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映画を観て、思った事や感じた事を綴って行きます。※ネタバレありです。

コンテイジョン

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コロナ禍にあって初めて、マスク無しの生活の良さや、人と会って話をすると言う
極々平常時であれば普通の事ができるのが幸せだと感じるようになりました。
本作品は、2011年に制作されたものですが、まるでこのコロナの蔓延を描いてい
るかような内容になっています。人々が恐れおののきやワクチンの早期開発に係
る諸々の人間模様等、まるで今の世の中のある人がタイムスリップをし2011年に
行って、この作品を作ったかのように感じます。誰が主人公と言うのではなく、事
態は社会全体の問題になっています。ワクチンの取り合いは、これがどの時代に
有っても同じように政治的であったり国力の差でワクチンを入手できる国、出来な
い国が分れると思います。
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ミッチ(演者:マット・デイモン)は、抗体を持った唯一の一人になりますが、何かを
できる訳でも何でもなく、ただただ身近な問題解決に奔走して終わった感が有りま
す。でも、仕方が無いですね。その他、こんな豪華なキャストをしていますが、話題
性での採用だったのでしょうね。だって、ウィルスに対抗できるのは、ワクチンしか
無いですから。
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この表題の「コンティジョン」とは、「伝染病や感染の意味」と辞書には有ります。更
に、上記に2011年に本作品ができたと記載致しましたが、原作は、1995年のアメ
リカの作家、ロビン・クックの小説だとの事ですから、如何にこうした伝染病が蔓延
した場合、アメリカのみならず、全世界で大変な混乱になる旨、警鐘を鳴らしていた
と言う事になります。
本作品のキャッチコピーは、「【恐怖】は、ウィルスより早く伝染する」という物ですが、
正しく、まだ解明されていない伝染病が蔓延したと人は知った時、右往左往するし
かないと言うどうしようもない現状を受け入れるしかないと言う事です。
人間の英知や、それまで蓄えてきた科学は、最初は戸惑いますが、すぐにワクチン
を製造しようとするのは、生存権を侵された人間にとっては、種を残すと言う意味で
必然だと思いました。
途中、「レンギョウが効くらしい」と言う怪情報が流れてその為に、多くの人がその入
手に動きます。レンギョウとは、実在する中国原産の植物です。生薬になるのは果
実で、完熟する前に収穫され天日干しして作られるそうです。強い抗菌作用が有り、
漢方処方にも使われています。それが、金儲けに目がくらんだアメリカのブロガーが
取り上げた為に入手に殺到と言う事になったと言うことです。
それ以外は、かなり専門性が高いことが網羅されています。コロナのシミュレーショ
ンをしているかのようです。2003年のSARS、2009年の新型インフルエンザを経験し
た際の現状を脚本は取り入れていると想像できます。
本作品で言われた専門的なセリフは、数々、科学雑誌「ニュー・サイエンティスト」等
で引用もされていると聞きました。そうしたことを考えると、今だと、この作品と現実と
がリンクしている部分に共鳴することがたくさん有りますが、2011年には、単なるパ
ニック映画としか考えられなかったでしょう。
是非とも、本作品を観て頂き、そのリアルさを確認しつつ、私たちに何ができるかを
考えるきっかけ作りにして頂きたいと思います。


評価点   78点
お薦め度  80点

2011年  106分  アメリカ製作

 
 
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