叔母
別表記:しゅくぼ
叔母とは、叔母の意味
叔母とは、父または母の妹のこと。父方であるか母方であるかは関係なく、「妹」であれば「叔母」になる。読みは「しゅくぼ」または「おば」。また、叔父の配偶者も「叔母」と呼ぶ場合がある。この場合の「叔母」は、父または母よりも年齢が上である場合も考えられる。叔母と伯母の違い
伯母も「おば」と読むが、意味は父または母の姉のことである。「叔母」「伯母」の言葉の由来は、中国の儒教から伝わったといわれ、「叔」には、若い・年少者という意味があり、「伯」には、頭・統率者を意味し、兄弟姉妹であれば年長者を指すといわれる。日本は、古くから年長者を敬う慣習が根付いているため、今でも「叔母」よりも「伯母」の顔を立てる必要の出てくることがある。特に、通夜葬儀における焼香の順番は大切で、あとで揉めることがないように「伯母」を先にすることが多い。しかし、披露宴においては「伯母」と「叔母」は同じ席次にするのが一般的である。日常生活では年齢における多少の差がある程度で、民法を始めとする法律においては、平等であり同列に扱われている。
叔母は英語でauntという
英語では、叔母および伯母ともに「aunt」と同じ表記になり、父・母よりも年上か年下かの区別がつかない。近所や親しい年長の「おばさん」に対しても使用する場合がある。しかし、知らない「おばさん」には、「aunt」ではなく「madam」という言葉を使うことが多い。「aunt」は、父親の姉妹という意味のラテン語「amita」が語源である。親族における叔母
親族とは、六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族のことである。叔母は、民法上三親等の傍系血族であり親族に当たる。仮に自分が男性で、叔母ともども独身であった場合、お互いに結婚する意志があったとしても、民法第734条に直系血族又は三親等内の傍系血族との婚姻禁止事項があるために、叔母と婚姻することはできない。ちなみに、いとこ同士は四親等になるので婚姻可能である。叔母が生活保護の申請など金銭的に困窮した場合、親族間で助け合わなければならない義務がある。これを扶養義務者というが、民法では、親族間の扶養義務に関する規定があって「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」としているので、法律上は叔母を扶養する義務はない。但し、特別な事情があり家庭裁判所の審判による義務が生じた場合は、叔母を扶養する必要も出てくる。逆に、自分が生活困窮に陥った時も同様で、叔母にも甥・姪である自分を扶養する義務が生じることもある。
叔母は法定相続人に該当するか
法定相続人とは、「相続の際に遺産を受け取れる権利がある人」と民法で認めている一定の相続人のことである。配偶者は必ず法定相続人になる。その他の法定相続人は、子、直系尊属、兄弟姉妹であるので、自分が死んだ場合には、叔母は法定相続人に該当しない。生前、叔母に大変お世話になったため、財産を一部でも相続させたいのであれば、遺言書を作成する等の手続きが必要になる。逆に、叔母が亡くなった場合には、条件次第ではあるが、代襲相続という制度により、甥・姪である自分に対してでも遺産を相続できる可能性がある。お互いが確実に法定相続人になるには、叔母と養子縁組をして親子関係を結ぶ方法がある。自分に子供がいる場合には、叔母が相続人になることはできないが、子供がいなければ法定相続人となる。叔母が亡くなると、自分は叔母の子として法定相続人になる。養子縁組届は成人の証人二人が必要で、自分と叔母双方とも成人でお互いの合意があれば、役場に提出することができる。役場が書類を審査し、受理が終われば届出日より親子としての効力を発する。
お‐ば〔を‐〕【伯‐母/叔‐母】
お‐ば〔を‐〕【小▽母】
お‐ば【▽御婆/×姥】
お‐ば【祖=母】
おば
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/14 14:00 UTC 版)
おば(伯母/叔母/小母)とは日本語で以下の関係に当たる女性に対する敬称。
- 「伯母」は傍系3親等にあたる父親や母親(養父母や再婚相手を含む)の姉ないし兄の妻にあたる女性、祖父母の養女や再婚相手の娘、父母の養親の実の娘で、父母より年長の者を指す語。
- 「叔母」は傍系3親等にあたる父親や母親(養父母や再婚相手を含む)の妹ないし弟の妻にあたる女性、祖父母の養女や再婚相手の娘、父母の養親の実の娘で、父母より年少の者を指す語。稀に本人より年少の場合もある。
- 「小母」は年下の人間が成人女性、特に子を持つ親ほどの年齢層を指して呼ぶ一般語。父母の姉妹以外の親族(いとこおばや父母と年齢の近い従姉や異母姉、兄弟姉妹の姑など)を指して呼ぶ場合にも使う。
対象・用例
この語の尊敬語は「〜様」ないし(その音便である)「〜さん」であり、日本語の口語表現全般で使われる。また謙譲語は単に「伯母」・「叔母」であり、自らの親族である「伯母」・「叔母」をより遠い関係の者に呼ぶときにはこれらの謙譲語を使う。古い尊敬語では「〜上」となる。
幼児もしくは年少の人間に対し、「おかあさん」などと同様、相手を中心とした呼び方で一人称として用いられることがある。この場合は普通「〜さん」を付け「おばさん」となる(「おばちゃん」と呼ぶ場合もある)。あるいは年長の女性に対する呼びかけとして「おばちゃん」等を用いる場合もある[注釈 1]。
ただし、伯母・叔母にあたる女性であっても若い女性の場合や年齢が近い場合には、「おばさん」の語が持つ年長の語感によって不快に感じることが少なくないため、若い女性を指す一般語の「おねえさん」を用いたり、名前を呼ぶことにしている場合がある。また、伯母・叔母が20歳未満である場合は、通常「おばさん」あるいは「おばちゃん」と呼びかけたり、自称することはまずない。
「本人より年少の叔母」については、側室や妾が普通だった時代は、祖父が早婚・長命であれば今よりはるかに多く見られた。たとえば徳川家康の男の孫では最年長である奥平家昌(家康の娘・亀姫の子)は、徳川秀忠以下ほとんどの叔父・叔母よりも年長であった(もっとも、身分が違うので叔母上と呼ぶ機会はなかったであろうが)。それどころか、家昌の嫡男である奥平忠昌と忠昌の大叔母にあたる家康の末娘・市姫は、わずか1歳違い(市姫が年長)であった。
「伯母」と「叔母」
兄弟姉妹の数が多く、大家族制が一般的であった半面、儒教等の影響で長幼の序にきびしかったかつての中国では、兄弟姉妹のなかで、最年長を「伯」、二番目を「仲」、三番目を「叔」、最年少を「季」と称して区別した[1][注釈 2]。父・母の兄や姉を「伯父」・「伯母」、父母の弟や妹を「叔父」・「叔母」と表記するのは、そのためである[1]。
大おば
祖父母の姉妹、すなわち父または母のおばは、大おば(大伯母/大叔母、おおおば)と呼ばれる。漢字の使い分けは上に同じである。
親族呼称としての「おば」
北米のイロコイ族では日本語の「おば」のカテゴリーに属する女性を「母親」と同じ呼称で呼ぶ。オマハ族では「父方オジ」を「父親」と同じ呼称で呼び、「母方オジ」の呼称とは異なる。オマハ族は母の兄弟の娘である女性のいとこと母の姉妹である「おばさん」とは同じ呼称で呼ばれ、父の姉妹の娘である女性のいとこは、本人の姉妹の娘と同じ呼称で呼ばれる。異なる社会においては、親族としての「おば」の範囲が異なることを示している。
台湾では「おばさん」の発音に漢字を当てた「歐巴桑」という言葉がある。意味は「小母」と同じ。日本と違い、日常生活における呼びかけには使われないものの、アニメの台詞や書籍のタイトル等でよく使われている。
親戚に対する呼称
稀ながら「おばさん」と言う呼び方は、自分の伯母・叔母・いとこおばに当たる女性以外にも壮年期以降の成人女性を指して呼ぶ一般語としても用する。例えば、自分と最も年が離れているためそう呼ばれることが一般的である
- 義理の伯母 - 配偶者の伯母(舅・姑の姉)や伯父嫁が中年女性の場合
- 義理の叔母 - 配偶者の叔母(舅・姑の妹)や叔父嫁が中年女性の場合
- 大叔母 - 中年女性及び自分の父母と年齢が近い場合(いとこ大叔母も同様)
- 姉 - 壮年期以降の成人女性及び自分と年齢が遠い場合
- 異父姉 - 壮年期以降の成人女性及び自分の父と年齢が近い場合
- 異母姉 - 壮年期以降の成人女性及び自分の母と年齢が近い場合
- 従姉 - 壮年期以降の成人女性及び自分の父母と年齢が近い場合(はとこも同様)
- 義姉 - 配偶者の姉(小姑)や兄嫁が壮年期以降の成人女性及び自分の父母と年齢が近い場合
おばさんがモチーフの作品
- タイトルに「おば」を含むページの一覧
- タイトルに「おばさん」を含むページの一覧
- エプロンおばさん
- スプーンおばさん (アニメ)
- おまかせ!プルーデンスおばさん
- ジェシカおばさんの事件簿
- ホレのおばさん
- トゥルーデおばさん
- おばちゃんチップス
- オイ!! オバさん
- 愛少女ポリアンナ物語
- メイム叔母さん
- 私がオバさんになっても
- オバタリアン
- 伯母殺人事件
- 叔母殺人事件
脚注
注釈
出典
参考文献
- 浜島書店『ステージアップ漢字』1999年1月。ISBN 978-4-8343-1024-5
- 内館牧子『あなたはオバサンと呼ばれてる』講談社、2001年。ISBN 4-06-347251-5。[要ページ番号]
対語・関連項目
おば(ゆきの)
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「哀しい予感 (小説)」の記事における「おば(ゆきの)」の解説
私立高校の音楽教師。独身。古い一軒家に一人暮らし。実は弥生の姉である。両親を交通事故で失っている。
※この「おば(ゆきの)」の解説は、「哀しい予感 (小説)」の解説の一部です。
「おば(ゆきの)」を含む「哀しい予感 (小説)」の記事については、「哀しい予感 (小説)」の概要を参照ください。
姨
「おば」の例文・使い方・用例・文例
- ジェーンおばさん
- メアリーは先月姉が赤ん坊を生んだのでおばさんになった
- 子どものころ,ジョンはおばに預けられた
- 彼女はおばさんが他界したときたくさんのお金を相続した
- 子どもの世話をおばにゆだねる
- 彼はおばさんの抱擁から逃れられなかった
- 彼女はニューヨークで過ごした1年間を除いておばあさんとずっと一緒に暮らした
- 彼女はおばさんのお気に入りだ
- おばはのんびりと暮らしている
- 明日おばに会いに行くつもりだ
- 彼はおばにうまく取り入った
- おばは銀のスプーンのコレクションを遺産に残してくれた
- あなたのおばあさんはどのような人でしたか
- 夫のおば
- 母方のおば
- そのおばは私の母に瓜二つだ
- 彼はおばさんがくれたお金で世界一周した
- 君のおばあちゃんが70歳過ぎたなんてとても信じられない
- 口に食物をほおばったまま話すのはよくない
- 私はおばに育てられた
- >> 「おば」を含む用語の索引
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