小分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 15:34 UTC 版)
とも座CP星系の白色矮星は磁場を持ち、強磁場激変星の一つであると考えられている。強磁場激変星の中で典型的なポーラーのはくちょう座V1500星(英語版)と、爆発後の光度変化の特徴がそっくりであったからである。ただし、とも座CP星には、ポーラーとは異なる特徴がいくつかみられた。 まず、とも座CP星からは、強い偏光やその時間変化が検出されていない。偏光は、ポーラーという分類名の由来にもなった重要な特徴である。 また、とも座CP星では、1980年代に測光観測と、分光観測による視線速度とに、相次いで周期性がみつかった。当初、この2つの周期の間にはずれがみられ、分析を重ねた結果、両者は基本的に同じおよそ1.47時間周期で変動していることはわかったが、一方で測光データにはこれとは別の周期が存在し、しかもその周期が安定していないこともわかった。これらの特徴は、連星の公転と白色矮星の自転が完全に同期しているポーラーではみられないものである。この1.47時間の変動周期は、連星系の公転周期であり、これは既知の古典新星の中で最も短いものの一つであり、公転時間が2時間から3時間の辺りに激変星が見当たらない、公転周期の「空白地帯」よりも短い周期で、初めてみつかった激変星である。 また、スペクトル線の輪郭から、系の運動の詳しい速度分析をした結果、とも座CP星には降着円盤が存在することが明らかとなっている。ポーラーであれば、磁場が非常に強いため、物質の降着は磁力線に沿った降着流となり、降着円盤の形成は阻害されるので、とも座CP星の場合とは異なる。 これらの特徴からすると、とも座CP星は中間ポーラー(英語版)であると考えられる。ただし、公転周期とみられる周期とは別の周期での変光が不安定なのは、中間ポーラーらしくない特徴であり、また、赤外線での変光の特性は、サイクロトロン放射(英語版)によるものであることが示唆されるが、赤外でサイクロトロン放射が観測されるのは、ポーラー的な特徴であって、中間ポーラーと考えれば全ての観測結果に説明が付くものではない。
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