クラス‐スイッチ【class switch】
読み方:くらすすいっち
抗体の産生を担うB細胞が、抗原などの刺激によって、複数の異なる種類(クラス)の免疫グロブリン(抗体として機能するたんぱく質)を合成するようになること。クラス転換。→体細胞高頻度突然変異
[補説] 抗原と結合して活性化したB細胞は増殖し、IgMやIgD型の免疫グロブリンを分泌するが、抗原の刺激やヘルパーT細胞が放出するサイトカインの作用によって、IgG・IgA・IgE型の抗体を産生するようになる。このクラススイッチでは、抗体が免疫細胞や補体と結合する定常領域が変化し、抗原と結合する可変領域は変化しない。これによって、特定の抗原に対して異なる機能をもつ抗体が産生され、抗原をより効率的に排除できるようになる。
クラススイッチ
クラススイッチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 00:09 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動クラススイッチ(英:Immunoglobulin class switching)とは、免疫反応で生産される免疫グロブリンの定常領域(Fc領域)が、抗原などの刺激により可変部を変えずにIgMからIgGやIgEなどへと変換することである。免疫グロブリンクラススイッチ[1]またはアイソタイプスイッチ[2]またはクラススイッチング[3]ともいう。H鎖の定常領域(Fc領域)がクラススイッチを起こす。
なお、そもそも免疫グロブリンはB細胞で生成され、またB細胞が最初に生成するヒトの免疫グロブリンはIgMであり、そこからクラススイッチによって、その他のクラスの免疫グロブリンに変化することになる。
ヘルパーT細胞がB細胞を活性化した際にクラススイッチが起きることが知られており[4]、IgMクラスからどのクラスやサブクラスの抗体に変換するかは、ヘルパーT細胞の産生するサイトカインと呼ばれる活性たんぱく質の作用によって決まる。
関連疾患
CD40リガンド(CD154)を欠損するX連鎖高IgM症候群ではクラススイッチが働かないのでIgMとIgD以外の免疫グロブリン(IgGやIgEやIgA)を産生できないために免疫不全に陥る。また、高頻度体細胞突然変異を行う活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)はクラススイッチにも関わっているのでこれを欠損するAID欠損症でもクラススイッチがうまくいかず高IgM血症を示す。
参照項目
脚注
参考文献
- 笹月 健彦 監訳 K.マーフィー 他著: Janeway's 免疫生物学 原書第7版 ISBN 978-4-524-25319-7
クラススイッチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 14:54 UTC 版)
「日本の発明・発見の一覧」の記事における「クラススイッチ」の解説
1978年、抗体遺伝子が敵に応じて法則的に変化するクラススイッチモデルを本庶佑が提唱し、その後多くの論文でこれを実証した。
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