制定拳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 09:27 UTC 版)
套路毎に動作の数が違うため、各套路は「二十四式」のように動作の数で呼ばれることが多い。 簡化太極拳(二十四式太極拳) 最初の制定拳として、1956年に発表された。楊式太極拳の主要な二十四の動作から構成されている。全世界で練習され、健康運動としての太極拳の普及に大きく貢献している。日本では一般的な太極拳教室で健康法として教えられており、外国でもジムなどでヨーガなどと一緒に教えられている。楊式太極拳の入門用の套路として教えられることもある。 八十八式太極拳 楊露禅が武当派の太極拳を元に編成した楊家一〇八式を、孫の楊澄甫がより短く編成した楊家八十五式を元にして、健康体育を目的にして編成された二十四式太極拳に続き、1957年に発表された。二十四式の原理に基づいて、楊式太極拳の動作を改めたものである。動作の順序は楊式太極拳大架式に準じているが、動作原理が異なる。 四十八式太極拳 二十四式太極拳の上級套路として、1979年に発表された。楊式太極拳をベースに、陳家、呉式、孫式の動作を取り入れて作られた。二十四式より難度が高く、八十八式より表演時間が短く、動作も左右対称に整えられているため、競技会において頻繁に行われている。 総合太極拳(四十二式太極拳) 1980年代後半になって太極拳の国際大会が催されるようになり、それに伴って競技会用の統一された套路として制定された。規定套路、或いは競技套路と呼ばれ、競技会種目として採用されている。四十八式と同様、楊式をベースに陳家、呉式、孫式の動作が組み合わされており、四十八式よりも各門派の特徴的動作を明確に演ずることが出来る。 太極剣 器械(武器)の入門用として編纂された。楊式太極剣をもとに編纂された『三十二式太極剣』と、競技用套路として陳家、楊式、呉式の動作を組み合わせた『四十二式太極剣』(総合太極剣)がある。総合太極拳と並んで、競技会で盛んに行われている。 この他にも、八式、十六式、三十二式、四十二式の制定拳があり、また、陳式、孫式などの各派の特長を出した陳氏五十六式や三十八式、孫氏七十三式などの套路も制定されている。
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