今どきの定期券事情を巡る冒険
私はかなり前から いしかわ じゅん マンガのファンで、”毎日新聞朝刊の 「サクラダ・ファミリア」(聖なる桜田家)” (2015年 2月 5日付)を書いた当時は紙の新聞で読んでいたが、今は新聞購読を止めてしまったので、恐縮ながら金を払わずネット(参照)で読んでいる。
というわけで、『桜田です!』も連載開始から既に 7年が経ったのだね。上は今月 12日付のもので、桜田家のお母さんの「寝ぼけネタ」は定番だが、この日はお父さんまで春の陽気のせいで寝ぼけてしまっている。
お父さんが定期券を持たずに会社に行こうとしたので、お母さんが寝ぼけまなこで探し当て、それをもって自分が「じゃあ、いってきまーす」なんて出かけようとしてしまうというオチだ。後ろでお父さんが半分寝ながら「いってらっしゃ〜い」なんて言ってるのも、なかなかの風情である。
我が家ではこのマンガに夫婦で笑った後で、「ところで今の定期券って、一体どんなの?」という話になった。私は 2011年(あの東日本大震災の年だ)に勤めを辞めてフリーランスになって以来、12年以上にわたって定期券なんて持ったことがないから、今どうなってるのか全然知らないのだよ。
ちなみに昔の紙の定期券って、こんな感じだった(参照)。何と今の世の中では、こんなものが売り物になってしまうのだね。
素材は単なる紙だった定期券が、いつの頃からか改札口の無人化に伴い磁気カードに変わったのを今でも覚えている。入場する度にいちいち定期入れから取り出して、改札口のスリットに通してやらなければならないのが面倒だったなあ。そして何と、この磁気カード式の定期券は今でも現役のようなのだ(参照)。
もっとも今は IC カード(JR 東日本で言えば ”Suica”) が当たり前になってるから、定期券も「Suica 定期」が定番になってるんだろうと検索してみたら、やはりそうだった。今は多くの人がフツーに自動販売機で Suica 定期券を購入して(参照)、フツーに「ピッ」とタッチして改札を通っているのだね。
ただ、私は最近では Suica アプリを iPhone に入れて「モバイル Suica」として使っているのだから、「モバイル Suica 定期」ってものもなければ困る人が多いだろう。そう思って調べてみたら、これもやっぱりあった(参照)。
Suica アプリを自分で操作し、クレジットや Apple Pay で定期を購入できるというのだから、自動販売機に並ばなくてもいいというメリットが大きそうだ。しかし桜田家のお父さんは、スマホは持ったのに定期券は忘れてるというのだから、Suica アプリなんて使っていないんだろう。
ちょっと調べたところ、「鉄道会社のアプリ利用率は 1割、ICカード利用は約 8割――スパコロの調査から(首都圏 1都 3県対象)」という記事が見つかった。2021年 6月の記事だからちょっと古いが、やっぱり Suica などの IC カードって、明確な「カタチ」があるだけにアプリなんかより強いようなのだ。
モバイル IC カード(いわゆる「Suica アプリ」みたいなもの)の比率は 20代でも 22.6% だったのだから、全体的な比率は今でもそれほど大きくは変わっていないのではなかろうか。もしかしたら、いしかわ じゅん先生の脳内の定期券は Suica ですらなくて磁気カード止まりだったりして。
もっともかく言う私だってこんなようなことは今回調べてみて初めて知ったのだから、必要のないことなんて全然知らなくてもそれほどの不都合はないようなのだね。
とはいえ、直接必要のないことでもいろいろなことに興味を持って調べてみるというのは脳の活性化にいいという話もあるから、たまにはこんなような酔狂をしてみる意味はあるのだろう。
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