カテゴリー「旅行・地域」の355件の記事

2025年4月 9日

江戸時代の日本の地理がわかる「れきちず」

嬉しいニュースである。江戸時代(1800〜1840年頃が想定されている)の日本を現代の様式の地図(いわゆる「古地図」ではない)で見ることのできる「れきちず全国版」というのが公開された。暫定版なので情報量はまだ少なく、北海道と沖縄は今後カバーされるようだが、それでもかなり見応えがある。

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この「れきちず」は右下のボタンで一瞬にして現代の地図に切り替えられるので比べてみると、海岸線が昔と今ではかなり違っているのがわかる。ずいぶん埋め立てや干拓などが進められてきたということだ。上の江戸付近の地図を見ても、今の有明や新木場などは影も形もない。

さらに「隅田川」の名称が「大川」になっているのも嬉しい。この辺りの名称変化に伴う話は、Wikipedia の「隅田川」の項に詳しい。歌舞伎の『三人吉三郭巴白浪』の「大川端庚申塚の場」というのも有名だ。

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江戸周辺の地図で面白いのは、江戸時代の遊郭である「吉原」である。吉原は初めは今の人形町の辺りにあったのだが、明暦の大火で焼失してしまったために、現在の地(浅草の北)に移されたと記録されている。

そしてこの「れきちず」をみるとその位置関係が手に取るようにわかる。下の 2枚の地図をクリックすると、それぞれ別画面で拡大表示される。

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「明暦の大火」以前の吉原

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大火以後に移転した「新吉原」

私の大学時代の研究テーマは「歌舞伎」であり、とくに吉原が舞台の『助六』が大好きということもあって、この辺りの話は非常に興味深い。(ただ、現代の「吉原」についてはとんと疎いので、その辺りはよろしく)

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真ん中が助六。演ずるのは八代目団十郎かなあ。

浅草寺の東側を見ると、当時の歌舞伎「江戸三座」の、中村座、市村座、森田座(後の守田座)のうち森田座は資金難で休業中のようで、その控櫓の河原崎座(「川原崎座」と表示されているが、この表記もありだったようだ:参照)が営業している(参照)。ほとんど隣同士でやっていたのがよくわかる。

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ただ、この「れきちず」、かなりよくできていて面白いのだが、江戸や上方から離れた周辺の地図を見ると、まだまだ未完成の部分が多いようだ。例えば私の故郷である山形県酒田市付近の地図を見ると、「北国街道」の一部が日本海上にはみ出ちゃってるし、日本三急流の一つとして名高い最上川が見当たらない。

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江戸期の地図(左)と現代の地図(右)を見比べると、埋め立てが進んでから確定した現在の「国道 7号線」の上に「北国街道」をなぞってしまったんじゃなかろうかと想像される。できるだけ早期の修正が望まれる。

まあ、最上川は芭蕉の「五月雨を集めて早し最上川」という俳句でも知られ、明治以後に急に出現した川というわけじゃないのだから、黙っていてもそのうち加えられるだろうが。

この辺りのリバイズが進めば、さらにいくら眺めていても飽きない地図になってくれるだろう。期待はどんどん膨らむ。

【4月 10日 追記】

この「れきちず」、よく見るとあちこちに「ありゃ?、これヤバいじゃん!」みたいなバグが結構見つかる。もしかすると当分は「れきちず、バグ探し」がトレンドになるかもしれない。

 

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2025年4月 4日

福島と郡山って、関西方面にもあるのでややこしい

X(旧 Twitter)に株式会社ゼンリンさんが「さきほど過去のネタ作成フォルダを見てたらこんなのが出てきました🤔 なぜこれを作ったのか...わたしも全く覚えていないのですが、よかったら福島駅から郡山駅までの行き方の参考にしてください」という tweet をしておられる。わけのわからない図だ。

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ただ眺めているうちに、「そういえば大阪の方にも福島と郡山ってあったかも・・・」と思い出した。日本全国全都道府県に複数回赴いて、一泊以上している私でも「そういえば・・・」程度の記憶で覚束ない。

ゼンリンさん自身も「勘違いをさせてしまってはいけませんので...こういうことです」と改めて tweet しておいでだ(参照)。これを見て、ああ、郡山の方は大阪じゃなくて奈良市の隣だったな」と、頭の中の整理ができた。

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それにしても、上の方の四角の図は本当にわかりづらい。それにわかったところであまり意味をなさない。その点、下の方の図なら何かの話のタネにはなりそうだ。

大阪には「福島区」という区があり、JR 大阪環状線で大阪駅の隣の隣が「福島駅」だ。近くに阪神電鉄の「福島駅」というのがあるのでさらにややこしい。その上 JR 東西線に「新福島駅」というのもある。

昔はこの辺りは摂津国といって「福島城」というのがあったというのだから、昨日や今日の地名ではない。さらに奈良県の郡山駅の方は、地名としては「大和郡山市」で、この市の中心となる駅が「郡山駅」である。

フツーに「福島駅」「郡山駅」と言えば、福島県の方ががずっと知られていて、私も度々仕事で訪れている。関西の方の駅は「摂津福島」とか「大和郡山」とかいう駅名にすれば混乱が防げるのだろうが、何しろ上方のこととて「この地名はウチらの方が本家」みたいに思って譲らないのだろう。

この他にも日本全国に同名の駅はいくらでもある(参照)が、面白いのは「大和駅(やまとえき)」というのが、神奈川県(参照)と茨城県(参照)にあって奈良県にはないことだ。

 

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2025年2月23日

ホテルのソープ、シャンプー、コンディショナーのボトル

昨日の記事からもおわかりの通り、このほど一泊で甲州方面に出張した。私はこの方面への出張では昭和町(甲府の隣町)の「ホテル昭和」が定宿なのだが、今回は残念ながら満室だったので、甲州街道を挟んで真向かいにある「スーパーホテル甲府昭和インター」に泊まった。

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リンク先の記事にも書いたように、私は大手ホテルチェーンの中では「スーパーホテル」を支持しているので文句ないといえばないものの、やっぱり「ホテル昭和」の温泉の素晴らしさは捨てがたい。次に行くときは泊まれるといいなあ。

上の写真はスーパーホテルから見るホテル昭和である。まさに昭和っぽいが、ホテル名の由来は「昭和町」という地名だと思うのでよろしく。

で、今回のテーマはそれとは別で、「ホテルのソープ、シャンプー、コンディショナーのボトルは、一見するだけじゃわかりにくい」というものである。下の写真は、今回スーパーホテルで撮ったものだ。

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ホテルに到着し、最初にバスルームでうがいや手洗いをする際に「さて、石けんはどれだ?」と思うのだが、たいてい区別が付きにくいのである。ボトルの小さく目立ちにくい字を見て、ようやく判別するのが思いのほか面倒だ。

スーパーホテルの場合は、左側の "B" の表示があるボトルに「フェイス&ボディソープ」とあり、右側の "C" の表示のボトルに「コンディショナー」とあるのだが、いずれにしても字が小さすぎて一見しただけではわからない。さらに "B"、"C" という表示の意味も謎だ。真ん中が "A" ってわけでもないし。

深読みすると "B" は "Body Soap"、 "C" は "Conditioiner" の略なのかなと思われないでもないが、だったら、どうして "Shampoo" の "S" は無視されてるんだ? いずれにしてもこんなに大きく表示するほど意味のあることとは思われない。

これって、何とかならんもんかなあ。

【2月 24日 追記】

よくよく調べてみると、シャンプーのボトルはちょっと回転させると、"S" の字があるにはあるようなのだ(下は「天然温泉 讃岐の湯 スーパーホテル高松・田町」のページより)。ただ、字の色が不鮮明でよほど注意してみないとわからないよね。私が気付かなかったのは無理もない。

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それにたとえ "S" の文字が見えやすかったとしても "Soap" と区別しにくいし、"B" が "Body Soap" の頭文字というのも苦しいから、いずれにしてもわかりにくい。

 

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2025年1月30日

茨城県の道路がガタガタで「穴ぼこ」だらけなのは

埼玉県八潮市で道路に開いた大穴にトラックが転落する事故(参照)が起きたばかりだが、一方で私の住む茨城県の県庁所在地、水戸市のホームページには「道路の穴ぼこなどの通報にご協力下さい」というページがある(参照)。

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実は水戸市ばかりではない。茨城県庁のサイトにも「穴ぼこを見つけたら・・・」というページがあり(参照)、さらに茨城県内の他の市町村サイトにも、「穴ぼこ」関連のページが散見する。

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もしかしたら「穴ぼこ」って行政用語として定着してるんだろうか? そう呼ぶことで、陥没による「大穴」と区別してるんだろうか? 県議会では県庁土木課のエラい人が神妙な顔して「昨今の穴ぼこ状況に関しましては・・・」なんて答弁しているんだろうか?

実際に茨城県の道路をクルマで走ると、道のデコボコを拾ってガタガタ揺れっぱなしということが多い。よく見れば「穴ぼこだらけ」と言っていいぐらいで、改めて通報なんてしきれないほどだ。これは茨城県在住の私が言うのだから、信用してもらっていい。

ちなみについ最近知ったのだが、茨城県の道路整備が遅れているのは、実は道路の長さと関係しているらしい。日本の都道府県で道路の延長距離が最も長いのは、もちろん面積が圧倒的に広い北海道だが、2番目は茨城県なんだそうだ。茨城県は平地が多いので、道路も縦横に走っているというのである。

10年以上前の 2014年に出されたものだが、茨城県土木課の「茨城県における道路維持管理の取り組み」という文書にはこのように書かれている。

茨城県は可住地面積が広く、また中小の都市や集落が点在しているため、道路網が県内に隈無く行き渡っており、国県道・市町村道を合計した道路延長は北海道に次ぐ全国第 2位となっている一方、改良率は約 40%と全国最下位の状況であります。

なるほど、茨城県は道路が長すぎて整備が追いつかないというわけだ。そのくせクルマの数がメチャクチャ多くて道路の痛みもどんどん進むから、改良率を上げるのがなかなか難しい。昨年度(令和 6年度)の資料を見ても、10年間で僅か 4%アップの 44%で、全国最下位のままだ(参照)。

こりゃもう構造的な問題のようだから、「道路をしっかり整備してよ〜」といくら要望しても一朝一夕には叶うわけがないのだとわかった。まあ、埼玉県みたいな「大穴」が開かないだけマシかと思ったのだが、実はこれもそうとは言えないようで、下の動画は茨城県水戸市の昨年のニュースである。

こりゃ本当に油断がならない。

 

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2024年12月22日

ホテル代が本当に高くなってしまった

出張族が悲鳴! 都内ホテル「1万円の壁」どころか2万円台へ なぜこんなことになるのか」という記事がある。本当に最近はホテル代が高くなってしまい、コロナ警戒の時期が終わってまた出張が増えてきた私としてもかなり困っている。

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都内のビジネスホテルの平均的な宿泊代は、2022年末に 1万円を突破し、今年 11月には 1万8000円ほどになっているという。コロナ以前のほぼ倍だ。関東住まいの私は都内のホテルに泊まる機会も必要性もほとんどないが、京都あたりも東京とほぼ同じぐらいの水準になっている。

以前は関西方面に出張する時は京都のホテルに泊まり、1泊 2日の 2日目の空いた時間に古都のあちこちを歩いてから帰路につくのが楽しみだった。しかし最近は京都で 1万円以下のホテルなんて嵯峨野のはずれあたりまで行かないと見つからないから、交通手段的にちょっとね。

大阪府の南部、堺市近辺が目的の場合でも、大阪市内の中心部のホテルはやたら高いのでちまちま乗り換えをして新大阪まで戻り、安めのホテルに泊まることになる。そこからさらに西に足を伸ばして 2泊 3日になるような場合は、帰りは姫路あたりで降りないと 1泊 1万円以下のホテルが見つからない。

こうしたホテル代急騰の原因は、やはり「インバウンド客の増加」ということらしい。私は外国人観光客の多いホテルは値段がそれなりに高いので敬遠し、もっと安いホテルしか利用しないが、ある程度のランクのホテルに泊まる知り合いに聞くと、やはり外国人の比率がずいぶん高くなっているらしい。

彼らの多くは「西洋人はたいてい静かだけど、中国人のグループは夜中までうるさいことが多いから要注意だよ」と言う。私は幸いにしてそんなケースに遭遇したことがないが、これはどうやら安ホテルばかり選んでいるからに違いない。

ちなみに、年末は日本人も外国人も観光や出張どころじゃないようで、ホテル需要が下がるようだ。そのため値段も落ちついてるので、東京や京都で観光したかったら 12月の 18〜22日頃が狙い目だ。今となっては遅すぎる情報だが、来年の参考までに。

もっとも、年末はみんな忙しくてなかなかそんなわけに行かないだろうし、クリスマス以後はまた高くなるだろうから、ほんの一瞬みたいなチャンスでしかないのだが。

16日の記事(参照)で書いたように、昔みたいな「ホーボーの旅」をしてしまえばホテルなんかに泊まらずに済むのだが、仕事上の出張ともなるとなかなかそういうわけにもいかないのが鬱陶しいよね。

 

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2024年12月11日

和菓子、薬、滑舌訓練等々 ・・・ 「外郎」を巡る冒険

先日山口県の仕事の関係で山口県の防府市と徳山市に行った時に、長州土産として防府市にある數井製菓という会社の「山口乃外郎(やまぐちのういろう)」(参照)というのをいただいた。第20回全国菓子大博覧会で名誉金賞を受賞したというお菓子のようである。

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この和菓子、賞味期限が今月 15日に迫っているが、明日に予定される集まりに持って行ってみんなで食おうと思い、まだ包みを開けていない。というわけで、上の写真の左側 2枚は、ネットから拝借したものである。

私は今回の旅に出るまで、山口県が外郎の産地として有名とはちっとも知らなかった。外郎と行ったら名古屋が「本家本元」を自称しているほかは、小田原と京都ぐらいだと思っていたのだが、Wikipecia によればこの他にも伊勢、神戸、徳島、宮崎なども外郎を名物としているらしい(参照)。

日本全国 47都道府県に仕事で行き、一泊以上している私だが、外郎の産地という視点から見るとやはり西日本の事情には少々疎い。一昨日の記事でも書いたように、西日本では天ぷらにソースをかけて食うのが当たり前と知った時も驚いてしまったしね。

「薬の外郎」というのもある(参照)。神奈川県小田原市に 650年以上前から続く老舗、株式会社ういろうの「透頂香ういらう」(とうちんこうういろう)という仁丹みたいなものが知られている。ちなみにこの会社は和菓子の外郎も製造・販売していて、二刀流のようなのだ。すごいなあ。

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ただ団十郎論で修士号を取った私にとっての外郎というのは、実際のカタチある和菓子や薬よりもやはり歌舞伎十八番『外郎売』の口上(言葉による言い立て)ということになる。

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実際にどんなものかは、当代の尾上松緑による実演が YouTube にあるので、下に紹介しておこう。ちゃんと聞けば、この外郎売の商うものはお菓子ではなく薬の方なのだとわかる。

この言い立ては歌舞伎のみならず、新劇やアナウンサーの滑舌の訓練にも取り入れられていて、現代風には下の動画のようになる。文字も同調して示されるから、一度トライしてみるといい。

寿限無」はあっさり言える私だし、この「外郎売り」だって決して舌が回らないわけじゃないが、さすがに長すぎて圧倒され「舌を巻く」という心理状態になっているせいか、一度もトチらずに最後まで到達したことがない。死ぬまでに一度は完全なパフォーマンスを遂行してみたいものである。

 

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2024年12月 7日

世界の観光都市ランキング、京都はどうなってるの?

ユーロモニターインターナショナルという英国の市場調査会社が "Top 100 City Destinations Index 2024"(2024年トップ 100都市デスティネーション・インデックス)というのを発表した(参照)。世界の 100都市を観光に関する 55の指標で比較し、総合評価したものだそうだ。

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それによればトップ 20は次の通り。4位と 5位にローマとミラノの 2都市が入っているというのは、さすがにイタリアだ。(括弧内の数字は前年順位)

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このランキングは毎年発表されているものだそうだが、自国のロンドンは昨年の 10位から今年は 13位に下がっている。そして日本からは 3位の東京のほか、16位に大阪が入っている。

ただ私自身が街を歩いた印象としては、東京や大阪より京都の方がずっと観光客が多く、とくに京都駅周辺なんかは、日本人より外国人の方が多いぐらいだ。客観的にみてもかなりビッグネームの京都が、どうしてベスト 20に入っていないのかわからない。

トップ 30 か 40 にならランク入りしているだろうと思い、いろいろググってみたが、30位以下の載っているニュースが見当たらない。日本の代表的観光都市といえば誰が考えても東京や大阪より京都なんだから、「一体、どうなってるの?」という疑問は晴れない。

最後に付け加えるが、最近の京都は外国人観光客が増えすぎて、「日本人離れ」が伝えられるほど鬱陶しいことになっている(参照)。私自身、以前は関西方面への出張だとよく京都市内のビジネスホテルに宿泊し、ついでにちょこちょこっと観光もしていたが、今は泊まる気がしない。

何しろ宿泊料がバカ高くなっていて、コロナ前は一泊 8,000円ぐらいだったフツーのビジネスホテルが、最近は倍以上になってる。

 

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2024年12月 3日

JR の往復割引が終了するのは残念!

再来年から JR の往復割引がなくなるんだそうで、日経は「JR 各社が往復割引を終了 26年 3月、IC カード普及で」と伝えている。なんだかいかにも「IC カードの普及がいけないんだ」と言わんばかりの見出しである。

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記事を読めば JR としても「交通系 IC カードやインターネット予約が普及し、きっぷ購入が減っている」のが往復割引廃止の原因みたいに言っているようだ。しかし私の感覚としては、「それとこれとは話が別でしょ!」と言いたくなるんだがなあ。

昨今は旅の JR 切符を予約するにも、インターネット購入や駅の切符自動販売機などで自前の操作が求められる。駅員が対面で対応してくれる窓口は、極端に減ってしまっている。

それは別にいいのだが、自分で PC や自動販売機を操作して複雑な経路の切符を買おうとすると、やたら難しくなってしまう。例えば往路で 1か所、復路の別の 1か所で途中下車して用を足し、その間を新幹線で乗り継ぐなんてことだと、ユーザーインターフェイスがまともに対応してくれないのだ。

単純に「行って来い」なら、往復割引で購入するのも簡単なのだが、途中下車してちょっとローカル線に足を伸ばすなんてことになると、本当に戸惑ってしまう。画面に希望通りの選択肢がなかなか表示されないのだもの。

そんなわけで十分に往復割引の対象になるはずの旅程でも、つい往路と復路を別々に購入してしまったりする。つまり「往復割引の需要が減った」というわけじゃなく、買いにくくなってしまったというだけのことなのだ。

実は今も、兵庫県の丹波篠山と山口県の防府での仕事があって、この 2か所で途中下車しながら往復割引を適用したかったのだが、行き先が新幹線の路線から外れるので経路が複雑になってしまう。

そんなわけで希望する経路の切符購入画面がなかなか表示されず、何度もやり直してかなりイライラした。結局は心ならずも往復別々に購入してしまったので、割引がなくなってしまったのである。

切符予約画面のインターフェイスがもっとわかりやすく親切なものになったら、往復割引切符や連続乗車券の購入は決して減らないと思うんだがなあ。

 

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2024年10月29日

妖怪の多い鳥取と、神様の多い島根についての感慨

Threads にhliuhia さんという方が、「鳥取」と「島根」の違いについて「なるほど!」と膝を打つような写真を投稿しておいでだ(参照)。多分島根県のどこかにある飲食店らしきところの貼り紙で、「妖怪が多いのが鳥取。神様が多いのが島根です」とある。

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確かに鳥取、島根の両県は、どこか非日常的な雰囲気をもっている。鳥取県の境港市は、あの『ゲゲゲの鬼太郎』の作者、水木しげるの故郷であり、「水木しげる記念館」とか「ゲゲゲの妖怪楽園」とか「水木しげるロード」なんていうのがあって、実際にどちらを向いても妖怪だらけだ。

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それは境港市だけでなく、その位置する弓ヶ浜半島の入り口にあたる隣町の米子市にまで及んでいて、「鬼太郎列車」の始発駅となる米子駅には「ここはねずみ男駅」なんて表示されていて、その名の通り階段にまでねずみ男がいたりする。とにかく鳥取県は掛け値なしに妖怪が多い。

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一方、島根県には時にルーツの異なる「大黒様」に変身してまで圧倒的に親しまれている大国主命の出雲大社がある。旧暦 10月(新暦で言えば今年は 11月 1日から 30日まで)は「神無月」と呼ばれるが、出雲の国に限っては日本中の神様が集まるとされているので「神在月」(かみありづき)と称する。

今日はその 3日前だから、神々は旅支度に忙しいだろう。

実は私は出雲は 2012年と 13年、15年(2度)の 4度ほど出張で訪れており、初めの 3度は神々の集まるとされる大中心の出雲大社に参拝している。ただ最初の 2012年の 10月は「平成の大遷宮」の真っ最中で、本殿の近くまで行くこともできず、離れたところから遙拝するほかなかった(参照)。

そして翌年の 2013年に訪れたのは 11月 4日で、旧暦ではまさに「神在月」だったので、和歌も「出雲なる神在月のおほやしろに八百万の神集ひませるか」と詠んでいる。

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ただこの時もまだ大遷宮は終わっておらず、楼門の中に入ることができなかったので、上のように境内の外から横向きの写真を撮らせてもらうしかなかった。

そして 2015年の冬にようやくまともに参拝できた時には、写真を撮っていない。境内での本殿撮影は禁止されていたような気がするので、こんな感じの参道の写真が残っているだけである。詠んだ歌も「雪の舞ふ日の入り前のひとときを出雲大社の風にぞ吹かるる」というもので、いかにも寒そうだ。

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というわけで、3度も参拝しているのに、あの見事な社殿の写真が手元にないのである。これは痛恨の至りというほかないが、インターネットを見れば見事な写真があるから、それで満足するか。

ただ、出雲大社の近くにある出雲阿国(いずものおくに)の墓の写真は、しっかりと撮らせてもらった。

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出雲阿国は歌舞伎発祥につながる人物だけに、歌舞伎を論じて修士号を得た私としてはパスするわけに行かない。ただ畏れ多いので、真正面からではなく横から写している。出雲大社だって横からしか撮ってないのだからね。真正面からの写真はこちらでどうぞ。

というわけで、鳥取県には今月にも行ったばかり(参照)なので、次はまた島根県の出雲に行ってみたいと念願しているところである。

 

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2024年10月19日

なるほど、京都は休日に行くところじゃなくなってた

米子出張の帰路、そのまま帰ったのでは取手駅からの最終バスに間に合わないので、昨日は途中の姫路(神戸、大阪、京都より宿泊代が安い)に一泊した。今朝は朝一番で京都に出て、いつものように東本願寺でお参りしてから清水寺あたりを散策してから帰ろうという心づもりだったのである。

ところが京都駅に着いてみると休日のせいか、驚くほど人が多い。とくに外国人が半分ぐらいいるような感じで、彼らの多くは大きな荷物をゴロゴロ転がしているのでやたらと混雑する。

京都駅から東本願寺までの道を歩くだけで人混みをかき分けながらという状態で、さらに参拝を終えたところで雨まで降ってきた。そんなわけでそれ以上歩く気が失せてしまい、予定より早い新幹線に変更して早々に帰って来てしまった。

京都で雨に降られるなんて晴れ男の私には珍しいことだが、あれは「さっさと帰った方がいい」という天の声だったのだろう。

上の動画は「2024年10月5日(土) 観光客で大混雑する日曜日の清水寺参道を歩く」というタイトルで、つい最近録画されたもののようだが、なるほど、結構な混み具合だ。これを見ると、清水寺までなんて行かずにさっさと帰って来てよかったとしみじみ思われた。

このブログの今年 6月 9日付は "京都の「オーバーツーリズム問題」を考えてみる" という記事だったのだが、その中で私は(今年 5月に京都を訪れた時は)「雨の降るウィークデイだったこともあってか、それほどの混雑ではなかったがなあ」なんて呑気なことを書いている。

これって、今から思えば 5月の連休直後のウィークデイで、しかも雨降りだったからということのようなのだ。休日の京都というのは雨でも昨日のような有様なのだから、天気がよかったら身動き取れないぐらいなんじゃあるまいか。考えるだに恐ろしい。

本当に「京都は休日に行くところじゃなくなった」と実感させられた。

 

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