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2013年1月26日 (土)

あの番組のカメラが偶然捉えた、とても危険なシーン。

どうも、タニグーです。

今日は非常に危ないものを見てしまいました。

まずはこの写真をご覧ください。(画像クリックで拡大できます)

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海沿いの国道。

さほど広くない歩道をゆくロードバイク。

画面の左側が海です。

よく見ると正面から、同じ歩道を自転車が一台、こちらに向かってきます。

そのすぐ背後には水色の車。これはコンクリートミキサー車です。

片側一車線の、カーブの出口あたり。

ここは自歩道でしょうか。写真だけではよくわかりません。

それは置いといて。

問題はこのあとです。

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おわかりになりましたでしょうか。

向こうからやってきた自転車が、こちらのロードバイクを避けるために、突如車道に出ました。

スピードも緩めず。何の合図もなく。

そしてその動きを察知したミキサー車が、ウィンカーも出さずに右にハンドルを切り、センターラインを超えて大きく反対車線にはみ出します。

ミキサー車はそのまま完全に対向車線に入り、車道に降りた自転車をかわして抜き去りました。

抜かれた自転車はクロスバイクのようです。

ヘルメットはかぶっていません。

この間、歩道のロードバイクは少し右に寄りますが、向こうから来た自転車が車道に降りたので、そのまま進行します。

何も起こらなくて良かった。

ほんとうに良かった。

---

もう言うまでもありませんが、とんでもなく危ない場面です。

最も危険だと言われている「歩道から突然車道に飛び出す自転車」そのものです。

自転車がこんな走り方をしていたのではドライバーもたまりません。

実はこれ、NHK BSプレミアムで放送している「にっぽん縦断 こころ旅」のワンシーンです。

「185日目 沖縄県大宜味村」の回。

録画したテレビの画面をiPhoneで撮り、一部を拡大しました。

つまり手前のロードバイクは火野正平さんです。

ぼくはこの番組を日頃から楽しみにしているので、今日も週末版を録画して見ていました。

だけどこの場面を目にしてからは気分が憂鬱になり、続きを見るのをやめてしまいました。

いい話だったのに残念です。

---

この日、沖縄の海沿いを走る国道58号線はたいへんな強風に襲われていました。

一行は最初、海側の車道を走っていたのですが、風に煽られて前に進むこともままならず、追走するカメラマンの自転車もハンドルを取られて画面はブレブレです。

ついに危険を感じた火野正平さんはスタッフに「歩道を走ろう」と提案し、横断歩道を陸側に渡りました。

海側にはどこにも逃げ場がないからです。

ぼくは歩道を走るのを見るのは好きではありませんが、これは仕方ないと思って見ていました。

あのまま車道を走るのはどう見てもほんとうに危険だったから。

(というか、ぼくがディレクターなら撮影を中止していたと思います。)

そして大宜味村に入ってまもなく、このシーンがありました。

もしもこちらが火野さんひとりだったら、向こうからきた自転車も突然車道に出ることはなかったかもしれませんが、番組をご覧の方はご存知のとおり、このクルーは常に5〜6台がトレイン状態で走行していますから、それと狭い歩道上ですれ違うぐらいなら車道に降りようと考えたのではないかと想像しています。

番組のなかでは、ほんの数秒で流れていってしまったワンシーンにすぎないけれど、ぼくは見過ごすことができなかった。

ひとつ間違えば大事故が起こり、人が死んでいました。

 車道に飛び出た自転車が段差や強風で転倒する…

 ミキサー車がハンドル操作を誤る…

 反対車線を対向車が来る…

 ミキサー車を追い越そうとしたバイクが…

これらはどれも「偶然に」起こらなかっただけのことで、それ以外の何ものでもありません。

こんな偶然のうえに成り立っている「無事故」など「無意味」だとすら思います。

もちろん自転車にもミキサー車にも、車道に対向車がいないことだけは見えていたでしょう。でもだからといって、これが良い振る舞いであるわけがありません。

ただ残念なことに、日頃これと同じ場面をよく目にするのも事実です。

だからここでも、何もなかったように、ごく当たり前のように流れていってしまう。

交通事故は起きてからでは手遅れで、ここでは何も起こらなかったけれども実は重大な危険が顕在化していることを誰もが理解しなければならないし、こういう時にはどう対処すべきかを誰もがわかっていなければならないし、そもそもこういう事態に陥らないように行動することが最も大切なのだと思います。

このブログを読んでいただいている方ならば、このようなことは絶対になさらないはずですが、どうか今一度ご家族やご友人、とくにお子さんと高齢者に、自転車で歩道から車道に出るときは、必ずいったん完全に停止して、後方の安全を確認するようお話しください。

では。

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コメント

非常に説得力のあるブログですね。感銘しました。
これ、ほんとに危ないシーンですね。歩道でも良い、という法律があるかぎり、歩道から車道、車道から歩道、ということが頻繁に起こります。これが事故を誘発する要因の一つであることは間違いがありません。曖昧さ、融通無碍が危険を招く典型例です。もう、見直しを始める時期ではないでしょうか。始めなければいつまで経っても改善はあり得ません。
NHKのあの番組、こういうところがけっこうありますね。日野さんのケンケン乗り、カスクの前後逆かぶり、とても良いんだけど、自転車名人にノミネートしようという声が起きないのは理由があるんですね。
ありがとうございました。

投稿: 小林成基 | 2013年1月29日 (火) 15時36分

小林成基様

コメントありがとうございました。

自分でも好きな番組だけに、こういう取り上げ方をして良いものか少々悩んだのですが、これが多少なりとも状況改善のきっかけになればと思い投稿しました。

書いて良かったです。

投稿: タニグー | 2013年1月29日 (火) 19時05分

 以前、本番組での歩道走行が気になったので、NHKに投稿しましたが、残念なことに、おざなりになっていたようです。いつか日野さんのように日本を縦断したいな~と思ったほど、好番組なのに本当に残念ですね。

 カメラ目線が歩道走行となっているため、歩道走行を是認しているように視聴者に誤解を与えています。NHKに再考を望みたいです。

投稿: toha_2 | 2013年2月 4日 (月) 22時15分

toha_2様

コメントありがとうございます。

他所でも同様のご意見拝読しましたが、NHKはあくまでも「法律に違反していない」という意味で「セーフ」と考えているようですね。

でもそれは違うなあと、ぼくもよく思います。

安全という「セーフ」が軽視されている時点で意識の低さがバレてしまいます。

まだまだ続きそうな人気番組だけに、これからでも改善されることを望んでいます。

投稿: タニグー | 2013年2月 4日 (月) 22時47分

法律とマナーモラル、私は全く分けて生きてます。
このシーンは強風のシチュエーションという状況で、判断は微妙なところですが、同じ自転車乗りとしては全員が停止して対向のサイクラーをやり過ごすのが最善の策だったと思います。
この例に拘わらず法律もマナーもモラルも吹き飛ばして疾走するローディが激しく急増する我が地域(千葉県)は厳しい取り締まりすら望むほどです。
興味深い記事をありがとございました。

投稿: gura55 | 2014年2月16日 (日) 15時07分

自分は徒歩、自転車、車という交通手段を日常的に使いますが、中でも自転車乗り(本格的な自転車)対するイメージが悪いです(地域柄にもよるでしょうが)
しかし、あなた様のように真剣に安全について考えている自転車乗りがいるということを知って嬉しく思います
あなた様のような良識的な方が増えることを願います

投稿: 通りすがり | 2015年7月 4日 (土) 11時34分

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