機関車側の設備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/05 13:06 UTC 版)
「ウォーター・スクープ」の記事における「機関車側の設備」の解説
ウォーター・スクープは、炭水車の下部、またはタンク機関車の場合は機関車自体の下部に取り付けられる。ねじを巻く仕組みか、あるいは圧縮空気による機構で、上げ下げできるようになっている。ウォーター・スクープは水タンク内のパイプにつながっており、タンクに水を流し込むようになっている。 イギリスの蒸気機関車などを見るとテンダーにラクダのこぶのようなものがある車両があるが、これはこうした給水用のサイフォンチューブのカバーである。 タンク内の空気が抜けていくように、水タンクは換気が可能な構造にする必要がある。 アメリカのノーフォーク・アンド・ウェスタン鉄道は、トラック・パンを使用しない方法を考案した。上り勾配の中には、ある程度勢いをつけて登らなければならないものがある。給水のために列車を止めると、勾配を登るためには補助機関車が必要であった。しかし列車を停車させなければ、勢いで登っていくことができ、補助機関車は不要であった。このことから、ノーフォーク・アンド・ウェスタン鉄道では補助の水タンク車を連結して、大量の水を携行することで、給水のために列車を止める必要をなくし、補助機関車の連結を不要にした。この結果として補助機関車用の機関区を廃止することができた。 日本においても、第二次世界大戦前に超特急「燕」を運転するに際してウォーター・スクープの利用が検討された。しかし結局これは採用されず、水タンク車(国鉄ミキ20形貨車)を連結して解決することになった。日本の鉄道では、ウォーター・スクープの利用例はない。
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