- 忠太の養子・久三: 堺一三
- 忠太の娘・お花: 糸川京子
- 栗原進二陸軍少尉: 仲英之助
- 松岡剛蔵: 奈良真養
- 代弁人・阪間源吾: 国島荘一
- 大風呂敷のおかま: 二葉かほる
- 道化芸人・正国: 新井淳
- 正国の娘・蝶丸: 小桜葉子
- 道化芸人・蝶吉: 押本映治
- 道化芸人: 小林十九二、吉谷久雄
- 山口俊造: 小村新一郎
- 宗太郎の情婦・お竜: 八雲恵美子
1935年
1935年10月8日公開。タイトルは『父帰る 母の心』。製作は第一映画、配給は松竹キネマ。監督は寺門静吉。
キャスト
1952年
キャスト
舞台化
- 2006年2006年4月1日 - 30日、シス・カンパニーによって菊池寛の別作品「屋上の狂人」と合わせ『父帰る/屋上の狂人』として上演された。演出:河原雅彦。主演:草彅剛。会場:シアタートラム。
- キャスト
関連項目
外部リンク
父、帰る
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父、帰る | |
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Возвращение | |
監督 | アンドレイ・ズビャギンツェフ |
脚本 | ウラジーミル・モイセエンコ アレクサンドル・ノヴォトツキー |
製作 | ドミトリイ・レスネフスキー |
製作総指揮 | エレーナ・コワリョワ |
出演者 | イワン・ドブロヌラヴォフ ウラジーミル・ガーリン コンスタンチン・ラヴロネンコ |
音楽 | アンドレイ・デルガチョフ |
撮影 | ミハイル・クリチマン |
編集 | ウラジーミル・モギレフスキー |
配給 | アスミック・エース |
公開 | 2003年6月25日 2003年9月3日(VIFF) 2004年9月11日 |
上映時間 | 105分 |
製作国 | ロシア |
言語 | ロシア語 |
『父、帰る』(原題: Возвращение、英題: The Return)は、2003年制作のロシア映画。音信不通だった父親の12年ぶりの帰郷に戸惑う兄弟を描いた映画である。
ロシアでは2003年6月25日に公開された。同年9月の第60回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、最高賞である金獅子賞と新人監督賞を受賞した。
日本では2004年9月11日にTOHOシネマズシャンテで公開された。
キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
---|---|---|
イワン | イワン・ドブロヌラヴォフ | 内山昂輝 |
アンドレイ | ウラジーミル・ガーリン | 浪川大輔 |
父 | コンスタンチン・ラヴロネンコ | てらそままさき |
母 | ナタリヤ・ヴドヴィナ |
ストーリー
アンドレイとイワンの兄弟は、母親と祖母と共に暮らしており、父親の顔は写真でしか知らない二人だったが、ある日12年ぶりに父親が帰ってきた。これまでどこにいたのか全く語らない父親に当惑する二人だが、父親は明日から二人を連れて旅に出るという。翌朝、3人はつり道具と共に車で出かけるが、父親は行き先も告げず、高圧的な態度で子供達に接する。兄のアンドレイはそれでも父親に好意的だったが、弟のイワンは不満を募らせてゆく。三人は釣りをしてから車で遠く離れた場所へ行き、小さい舟を修理してある無人島へと渡った。数日そこで過ごすが、あることから父子の間で諍いが起きる。その最中で父は亡くなってしまった。島から離れる決意を固めた二人は、父の遺体を乗せた舟に乗り、本土を目指す。無事二人は本土に到着したが、浜に停めておいた舟は波に流され、父の遺体も沈んだ。二人は海の中へ消えていく父に向かって「パパ!」と叫び、父が見えなくなると車に乗った。
その他
- 撮影はラドガ湖の周囲で行われた。
- アンドレイ役のウラジーミル・ガーリンは、撮影後まもなく湖で事故に遭い、亡くなっている。
外部リンク
- 公式ウェブサイト(日本語)
- 父、帰る - allcinema
- 父、帰る - KINENOTE
- Возвращение - オールムービー(英語)
- Возвращение - IMDb(英語)
父帰ると同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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