ちゅう‐せんきょく【中選挙区】
中選挙区(ちゅうせんきょく)
小選挙区がひとつの選挙区からひとりの代表を選び出すのに対し、中選挙区では、ひとつの選挙区から複数の代表を選び出す。大選挙区の一種で、日本独自の選挙区制度だった。
衆議院の選挙区制度は、1994年までの長い間、ひとつの選挙区から原則として3~5名の代表を選出する「中選挙区」が採用されていた。この制度のもとでは、同じ政党であっても複数の候補者が当選できるので、激しい同士討ちが繰り広げられた。そして、派閥を発生させたり、金のかかる選挙になったりという弊害も問題だった。
1994年に、当時の細川政権は、政治改革の掛け声の中、公職選挙法などを改正して中選挙区を廃止した。新たに導入されたのは、小選挙区制を中心とする小選挙区比例代表並立制だ。
小選挙区では、ひとつの選挙区からひとりの代表を選出するため、知名度が高く、票の集まりやすい大政党が有利になる。反対に、最多の票を得られない限り当選することができないので、小政党にとって不利だとされている。小政党が合体する政界再編で民主党が誕生した背景はこのあたりにある。
現在、自民党とともに連立政権を組んでいる公明党と保守党は、選挙のたびに議席数を減らしている。政党の存続の危機とも言えるだけに、小政党でも当選できる中選挙区の復活に期待を寄せているというわけだ。
ただ、小選挙区と比較すると、中選挙区は確かに一票の格差をある程度まで吸収できるというメリットがある。また、同一の市町村で分断されていた選挙区を補正できる。いずれにしても、自分たちの当落を決める選挙制度だけに、都合の悪い制度にしたくないのが本音のようだ。
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(2001.10.30更新)
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