クロスバイクのハンドル、私の場合。
じつのところ、ハンドルまわりにはいろいろと思うところもあって、これまでに地味な紆余曲折を重ねてきました。乗り手が自転車と接触する場所は、ハンドルとサドルとペダルの三カ所しかないですからね。
この三点はポジションやフィーリングに直接作用するし、とくにグリップやハンドルは、クロスバイクの中でもカスタマイズが容易で、見た目だけじゃなくて実際の効果がわかりやすいところなので、ちょっとでもこうしたいな、というのがあれば、どんどん試した方が良いと思うのです。
そして今落ち着いているのがこのハンドルまわりです。
2010年モデルまでのTREK 7.3FX*は、元からついているハンドルバーがやたらと重いのと、グリップが「にゅるり」と回ってしまうという欠点があるので、そこを全取り替えして、私には長過ぎるハンドルステムを8cmに変更してます。
(*2011年モデルからのTREK FXシリーズには「inFormサテライトプラスIsoZoneハンルバーシステム」という斬新なハンドル+グリップの機構が採用されてます。これどうなんだろう。)
ハンドルバーは安くて軽いグランジのストレートハンドルバー。それを50cmにカットしてあります。グリップはシマノPROのエルゴノミック。バーエンドバーはSMICA BARです。
クロスバイクのハンドル幅は、どのメーカーでも60cmか58cmぐらいが標準ですが、都市部の舗装路では山道を走るMTBほどハンドルをしっかりと押さえ込んで走るような必要はないし、クルマとギリギリになりがちな状況だと、できるだけスリムな方が当てたり引っ掛けられたりする危険も少ないし、何より体感的に60cmでは長過ぎると感じたので、左右1cmずつ詰めて行きました。左右幅を小さくすることで、向かい風に対しても非常に楽になります。
とはいえ、よくあるシングル固定(あえてピストとは呼びません)のように40cmあるかないかのような短いハンドルでは危険だし、シフト/ブレーキレバーやライトも付けられません。
そういう様々な条件を勘案した結果の、私のベストな幅がこれなんです。自分の肩幅とほぼ同じです。
(*ちなみに、幅60cmというのは法律で定める「普通自転車」(wikipedia)の上限ですね。普通自転車とは、平たく言えば「自転車通行可の歩道を走って良い自転車」のことです。だからほんとうは幅60cmを超える自転車は、自転車通行可であっても、歩道を走ってはいけないのです。ビーチクルーザーなんかはもうほとんどアウトですね。)
ハンドル幅を詰めた分、レバー類が内側にきて、ケーブルの取り回しがきつくなりますが、そこはヒラメのVブレーキバナナを駆使して、かなり追い込んだワイヤリングをしてます。
無茶をするとハンドルを切ったときにブレーキが効かなくなるので、かなり慎重に数mmずつアウターワイヤーを切っていって、左右一杯にハンドルを切っても問題なく動作するように調整しました。こういうのもなかなかお店に頼めない作業ですね。
じつはハンドルまわりのカスタマイズでいちばん手間と時間がかかったのが、この作業です。だけど自分の命がかかってますからね、真剣です。
ハンドルのカットにはパイプカッターを使ってます。どこのホームセンターにも売ってるようなやつです。
私、一時期アクアリウム(魚を飼う水槽)の鬼になっていたので、水道配管用の道具が工具箱にゴロゴロしてます。だから買わずに済みました。
カーボンハンドルは切れませんが、まあ一生使うことはないでしょうから、これでいいです。
こういう具合にパイプをくわえて、徐々に締め込みながらぐるりとぐるりと何度か回すだけで、きれいにカットできるので、切り口をヤスリで整えます。一度に締め込んじゃうと刃がダメになりますから注意しましょうね。回すのはパイプじゃなくてカッターの方です。
パイプカッターは切り口が丸まって正確じゃないから金ノコで切らなきゃ、って人もいますが、アルミのハンドルバーごときはパイプカッターでまったく問題ありません。1mm以上狂うことなどないし、ほんとに厳密に切りたければ長めに切って金工ヤスリで削ればいいだけですからね。
これをひとつ持っていると、やや長めから自分のほんとうの好みの長さまで、何度も切りながら追い込んでいけます。お店に頼むと1カット何百円とかするんですよ。それじゃ何度も細かいところまで詰められません。口の形状にもよりますが、私のは6mm単位ぐらいで切れます。
あ、グリップエンドが抜けているグリップを使う人は、カットする前にグリップを内側にずらして付けてみて、どのへんが丁度良いか試しましょうね。そうすれば切りすぎて泣くことがありません。
バーエンドバーは、登りのときに圧倒的に楽なので私には欠かせません。これも今までに何個も試しました。
ほんとうはこの前につけていたシマノPROのアロイアナトミックが太さも長さも最高に良かったのですが、自転車を盗まれた際に外されており、その後長期欠品で入手できなかったため、これにしました。
あえてこれを選んだのは、取り付け部分から若干外側にオフセットする形でバーが出ているからです。アロイアナトミックもそうなんですが、こうなっているとグリップの末端までしっかりつかえるんです。そうでないバーと比べてもほんの1cm程しか違いませんが、グリップで1cmの違いって、結構大きいです。
ちょっと工夫をしているのは、細いバーなので、スポンジグリップをかぶせて握りやすくしているところです。こうしておくと何かに当てても相手を傷つけずに済みます。クルマとか壁とかね。寒い季節に素手で乗っても冷たくないのもうれしいです。ちょうどBBBのマルチフォームの切れっ端が余っていたのでかぶせてみたらぴったりでした。ホームセンターで売ってる通称ホムセングリップでも行けると思います。
それにしても、なんであんなに細いバーエンドバーが多いんですかね。理由を知っている方がいらしたらぜひ教えてください。
左はGiantのEscapeシリーズについているのと同じグリップ。右側はエルゴン(ERGON)のGR2(旧型)です。エルゴンは気に入っているので今でも使ってます。ただバーエンドが短いうえにストレートじゃないので、グーの形で握れないんですよね。掌で包む感じに近いです。手を乗っけるのはすごく楽なんですが。
クロスバイクやMTBを手軽にブル化できることで有名なAoi IndustriesのRAPID HORN2です。
これがまた製造終了から非常に長い間品切れのままだったのですが、ようやく後継品のRAPID HORN2010が発売されました。ただし先端のカチアゲ部分がなくなってストレートになっちゃいましたね。この微妙なカーブが良かったんだけどなあ。
MTB用のレバーをそのまま取り付けられる22.2mm径のブルホーンバーは、実質これと日東のB263AAしかないので、がんばってもらいたいですね。
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クロスバイクに限らず、自転車は「サイズも好みも自分に合わせて乗るもの」です。
ロードバイクでは「フィッティングマシーン」まで使って非常に厳密にその人に合わせた自転車を組みますが、クロスバイクに乗り始めたばかりの人はサドルの高さぐらいしかいじらない人も多いのではないでしょうか。
だけどハンドルまわりも重要なんです。見た目の好みもそうですが、ハンドルの高さや幅、ステムの長さと角度、グリップ取り付け角や材質、ちょっと変えるだけでがらっと乗りやすく、安全で、楽になったりします。もちろんその逆もあるので、注意しなければいけないけれども、買ったままで乗ってる人は、ちょっと見直してみるのも良いと思います。ある自転車に惚れ込んで、どうしてもそれに自分を合わせて生きて行きたいという方は別にして。
ちなみに今私が最も関心をもっているのは、通称「バーセンターバー」と呼ばれるアレです。
では。
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コメント
はじめまして!
クロスバイクのハンドルをブルホーンバーに替えたくて仕方のない者です。
今使ってるブレーキとシフトレバーをブルに使いたいと思っているのですが、可能でしょうか?
こちらの記事にはクロスのブレーキが使われてるようですが、ブルのハンドルに通るのでしょうか?
よろしくお願いしますm(__)m
投稿: tomo | 2013年8月25日 (日) 01時44分
tomo様
こんにちは。
コメントありがとうございます。
一般に売られているブルホーンバーはロードバイク用の規格がほとんどなので、クロスやMTBのレバーを通すことができません。
なので、数少ない22.2mm径のブルホーンバーを使いました。
現在は、この記事を書いた頃とは状況が変わっているかもしれませんが。
ちなみにぼくが使っているAOIのRapid Hornは、その後第3世代のRapid Horn 2010になってます。ご参考まで。
Rapid Horn 2010
http://www.sklld.com/dir_pc/index_product_AIP020.html
投稿: タニグー | 2013年8月25日 (日) 12時06分
ありがとうございます。
ちなみに、このブレーキとシフトレバーは、通し口が開閉するタイプですか?それとも、穴を通すタイプでしょうか?
よろしくお願いします。
投稿: | 2013年9月25日 (水) 21時50分
tomo様
こんにちは。
このレバーは口がいわばCの型のものです。
ハンドルの曲がり角は若干通りにくいので、あらかじめネジを緩め、口を少々広げておいて通します。
とくに無理はありません。
よろしくお願いします。
投稿: タニグー | 2013年9月26日 (木) 10時15分