エネルギー状態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 16:17 UTC 版)
翻訳が行われるためには、豊富なエネルギー源が、特にATPの形で存在することが必要である。ATPがAMPなど他の形態への加水分解のために十分なレベルで存在せず、ATPに対するAMPの比率が高くなりすぎた場合には、AMPKが活性化される。AMPKはタンパク質合成など、エネルギーを消費する経路を阻害する。 AMPKはTSC2のセリン1387番残基をリン酸化してTSC複合体のGAP活性を活性化し、Rheb-GTPからRheb-GDPへの加水分解を引き起こす。この結果mTORC1は不活性化され、この経路を介したタンパク質合成の促進が遮断される。 AMPKはRaptorの2か所のセリン残基もリン酸化する。リン酸化されたRaptorは14-3-3をリクルートして結合し、mTORC1に取り込まれることを防ぐ。mTORC1はRaptorがなければ基質をリクルートすることができないため、mTORC1を介したタンパク質合成の促進は行われなくなる。 LKB1(STK11)は、AMPKを活性化するがん抑制因子であることが知られている。mTORC1に関するこうした側面からの研究の進展によって、がんとの強い関連が明らかとなる可能性がある。
※この「エネルギー状態」の解説は、「mTORC1」の解説の一部です。
「エネルギー状態」を含む「mTORC1」の記事については、「mTORC1」の概要を参照ください。
「エネルギー状態」の例文・使い方・用例・文例
- 米国の物理学者(ドイツ生まれ)で、ガスタフ・ヘルツと共に電子散乱実験を行い、ニールス・ボーアにより仮定された定常エネルギー状態の存在を立証した(1882年−1964年)
- ドイツの物理学者で、ジェームズ・フランクと共にボーアによって唱えられた静止したエネルギー状態の存在を証明した(1887年−1975年)
- 原子か他の粒子の最も低いエネルギー状態
- 同一のエネルギー状態が二つ以上存在する
- 物質中の電子を高いエネルギー状態にしておき,そのエネルギーを誘導放出過程によって単一波長で位相のそろった光として放出させる現象
- 低いエネルギー状態から高いエネルギー状態に移る
- エネルギー状態のページへのリンク