« 『唯一郎句集』 レビュー #26 | トップページ | 「モスキート音」 を巡る冒険 その2 »

2009年5月11日

「モスキート音」を巡る冒険

TBS ラジオで夜にやっている「アクセス」の「バトルトーク」という聴取者参加型の討論番組で、「モスキートーン」というものについて議論したらしい。私は聞き漏らしたのだが。

「モスキートーン」 とは初耳だったので、さっそくググってみると、どうやら正しくは「モスキート音」というようだ。なんだ、「蚊の音」か。

ラジオから得た情報というのは、文字情報と切り離されているので、ちょっとした勘違いをすることがある。私が最初に 「鳥インフルエンザ」 という言葉を知ったのがラジオを通じてのことで、その時は "tri-influenza" だと勘違いして、「三倍怖いインフルエンザ」 なんて印象をもってしまったことは、ちょっと前に触れた(参照)。

ところが今回は、なんだか様子がおかしい。念のためよく調べてみると、「モスキートーン」の方も、それはそれで市民権を得かかっているみたいなのだ。欧米では "Mosquitone" というケータイ着信音が流行っているらしい。英語と日本語がはからずも重なっちゃった例になっている。

改めて「モスキート音」とは何かというと、高周波数の警告音のようなものなのだそうだ。人間の耳は年齢とともに高周波数の音は聞こえなくなる。10代の若者だけに耳障りに聞こえて、大人にはほとんど聞こえないか、気にならない音を「モスキート音」というようだ。

深夜などに悪ガキどもがたむろするのを防ぐため、このモスキート音をスピーカーで流すと、ちょっとした効果があるのだそうだ。ところが逆に、ケータイの着信音は多少耳障りな方が気づきやすいので、若者の間でこれを使うのが流行っているらしい。着信音が大人には聞こえないので、授業中でも先生にばれないのだそうだ。

今回の TBS ラジオのバトルトークは、深夜に公園を荒らす若者対策として、足立区がモスキート音を導入することになったというニュース(参照)を受けてのものだが、これに対する聴取者の反応は、「いい方法だと思う」が 73名、「そうは思わない」が 138名、 「その他」が 42名となった。

この件、いろいろなコメントの書き込まれた参照先は こちら だが、週が変わると更新されると思うので、その際はバックナンバーから辿っていただきたい。

私としては、参照先のコメントにもあるが、そこにたむろする悪ガキどもとしては、モスキート音を流すスピーカーの破壊という行為に出ると思うので、この対策は「いかがなものか」と思う。スピーカーをわかりにくいところに設置しても、もし私が悪ガキだったら、憎っくき音源をつきとめるゲームに勝利するまでは公園から去らない。

ところで、モスキート音を実際に PC のスピーカーで鳴らしてみて、自分の耳で聞こえるかどうかを試すことのできるサイトがある。私は こちら でやってみたのだが、8,000Hz と 9,000Hz の音は聞こえても、10,000Hz 以上の高周波になると、まったく聞こえなかった。ショックだなあ。まだまだ若いつもりだったのに。

これはきっと、私のノート PC のスピーカーがちゃちだからと思う。きっとそうだ。誰が何と言っても、そうに違いない。家に帰ったらデスクトップで試してみようと思うが、それでも聞こえなかったら、スピーカーが左右一組でたったの 2,800円という安物だからいけないのだと思うことにしよう。

【同日 追記】

周囲が静かな環境で再トライしたところ、同じ PC でも 13,000Hz まで聞こえた。テスト・ページには 「個人差はあるようですが、20代・30代になってくると14,000Hzあたりの高音が聴こえなくなるようです」 とある。私は基本的に、物事は自分に都合よく受け取る方だから、自分の耳は 20代か 30代の若さと思ってしまうぞ。

毒を食らわば皿まで・・・本宅サイト 「知のヴァーリトゥード」へもどうぞ

|

« 『唯一郎句集』 レビュー #26 | トップページ | 「モスキート音」 を巡る冒険 その2 »

世間話」カテゴリの記事

コメント

最新の技術でも、そういうことはありますね。私が使っているボイスレコーダーも、師匠の唄はきれいに録音できるのに、私の唄はあまりきれいに録れません。ファームウェアのアップデートを待っているところなのですが……。

投稿: 山辺響 | 2009年5月11日 11:35

モスキート音 挑戦してみました。
なんと、左耳は14000まで、右耳は16000まで。
はっきり聞こえました。18000は、音と言うより、
なんとなく振動として、聞こえた気がしました。
TAkさんより、ちょっとだけ若いのですが、
この歳で大人になってないのか?と、嬉しさと、ショックと
両方です。

あ、数日前のMASKですが、SAFE MASKと言う
表示も、ありました。

投稿: ヒロ | 2009年5月11日 11:55

ヒロ さん:

>なんと、左耳は14000まで、右耳は16000まで。
>はっきり聞こえました。18000は、音と言うより、なんとなく振動として、聞こえた気がしました。

すごいなあ。うらやましい。
いや、うらやましいのは、PC のスピーカーの性能です。
(と、まだ負け惜しみを言う ^^;)

>あ、数日前のMASKですが、SAFE MASKと言う表示も、ありました。

本当だ。Medicom というところと、ほか数社が、この名称で展開しているようですね。

Medicom の safe mask の販売サイトは、"Sold Out" が多いようですね。時節柄ですね。

他には "Earloop Mask" という言い方もありますね。「耳にひっかけるマスク」 ってことでしょうね。
英語ではそんな風に言わないと、仮面一般と区別がつかないからでしょうね。

投稿: tak | 2009年5月11日 12:50

山辺響 さん:

レスが前後しちゃいました。すみません。

>最新の技術でも、そういうことはありますね。私が使っているボイスレコーダーも、師匠の唄はきれいに録音できるのに、私の唄はあまりきれいに録れません。ファームウェアのアップデートを待っているところなのですが……。

こ、これって、ボケかましてくれてるんですよね ^^;)

投稿: tak | 2009年5月11日 13:27

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「モスキート音」を巡る冒険:

« 『唯一郎句集』 レビュー #26 | トップページ | 「モスキート音」 を巡る冒険 その2 »