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オキシジェン

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同じシチュエーションで一作品を終わらせる勇気と言うか覚悟はすごかったんだろう
と思いました。しかも、声は3名分ありましたが、出演者1名。
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女性が目を覚したところから全てが始まり、そこから僕ら観客は状況を女性とともに
知って行きます。自分がなぜここにいるのか、対応してくれるAIの声との会話や、
どこからともなく聞こえてくる女性から知って、ことの成り行きが分かって来ます。
この女性がクローンだと言うのはだいぶ経ってから分かりますが、実際に生きた元となる
女性の半生を自分の事だと思って、どこからか聞こえてくる女性と話すことで、それが
間違っていたことをだんだん知って行きます。
この女性の情報処理能力はさすがと言うくらい鋭いと思いました。物分かりがすごく
良い。自分には旦那さんがいたってことを記憶してはいるが、それは違う=自分が
クローンと言う結論に至る速さは、この作品中で分かるのだから、超頭が良い。
酸素がどんどん無くなる中で、最善を尽くすだけの発想や考え方が凄い。この閉ざされた
場所で、ただでも嫌になるのに、考える力があり過ぎる!その場所に閉じ込められる記憶が
無いところから始まって、終わりの頃には自分の酸素が無くなるカプセルに他のカプセル
から酸素を調達する指示をAIに出せる決断力。僕がこの状況にいたら喚いて叫んでそのまま
死んでいただろうと思います。経歴の違いか。生まれ育った環境がエリート級です。
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地球では、もう人が生存できないとなったら、こう言うシナリオ(地球を捨てて別の惑星を
探す)と言う十分現実的だと思います。そして、クローンでも良いから新天地に人類を
送り込んで、そこで種をまた広めて根付かせる。そう言うのは、人間だったら考えるでしょう。
僕は、自己中と言うのではないですが、自分が死んだらこの世の中は無くなると思っている
人です。僕が思い描いた世界が今の世の中であって、死んだら、舞台のセットを直すように
全てはそっくりそのまま消えて無くなる。今、こうして生きている自分っていうのを考えたら
ほんの一握りの奇跡で、僕がこの環境でこうして考えていられるのですから、そりゃあ、僕の
ように考える人もいるでしょう。眠りにつくのも、「このまま起きなかったらどうなるの?」
とか考えます。寝ることすら怖いところがあって、いっとき自分がいなくなるのですから、
その自分の意識はどこにいるの?と思ったりして。そう考えると、生き続けて今の自分が
平穏でいるって、凄い自分は真面目だなと思います。轢かれた線路を言われるまま歩いて
いるようで、しかも、死ぬために生きている?冗談じゃないと思ったりもしますが、思った
ところで行動には移さない、と言うか移せない。自分以外は、全部自分が予想した幻だと
考えたら、ある意味気が楽で、何か嫌なことをするにしても気を入れないで乗り切ること
ができます。
本作品の主人公の女性は、自分がクローンだと知って、自分が断片的に覚えている記憶が
彼女の元の人の記憶と言うのを知ってどう思ったのでしょう。受け入れるしかないと思い
ます。それが一番平和だし、自分の使命でもあるし、作品の終わりで眠りにつきますが、
その後、起きてすることは山ほど有ります。この女性と僕は意外と考えることは似ている
のかも知れません。全てを受け入れて生きる道を選んでいます。
そう言うちょっと発想がぶっ飛んでいる作品ですが、他の方はどう思うんでしょう。

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評価点   76点
お薦め度  75点

2021年  101分  フランス製作

 
 
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