2009-09-10(Thu)

青い花 #11 冬の花火

思い出した…初恋の人。

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穏やかで綺麗な最終回でした。

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岩屋での緊張感あふるる引きから1週間、早くも最終回を迎えた「青い花」ははたしてどういう決着か!? と意気込んでみたら衣替えの季節までジャンプ。冬服をチラリと眺めてベッドで大あくびの二度寝あーちゃんがかわいすぎますが…至福の二度寝はその代償も大きかったようです(笑。兄貴のクルマで送ってもらうも「学校まで送る」と言う兄貴の言葉を遮って駅で降りるのは「例え遅れようとふみが駅で待っている」ことがわかっているからでしょう。ふみのところへダッシュで駆け寄るカット、その後電車に乗り車窓から「秋」を感じる二人の描写もいいアングルから見せます。今回のコンテはカサヰケンイチ氏&渦巻かい氏、「嵐が丘」の前後編コンテも担当したこの「渦巻かい」とは謎の存在でしたが…何やら幾原邦彦氏の別名との噂で、なるほど妙に私の琴線に触れる映像を見るとその噂も納得のような。

図書館の本の入れ替えを手伝うふみ。抜く本の隣に「嵐が丘」を見つけたときの一瞬の動揺、さらに風に流れるカーテンを見つめて先輩とのキスを思い出したり…これは後のシーンであーちゃんも言ってましたが、なかなかスイッチを切り替えるように気持ちを断ち切るわけにはいかないようです。

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演劇部の集まりで次回上演作品のリストが発表されました。その会話にて3年生の卒業を意識させられる京子。もちろん京子は「卒業してしまう先輩」のことを考えているのでしょう。もう先輩の演技を見られない、同じ舞台を創ることができない。3年生の軽口に笑う仲間の中で京子一人だけ表情を変えないのが印象的です。続くシーンは次女の絵画教室、ここで京子は先輩の留学を知ってショック。もちろん何の相談も無く留学を決めてしまった先輩の行動には「脈無し」も極まった感じ。

帰りの駅で先輩とふみが偶然遭遇。しかし遠目に挨拶を交わすのみで会話も無く、ホームでの二人の距離が関係の終焉を見せていました。ふみが同じ電車に乗らず見送った後に見せる車内の先輩のカット、車窓から覗く先輩がふみを見向きもせず反対側を見ているカットは強烈な決定打です。この一瞬で先輩の「決意」を感じさせ、駅に現れたあーちゃんに気付いたふみの表情がこれまた。その後二人はいつもの店でお茶タイム、落ち込むふみを自然体で元気づけるあーちゃんは今回もいい子です。

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顧問先生はいつもの渡り廊下から藤が谷のバスケ部を見て杉本先輩のことを考えている? 背景に映る図書室の窓から見つめていた少女はさまざまな思いを振り切るようにバスケへ打ち込み…それぞれの道を歩み始めたことを感じさせる繋ぎでした。そんな先輩の活躍、そして留学の噂をするファンの子たち。「あなたたちとは思いが違う!」と早歩きで追い抜きながら、もう手が届かないことを悟った京子は先輩へお別れのメールを打ちます。これで京子も気持ちに整理が付いたのでは? そんなメールを優しい表情で見る先輩も印象的。

帰宅したふみに渡された千津からのハガキ。幸せそうに微笑む新婚さんの写真を見たふみは…「諦めた」と言いつつも現実を突き付けられると複雑な心境でしょうね。泣くこともなくベッドに転がって物思うふみ、千津の写真を見て「初恋」のことを考え込んでしまうのは相手が千津以外だったから?

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季節は早くも冬、冬のイベントと言えばクリスマスってことでみなさん集まってクリスマスパーティの予定です。女子ばかり5名でクリスマスってのは楽しげでよろしいけれども、これが男5名だとどよんどだよねえ。男が5人集まってケーキ食ってプレゼント交換、古いアルバムを見てキャッキャウフフ…やめましょうこんな想像。

あーちゃんは康ちゃんから誘われてプレゼント選びのお手伝い。行った先のファンシーショップが「Fansy Kunihiko」ってのはコンテが幾原氏である証拠のお遊びでしょうか。あれやこれやとプレゼントを選ぶ二人、そんなところへ偶然ふみが遭遇し、まさにまんがのような勘違い展開でありますね(笑。盛り上がるツーショットを前にして声を掛けられないふみ、ギュッと握った拳は無意識の嫉妬から?

思い出の小学校が取り壊されることを知ったあーちゃん。木造校舎は風情がありますが冷暖房は効かないし耐震強度にも問題ありのため建て替えられるのも時代の流れ、とはいえ思い出の建物が壊されてしまうのはとても寂しい。難しいところです。

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ファンシーショップで見たツーショット問題についてお風呂にて考え込んでしまうふみ。最後のサービスシーンですか。髪を纏めて上気した肌はふみとは思えぬ色っぽさ、と言ったら失礼か。

というわけで姦しい、いや喧しいクリスマスパーティの開幕です。様子を見に来た兄貴に露骨に冷たいあーちゃん、一方で頬を染めるモテギちゃんを煽るその他二名がいい味でした。地味なふみが始終お盛んなのに結局ポンちゃんたちは賑やかしキャラのまま…でもこういうグループっているよねえ?(笑

みんなで眺める古いアルバム。幼い二人が花壇の前で並んだ写真、そしてスケッチブックには二人の間に青い花が描かれていました。これまで要所要所で描かれてきた「青い花」、ふみの思いの象徴である花の原点はここにあったのですね。そしてこれはラストへの伏線、まあここでほとんど答えが出ちゃっていると言ってはシマイですが黙って見守るべし。

ファンシーショップのツーショットの真相を知らされて噴き出すふみ。そんなリアクションにお約束どおり戸惑うあーちゃんがこれまたかわいい。帰り際に決死の形相でプレゼントを渡すモテギちゃんもかわいいです。よくがんばった! 唖然としたままそれを受け取る兄貴、何も見なかったかの如く家へ入る母親の不機嫌さはいかにも母親らしいリアクションですね。とばっちりの父ちゃんかわいそう(笑

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寝付けない二人は雪の夜をお散歩。取り壊される学校の話題が出ると「今から見に行こう」ってことに。夜の学校は不気味であーちゃんはビビりまくり、そんなあーちゃんをからかうふみはいつもと立場逆転?(笑。てなところで最終回のクライマックスです。

渡り廊下を挟んでフラッシュバックした花壇。その映像はスケッチブックの押し花からあーちゃんと一緒に植えた青い花の記憶へ繋がり「初恋」を思い出すトリガーに。初恋を思い出したふみは思わず落涙、異変に気付いたあーちゃんがそっと寄り添って抱きしめるシーンはさぶいぼ全開の優しい映像です。二人が手を繋ぐカットの繊細さも素晴らしい。子供の姿に戻った二人が仲良く手を繋いで歩くラストショットも綺麗な締めでした。

中盤のドロドロ具合から前回の決別を経過してどんな最終回を迎えるやら?と期待半分不安半分の今回、しかしそんな邪な思いを嘲笑うように修羅場展開など微塵も無い、見事に綺麗な幕引きでしたね。始終一貫して作画の乱れも無く、繊細な心の動きは絶妙な演出で表現され、呆れるほど丁寧に作り込まれた映像は制作の意気込みが伝わってきました。全11話、抜かりなく面白かったです。

というわけで「青い花」はこれにておしまい。おつかれさまでした。

  
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