すいそきゅうぞう‐ごうきん〔スイソキフザウガフキン〕【水素吸蔵合金】
水素吸蔵合金
水素は金属、とくにパラジウム、チタン、ジルコニウム、希土類金属などと反応して、多量の水素を吸蔵できる金属水素化合物となるが、これらの合金は分解しにくく、水素の放出には高温を要することから、吸蔵、放出が可逆的にできるように工夫した合金を水素吸蔵合金と呼ぶ。加圧した水素の吸蔵は発熱反応となるので冷却が必要だが、逆に放出させるときは吸熱反応となり、外部からの加熱を必要とする。車載するときは、これらの反応を効率よく行うために吸蔵合金と水素および冷却、過熱用の熱媒体(水など)の流路を確保するよう設計されたタンクに収納する。この方式は、高圧水素ガスや液体水素に比べて容積密度が高いこと、比較的安全性が高いことなどから将来有力な方式のひとつである。
水素吸蔵合金
水素吸蔵合金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/21 10:21 UTC 版)
水素には自由電子を伴う金属結合内に容易に侵入する性質がある。その結果、全ての金属は水素の溶存や侵入により、凝固時に気泡の混入や強度の劣化問題(水素脆性)という性質が知られている。この現象に対して金属加工メーカーではそれぞれ水素除去の対策がなされている。この水素が金属に侵入し蓄積し易い性質を利用し、合金の組成を最適化して水素の貯蔵を目的とした水素吸蔵合金(すいそきゅうぞうごうきん、hydrogen absorbing alloy)が開発された。水素貯蔵合金とも呼ばれる[1]。※(水素吸蔵合金はタンクの様な出し入れの容易さはなく、開発された合金の多くが水素取出し困難か一部のみ取出し可能であり、金属の質量も伴う為、実用化には多くの問題が存在する。)
- ^ a b 高効率水素吸蔵合金、p.3.
- ^ 水素とは、p.1.
- ^ 高効率水素吸蔵合金、pp.3-4.
- ^ 高効率水素吸蔵合金、p.4.
- ^ a b c 佐々木忠之, 川嶋稔夫, 青山英樹, 伊福部達, 小川孝寿, 「水素吸蔵合金を利用したアクチュエータの開発」『日本ロボット学会誌』 4巻 2号 1986年 p.119-122, doi:10.7210/jrsj.4.119。
- ^ a b アルドリッチ
- ^ a b c d e f g 高効率水素吸蔵合金、pp.6-7.
- ^ a b 広島大学
- ^ 佐藤満、2008、「水素吸蔵合金アクチュエータの基礎と応用 ~ヒトへの親和性に富んだ動力源としての福祉機器への応用~ (PDF) 」 、『日本バーチャルリアリティ学会誌』13巻2号、日本バーチャルリアリティ学会、ISSN 13426680、NAID 10021139676 pp. 91-95
- 1 水素吸蔵合金とは
- 2 水素吸蔵合金の概要
- 3 種類
- 4 参考文献
水素吸蔵合金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/11 14:00 UTC 版)
「パナソニック充電式ニッケル水素電池」の記事における「水素吸蔵合金」の解説
パナソニック充電式ニッケル水素電池の負極に用いられる水素吸蔵合金はAB5型合金と呼ばれる合金が使用されている。この主成分はニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウム及びミッシュメタル(希土類混合物、ランタンやセリウム等)である。
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