2009-09-13(Sun)
CANAAN #11 彼女添
リャン・チーの終焉。

だってだって、愛なんだよ。

地下空洞のお花畑にて氷浸けのカナンもどきとご対面したマリア&ユンユン、そこへ現れた夏目が銃を構えた前回の引き。その銃口はてっきり先着のアルファルドに向いているかと思いきや…そのまんまマリア&ユンユンに向けられていました。消される理由は「それを見てしまったからには(略」と古典的なもの、「贖罪」を理由に現れたはずの夏目がこの辺りからどうにも胡散臭い存在に。
てなところへアルファルドが登場し数々のネタばらし。なるほど夏目の素性を聞くと「CIAの尻尾を掴んで強請る」と言っていたのはあながち騙りでもなかったようです。しかし「夏目」という名前からして日本人を匂わせていましたがまさかそのまんまとは…またその素性から作戦内容までアルファルドに筒抜けだったってのも微妙に切ない展開です。
氷漬けのカナンもどきは血縁者やクローンなどではなく普通に成功例のボナーでした。普通って言うなあ! 「共感覚因子を持った者にUAで体質変化させると髪の色が抜ける」とのこと、つまりカナンもボナー扱いのはずですがユンユンなどのように薬を飲んでいる風もなく、まあこの計画自体が「カナンを作ること」なのでオリジナルの彼女は特別なのでしょう。地下空洞からの去り際にジッポを投げて焼却処分、着火剤へ落としたように一瞬で蒼い炎に包まれるカットは絵面的にはよろしいけれども…どういう理屈で燃えてるのやら。氷じゃないのかあれは。
アルファルドからUAのデータを受け取った夏目は地上へ出ると米軍のタスクフォースへ連絡し、用済みのファクトリーを殲滅させる動き。中国本土にて米軍を手駒のように使って思うがままの作戦を遂行する夏目、現実では全方面土下座外交の腰抜けっぷりを皮肉った描写?
アルファルドに助けられて地下空洞から脱出したマリア&ユンユンはみのさん&カナンと合流。ハッコーさんを抱きしめた後どうなったのかと思いきや二人はそのまま気を失ってしまったようで…ノイズキャンセラ-で救われたみのさんはともかく、リャンチーが語った理屈では「音が聞こえなくてもハッコー声の破壊力が到達する」はずのカナンが無事なのはどういう? この件に限らずどうも「場当たり」な設定のツギハギ、一貫した整合性よりもシーンごとの盛り上がりが重視されているようでナントモ微妙な気分。
ブラックホーク軍団の急襲きたきた。ここで一瞬見せる共感覚視界、暗く落ちた空に浮かぶ無数の青い光は殺意を持ってこちらへ向かってきます。それを見たカナンはハッコーを救助すべく単身ファクトリーへ走る。薬のことを気に掛けてもらって感涙のユンユンがかわいい。

確かにこの場面でじっと待つのは辛いけれども、ド素人の二人がカナンに付いて行ったところでみのさんの言うとおり足手まといになるだけです。まあここは言い付けどおりカナンを信じて待つが吉でしょう。
メガネを外し髪をなびかせ米軍ヘリで脱出する夏目。「サンディ田中の遺志」とは…終盤に来てまだ謎ワードを出しますか。それともこれは原作に出てくる人物なのかな?
てなわけでお待ちかねのリャンチー劇場開幕です。迫り来るタスクフォースを食らうが如く舌なめずりからテンション上がりまくりの下着姿で小銃のマガジンを一瞬でカラにするリャンチー。「あの女、裏切りやがった」のセリフは夏目との裏の繋がりを表していますね。もう終わっちゃったけど。

そんなところへひょっこり顔を出したアルファルドお姉さまを見ると表情が和らぎ…隣にカミングスが現れると再び沸騰。いや沸騰どころの騒ぎではなく、フルボッコの末に銃の台尻で額をガツン!は死ぬ死ぬ。BB弾を受けて恍惚の表情を見せていたカミングスですがこれはいささかキツかろう。殴られても殴られてもリャンチーを引き戻そうと哀願し、愛を貫き通す覚悟は生半可ではありません。
リャンチーに対し「その愛に報いてやろう」とナイフを構えるアルファルド。一瞬の交錯で喉笛に一筋を入れる本気の殺意にリャンチーはゾクゾク来ちゃってます。青龍刀を抜いて対峙の表情、足を切られて投げ飛ばされて「姉さまに殺される」ことに喜びを感じている恍惚の表情は今さらながらかなり危ない人ですなあ。前回に引き続き理恵さんの演技もリャンチーの危なさを際立たせています。素晴らしい。

しかし姉さまは残酷なことに止めを刺してくれません。狼狽するリャンチーはモニタに映ったカナンの姿を見ると何かに取り憑かれたように別室へ走り、試作品のカナン化カプセル(?)を飲んでしまいます。共感覚因子を持たない者がこの製剤を使うとさまざまな感覚が体を切り刻むらしく、苦痛に顔を歪めたリャンチーは冒頭で説明されたように髪の色が抜け、赤い瞳と共にカナンもどきの姿に変わってしまいました。
さんざん引っ張った「シャムからの手紙」のネタばらしをここで。マッチポンプの救出劇でアルファルドの気を引こうとした愚かさ、それ以前にアルファルドは偽の手紙に気付いていた。それは「シャムは私をアルファルドと呼ばない」から。てなわけでこのシーンにてカナンへの憎悪をブーストする小道具としては機能していましたが…もっと大きな意味を持つ手紙かと思っていたので少々拍子抜けだったのが正直なところ。
鏡に映った自分の姿に精神は崩壊し、リャンチーの最期を悟ったカミングスは背後から引導を渡す。悲惨な末期を迎えた彼女への最後の愛情か。血反吐を吐いて倒れたリャンチーはカミングスの腕の中で愛を語りながら息絶え、後を追うようにもう一発の銃声が響き渡った。カミングスはほんのチョイ役の変態男かと思ったら壮絶にかっこいい死に様でしたね。だってだって、愛なんだよ~。
部屋を出たアルファルドの独白。過去の亡霊に囚われた今の自分は本来の自分ではない。本来の自分を取り戻すためには…ってそれはつまり「自分探し」が彼女の行動原理ですか?

ファクトリー内を走り回って探し当てたハッコーは死んだサンタナと肌を合わせ、カナンの呼び掛けにも帰る気はゼロのようです。どこで見つけたのかユンユン用の薬をカナンに渡し、しかし自分はサンタナと共に残ると言う。声に出すとカナンが死ぬので口パクにて会話するハッコー、いちいち復唱してくれるカナンは視聴者に親切な子です。ともかくこの結末はちょっと切ないですね。ハッコーにしてもあの状態から立ち直るのは難しいだろうけれども、ここでハッコーが死んでしまったらサンタナも死にきれないでしょうに。
ハッコーに別れを告げてマリアの所へ戻ったカナン。そんなカナンへ真っ先にカメラを構えたマリアは少し成長したか。報道カメラマンとは時に感情を殺してでも撮影しなければならない仕事であり、危険な橋を渡りまくって帰ってきたカナンを真っ先に抱きしめてやりたいだろうにマリアはそれを我慢した。撮影中のカメラの震えがマリアの心境を表していますね。
ユンユンは薬をもらって一息ですが…一瓶がどのくらいもつのやら。ともかく根本的な解決にはなっていないので早くマリア父に診てもらうとよろしい。UAの権威で抗ウイルス剤も作った人なら完治法も施せるのでは? UAにやられたマリアが薬無しで生きているのですから。
さて残り1回?2回? ともあれストーリーも佳境でありますが未だに見えないものが多いような。はたしてどんな結末を迎えるか?…という前に結末へ向かう材料がまだ揃っていない感じなのが不安なところです。
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だってだって、愛なんだよ。

地下空洞のお花畑にて氷浸けのカナンもどきとご対面したマリア&ユンユン、そこへ現れた夏目が銃を構えた前回の引き。その銃口はてっきり先着のアルファルドに向いているかと思いきや…そのまんまマリア&ユンユンに向けられていました。消される理由は「それを見てしまったからには(略」と古典的なもの、「贖罪」を理由に現れたはずの夏目がこの辺りからどうにも胡散臭い存在に。
てなところへアルファルドが登場し数々のネタばらし。なるほど夏目の素性を聞くと「CIAの尻尾を掴んで強請る」と言っていたのはあながち騙りでもなかったようです。しかし「夏目」という名前からして日本人を匂わせていましたがまさかそのまんまとは…またその素性から作戦内容までアルファルドに筒抜けだったってのも微妙に切ない展開です。
氷漬けのカナンもどきは血縁者やクローンなどではなく普通に成功例のボナーでした。普通って言うなあ! 「共感覚因子を持った者にUAで体質変化させると髪の色が抜ける」とのこと、つまりカナンもボナー扱いのはずですがユンユンなどのように薬を飲んでいる風もなく、まあこの計画自体が「カナンを作ること」なのでオリジナルの彼女は特別なのでしょう。地下空洞からの去り際にジッポを投げて焼却処分、着火剤へ落としたように一瞬で蒼い炎に包まれるカットは絵面的にはよろしいけれども…どういう理屈で燃えてるのやら。氷じゃないのかあれは。
アルファルドからUAのデータを受け取った夏目は地上へ出ると米軍のタスクフォースへ連絡し、用済みのファクトリーを殲滅させる動き。中国本土にて米軍を手駒のように使って思うがままの作戦を遂行する夏目、現実では全方面土下座外交の腰抜けっぷりを皮肉った描写?
アルファルドに助けられて地下空洞から脱出したマリア&ユンユンはみのさん&カナンと合流。ハッコーさんを抱きしめた後どうなったのかと思いきや二人はそのまま気を失ってしまったようで…ノイズキャンセラ-で救われたみのさんはともかく、リャンチーが語った理屈では「音が聞こえなくてもハッコー声の破壊力が到達する」はずのカナンが無事なのはどういう? この件に限らずどうも「場当たり」な設定のツギハギ、一貫した整合性よりもシーンごとの盛り上がりが重視されているようでナントモ微妙な気分。
ブラックホーク軍団の急襲きたきた。ここで一瞬見せる共感覚視界、暗く落ちた空に浮かぶ無数の青い光は殺意を持ってこちらへ向かってきます。それを見たカナンはハッコーを救助すべく単身ファクトリーへ走る。薬のことを気に掛けてもらって感涙のユンユンがかわいい。

確かにこの場面でじっと待つのは辛いけれども、ド素人の二人がカナンに付いて行ったところでみのさんの言うとおり足手まといになるだけです。まあここは言い付けどおりカナンを信じて待つが吉でしょう。
メガネを外し髪をなびかせ米軍ヘリで脱出する夏目。「サンディ田中の遺志」とは…終盤に来てまだ謎ワードを出しますか。それともこれは原作に出てくる人物なのかな?
てなわけでお待ちかねのリャンチー劇場開幕です。迫り来るタスクフォースを食らうが如く舌なめずりからテンション上がりまくりの下着姿で小銃のマガジンを一瞬でカラにするリャンチー。「あの女、裏切りやがった」のセリフは夏目との裏の繋がりを表していますね。もう終わっちゃったけど。

そんなところへひょっこり顔を出したアルファルドお姉さまを見ると表情が和らぎ…隣にカミングスが現れると再び沸騰。いや沸騰どころの騒ぎではなく、フルボッコの末に銃の台尻で額をガツン!は死ぬ死ぬ。BB弾を受けて恍惚の表情を見せていたカミングスですがこれはいささかキツかろう。殴られても殴られてもリャンチーを引き戻そうと哀願し、愛を貫き通す覚悟は生半可ではありません。
リャンチーに対し「その愛に報いてやろう」とナイフを構えるアルファルド。一瞬の交錯で喉笛に一筋を入れる本気の殺意にリャンチーはゾクゾク来ちゃってます。青龍刀を抜いて対峙の表情、足を切られて投げ飛ばされて「姉さまに殺される」ことに喜びを感じている恍惚の表情は今さらながらかなり危ない人ですなあ。前回に引き続き理恵さんの演技もリャンチーの危なさを際立たせています。素晴らしい。

しかし姉さまは残酷なことに止めを刺してくれません。狼狽するリャンチーはモニタに映ったカナンの姿を見ると何かに取り憑かれたように別室へ走り、試作品のカナン化カプセル(?)を飲んでしまいます。共感覚因子を持たない者がこの製剤を使うとさまざまな感覚が体を切り刻むらしく、苦痛に顔を歪めたリャンチーは冒頭で説明されたように髪の色が抜け、赤い瞳と共にカナンもどきの姿に変わってしまいました。
さんざん引っ張った「シャムからの手紙」のネタばらしをここで。マッチポンプの救出劇でアルファルドの気を引こうとした愚かさ、それ以前にアルファルドは偽の手紙に気付いていた。それは「シャムは私をアルファルドと呼ばない」から。てなわけでこのシーンにてカナンへの憎悪をブーストする小道具としては機能していましたが…もっと大きな意味を持つ手紙かと思っていたので少々拍子抜けだったのが正直なところ。
鏡に映った自分の姿に精神は崩壊し、リャンチーの最期を悟ったカミングスは背後から引導を渡す。悲惨な末期を迎えた彼女への最後の愛情か。血反吐を吐いて倒れたリャンチーはカミングスの腕の中で愛を語りながら息絶え、後を追うようにもう一発の銃声が響き渡った。カミングスはほんのチョイ役の変態男かと思ったら壮絶にかっこいい死に様でしたね。だってだって、愛なんだよ~。
部屋を出たアルファルドの独白。過去の亡霊に囚われた今の自分は本来の自分ではない。本来の自分を取り戻すためには…ってそれはつまり「自分探し」が彼女の行動原理ですか?

ファクトリー内を走り回って探し当てたハッコーは死んだサンタナと肌を合わせ、カナンの呼び掛けにも帰る気はゼロのようです。どこで見つけたのかユンユン用の薬をカナンに渡し、しかし自分はサンタナと共に残ると言う。声に出すとカナンが死ぬので口パクにて会話するハッコー、いちいち復唱してくれるカナンは視聴者に親切な子です。ともかくこの結末はちょっと切ないですね。ハッコーにしてもあの状態から立ち直るのは難しいだろうけれども、ここでハッコーが死んでしまったらサンタナも死にきれないでしょうに。
ハッコーに別れを告げてマリアの所へ戻ったカナン。そんなカナンへ真っ先にカメラを構えたマリアは少し成長したか。報道カメラマンとは時に感情を殺してでも撮影しなければならない仕事であり、危険な橋を渡りまくって帰ってきたカナンを真っ先に抱きしめてやりたいだろうにマリアはそれを我慢した。撮影中のカメラの震えがマリアの心境を表していますね。
ユンユンは薬をもらって一息ですが…一瓶がどのくらいもつのやら。ともかく根本的な解決にはなっていないので早くマリア父に診てもらうとよろしい。UAの権威で抗ウイルス剤も作った人なら完治法も施せるのでは? UAにやられたマリアが薬無しで生きているのですから。
さて残り1回?2回? ともあれストーリーも佳境でありますが未だに見えないものが多いような。はたしてどんな結末を迎えるか?…という前に結末へ向かう材料がまだ揃っていない感じなのが不安なところです。
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