ヒッパルコスとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 人名 > 学者・研究者 > 天文学者 > 天文学者 > ヒッパルコスの意味・解説 

ヒッパルコス【Hipparchos】

読み方:ひっぱるこす

[前190ころ〜前125ころ]古代ギリシャ天文学者天体観測行い、月や太陽までの距離算出星表作成しそれ以前観測比較して歳差発見後世天文学基礎築いた


ヒッパルコス【Hipparcos】

読み方:ひっぱるこす

high precision parallax collecting satellite1989年ESA欧州宇宙機関)が打ち上げた世界初位置天文観測衛星三角測量同じく年周視差利用し、約12個の恒星の距離を従来数十倍という高精度測定した。名称は、古代ギリシャ天文学者ヒッパルコスにちなむ。ヒッパルコス衛星


ヒッパルコス

分類:人工衛星


名称:ヒッパルコス/High Precision Parallax Collecting Satellite(Hipparcos)
小分類:科学衛星
開発機関・会社:欧州宇宙機関(ESA)
運用機関会社:欧州宇宙機関(ESA)
打ち上げ年月日:1988年8月8日
運用停止年月日:1993年8月15日
打ち上げ国名機関:欧州/欧州宇宙機関(ESA)
打ち上げロケット:アリアン4
打ち上げ場所:ギアナ宇宙センター(GSC)
国際標識番号:1989062B

ヒッパルコスは、欧州宇宙機関1988年打ち上げた天体観測衛星です。この衛星には29cmのシュミット反射望遠鏡搭載され全天恒星写真の撮影行ないました。地上望遠鏡では大気のせいで画像がゆらいでしまいますが、大気のない宇宙空間では非常に鮮明な恒星写真撮影できます。ヒッパルコスはこのメリット活かした天体観測衛星で、この手法はハッブル宇宙望遠鏡へと継続されいきます
ヒッパルコスは約4年間の観測作業で、100万個以上の恒星光度測定12個以上の恒星角運動量測定など非常に多く成果挙げました。この成果は「ヒッパルコス全天星図」などとして刊行され貴重なデータとなってます。

1.どんな形をして、どんな性能持っているの?
直方体ボディを持つ、総重量1.14tの衛星です。口径29cm、焦点距離1.4m、視野0.9×0.9度のシュミット反射望遠鏡搭載されました。

2.どんな目的使用されるの?
大気のないクリア宇宙空間精密な全天恒星図撮影することと、個々恒星光度角運動量測定銀河系の星の固有運動スペクトル分析によって調査することを主な目的としていました

3.宇宙でどんなことをし、今はうなっているの?
ヒッパルコスは、全天を2688に区切り誤差1000分の2〜4秒の写真恒星図撮影完成しました。また100万個以上の恒星光度測定12個以上の恒星角運動量測定1万5千組の2重星発見など多数成果挙げました4年間にESA送られ天文データ総量は、1テラビット(1兆ビット)にも及びます。ヒッパルコスは1993年8月15日に、コンピュータ故障によって通信不能になり、その使命終えました

4.どのように地球を回るの?
静止衛星軌道まで打ち上げられるはずでしたが、ブースター故障で低い高度に止まり周回衛星となりました


ヒッパルコス

名前 Hipparchos

ヒッパルコス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/26 01:57 UTC 版)

ヒッパルコスギリシア語: Ἵππαρχοςラテン語: Hipparchus紀元前190年ごろ - 紀元前120年ごろ)は、古代ギリシア天文学者。現代にすべてつながる46星座を決定した。

著書が現存せず、どのような説を唱えたのかははっきりしない。トレミーの48星座かみのけ座の合わせて49星座を決定したのもヒッパルコスだと言われるが、はっきりと分かっている業績は、46星座の決定のみである。[要出典]

クラウディオス・プトレマイオスの『アルマゲスト』で、最も引用回数の多いのがヒッパルコスであることから、天動説を含む古代の天文学の体系を成立させたのはヒッパルコスであるという説がある。これは広く支持されているが、決定的な証明がなされていない。

ヒッパルコスは、春分点歳差(precession of the equinoxes, 歳差運動の一種)を発見した。また、彼は、注意深い観測によって、古代ギリシャ天文学に幾何学的データを導入した。それは発展して、彼が観測した天体の運動を説明し、彼の天文学的な趣味・姿勢・教養は、そのあと三世紀ものあいだ影響を与え続けたとされる。

主な業績

春分点の移動の発見

春分点の移動路

一般的にヒッパルコスは、春分点(及び秋分点)が1年ごとに前へ進む現象(歳差)の発見者として認知されている[1]。この発見は、紀元前146年から127年のこととされる[2][注釈 1]。この現象についてヒッパルコスは、『至点及び分点の決定について』と『一年の長さについて』という二冊の本を著した。これらは二冊ともプトレマイオスの『アルマゲスト』で言及されている。

プトレマイオスによると、ヒッパルコスはスピカレグルスをはじめとした明るい星々の経度を計測した。その計測記録が、チモカリスアリスティルス英語版がヒッパルコスに先んじて計測した記録と異なっていたため、ヒッパルコスはスピカが相対角度で2°、秋分点の方に移動したと結論付けた。また、ヒッパルコスは、太陽年の長さ(太陽が春分点に戻ってくるまでにかかる時間の長さ)と、恒星年の長さ(太陽がある恒星の上に戻ってくるまでにかかる時間の長さ)との比較を行い、この二つが完全には一致しないことに気づいた。そうして春分点及び秋分点黄道に沿って前進しており、その前進の割合は1世紀に少なくとも1°はあると結論付けたという。

地理学

ヒッパルコスは『エラトステネスの地理学への反論』と題する三巻本を著したが、現伝しない[3]。この本に関する知識の多くはストラボンから得られる。ヒッパルコスはこの本の中で、エラトステネスを徹底的に批判するが、地理的位置情報の不正確さと内部矛盾への批判が主で、ややこじつけの感がある。ヒッパルコスは、地図が天文学的に計測された緯度と経度のみに基づかなければならず、未知の距離については三角法を用いた計測によって求めなければならないという考えにこだわった。

また、ヒッパルコスは、地理学の理論に関して三つの大きな発明をしている[4]。第一に、地理座標系を初めて用いたことである。第二に、緯度を太陽の傾きだけでなく星の観測結果も用いて決定したことである。太陽の傾きで緯度を知る方法は古くから知られていた。第三に、離れた地点間で同時に月食の観察を行う方法によって経度を決定したことである。また、ヒッパルコスは、その著作の中で「気候表」と呼ばれる実用的な部分で、数十か所の緯度を一覧にした。その中でも特に、かつてエラトステネスが提示したアテネシチリア島インド亜大陸の南端の緯度を、より正確なものに改善した[5]

ヒッパルコスは、「気候表」の中で緯度を夏至又は冬至の長さと関連付けており、緯度を算出するにあたって用いた黄道傾斜の値を23°40′とした。紀元前2世紀後半の推定値は、23°43′である。ほかの古代の科学者たちが24°の概算値を用いており、クラウディオス・プトレマイオスですら23°51′という値を示している中で、この正確さは驚くべきものがある[6]

また、ヒッパルコスは、ヘレニズム時代に広く受け入れられていた、大西洋インド洋カスピ海がそれぞれ一つの大洋の一部分であるという説に反対すると同時に、エクメーネを拡張して赤道から北極圏の間まで拡げた[7]。 ヒッパルコスの考察は、プトレマイオスの『ゲオグラフィア』に見ることができる。本質的に、プトレマイオスの業績は、ヒッパルコスが示した地理学とはなんであるべきかという見解を実現させる試みの末に得られたものである。

ヒッパルコス衛星

年周視差の精密測定を行うため1989年8月8日に打ち上げられた人工衛星は、ヒッパルコス衛星と名付けられた。これは、宇宙、天文学に対するヒッパルコスの貢献を、世界の天文学界やヒッパルコス衛星打ち上げ実務チームが認めていることの証拠である。ただ、古代ギリシャ時代の話なので、その貢献をどこまで評価するかは、異論があることは仕方がないであろう。

ヒッパルコス衛星は予定の静止軌道に乗ることには失敗したものの、1993年6月24日に運用停止するまでに多数の有用なデータを収集した。

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ ただしこれには、サモスアリスタルコスがそれよりも早くこの現象に気づいていたという異説もある。

出典

  1. ^ 日本国立天文台 2009.
  2. ^ Giorgio de Santillana & Hertha von Dechend, "Hamlet's Mill", David R Godine, Boston, publisher, 1977, p 66
  3. ^ 断片: Berger H. Die geographischen Fragmente des Hipparch. Leipzig: B. G. Teubner, 1869.; Dicks D.R. The Geographical Fragments of Hipparchus. London: Athlon Press, 1960.
  4. ^ ヒッパルコスの地理学にかんしては次の文献を参照: Berger H. Die geographischen Fragmente des Hipparch. Leipzig: B. G. Teubner, 1869.; Dicks D.R. The Geographical Fragments of Hipparchus. London: Athlon Press, 1960; Neugebauer O. A History of Ancient Mathematical Astronomy. Pt. 1-3. Berlin, Heidelberg, New York: Springer Verlag, 1975: 332–338; Shcheglov D.A. Hipparchus’ "Table of Climata and Ptolemy’s Geography". Orbis Terrarum 9. 2003–2007: 159–192.
  5. ^ Shcheglov D.A. "Hipparchus on the Latitude of Southern India". Greek, Roman, and Byzantine Studies 45. 2005: 359–380; idem. "Eratosthenes' Parallel of Rhodes and the History of the System of Climata". Klio 88. 2006: 351–359.; idem. "Hipparchus’ Table of Climata and Ptolemy’s Geography". Orbis Terrarum 9. 2003–2007: 159–192.
  6. ^ Diller A. (1934). "Geographical Latitudes in Eratosthenes, Hipparchus and Posidonius". Klio 27.3: 258–269; cf. Shcheglov D.A. "Hipparchus’ Table of Climata and Ptolemy’s Geography", 177–180.
  7. ^ Shcheglov D.A. "Ptolemy’s Latitude of Thule and the Map Projection in the Pre-Ptolemaic Geography". Antike Naturwissenschaft und ihre Rezeption (AKAN) 17. 2007: 132-139.

参考文献等一覧


ヒッパルコス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/26 23:50 UTC 版)

もずく、ウォーキング!」の記事における「ヒッパルコス」の解説

犬種ミニチュアシュナウザー。名前は古代ギリシア天文学者からとった。引っ張りがすごい。第34話登場

※この「ヒッパルコス」の解説は、「もずく、ウォーキング!」の解説の一部です。
「ヒッパルコス」を含む「もずく、ウォーキング!」の記事については、「もずく、ウォーキング!」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ヒッパルコス」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



ヒッパルコスと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

','','','','','','','','','','','','','','','','','',''];function getDictCodeItems(a){return dictCodeList[a]};

すべての辞書の索引

「ヒッパルコス」の関連用語


2
ヒッパルコス衛星 デジタル大辞泉
100% |||||









ヒッパルコスのお隣キーワード
検索ランキング
';function getSideRankTable(){return sideRankTable};

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヒッパルコスのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JAXAJAXA
Copyright 2025 Japan Aerospace Exploration Agency
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヒッパルコス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのもずく、ウォーキング! (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS