上村発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:36 UTC 版)
矢作水力が矢作川水系に設置した発電所の中で最大のものが上村発電所である。「第三水力」として水利権を得た地点にあたり、当初計画では下村発電所に続き着工される予定であったが、鉄価高騰や戦後恐慌などの影響で後回しとなり、1922年6月に準備工事着手、1925年(大正14年)11月26日竣工となった。 発電所は上村川右岸、岐阜県恵那郡上村に位置する。取水口から発電所までの間のうち、水路終端付近と上部水槽の部分が拡大され調整池兼用となっており、渇水時における発電力調節に用いられる。発電所は主要設備はボービング(スウェーデン)製ペルトン水車およびゼネラル・エレクトリック製4,800kW発電機各2台。発電所出力は当初8,600kW、1930年(昭和5年)9月以降は9,600kWである。送電線は下村発電所との間を連絡する77kV送電線が建設された。 資金面では、真弓発電所までの建設で会社設立時に設定された資本金の払込金徴収が全額完了していたことから、上村発電所以降の建設のため1923年12月26日の株主総会で625万円の増資を決議し資本金を1200万円としている。 上村発電所取水堰(2012年) 福澤桃介の胸像(2012年)
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