David the smart ass心のダイエット!~時には辛口メッセージを~ |
「おおい町 翻ろう」って~新聞の漢字
「障がいはほんと意味わかんない。」も「障が / いはほんと / 意味わかんない。に見える。
→ https://twitter.com/nozakitakehide/status/211684669786300417
何ごとかとTLを遡って読むと、こんなTLが続いた(念のために書くがすべて、@nozakitakehide さんのツィートである)。
とか、「なぜ」も俺は屡々「何故」と書く。假名で書くと、「福沢諭吉 / はなぜ / 朝鮮に」と見えてしまふからだ。
→ https://twitter.com/nozakitakehide/status/211684536298385408
とか、「障がい」は、「障が(謎の名詞+助詞) / い(助詞の次に出てくるのだから體言か用言だらうが謎)」と分かれるやうに見えるし、「子ども」は「子ど(謎の名詞)+も(助詞)」のやうに感じられる。
→ https://twitter.com/nozakitakehide/status/211683805944229888
とかである。「ぼう大」のやうに書かれると、かなで書かれてゐるから「ぼう」が直前の助詞(かなで書かれてゐる)と一體のやうに見えてしまひ、「○○ / がぼう / 大な」と、妙な風に認識されてしまふ。これでは意味がさつぱりわからない。
→ https://twitter.com/nozakitakehide/status/211681683181797376
要するに、漢字とかなの交ぜ書きは紛らわしいという主張だ。
わからなくもない。和語ならかな書きするとしても、漢語をかなで書くのは違和感が強い。一つの漢語をかなと漢字を交ぜて書く「交ぜ書き」は、漢語の語としての一體性を破壞するから、讀む際に誤讀し易くなる。
→ https://twitter.com/nozakitakehide/status/211682547850158080
「障碍」「膨大」という漢語を「障がい」「ぼう大」と漢字とかなを組み合わせて書く、所謂「交ぜ書き」が、ただみっともないという見てくれのレベルだけでなく、実用面でも不都合があるという主張である。
「なぜ」も「何故」の方がわかりやすいというのは、個人差がありはしないかと思う。それは、単にわたしは、「なぜ」というひらがな書きの「なぜ」を見慣れているということによるのだ。おそらく、野嵜さんは「何故」の方を「なぜ」よりも見慣れたり、書き慣れたりしているのであろう。
また、すべての文節の始めは漢字の方がわかりやすいというのは、少しばかり無理筋だとは思うけれど、漢文というか、漢文の書き下し文はこういう考え方をとっているのも、また、確かである。
「文節」の頭は漢字で始まるべきだと思ふ。その方が語の區切りがはつきりわかつて、意味が判りやすい。
→ https://twitter.com/nozakitakehide/status/211681907182800896
そもそも、こういう、みっともない上に、意味的にも混乱が生じるような「交ぜ書き」をせねばならない背景の一つには、漢字の使用制限がある。当用漢字から常用漢字につながる流れが、こうした妙竹林な「交ぜ書き」を生んでいるのだ。
で、こんなTLを見たあとで、食事に出かけたラーメン屋で、手にした朝刊がこんな見出しだった。「なんじゃこりゃ」とぶったまげて、思わず写メを撮った。どうしてもブログに記事を書かねばと思ったのだ。
それがこれ。
本日(6月10日付け)の、中日新聞の第1面である。
さて、太字の見出し、読める?
「おおい町 翻ろう」
見出しにはそう書かれている。野嵜さんではないが、「おおい町」という町名が、「おーい」と読める。「○○ろう」というのが、呼び掛けの言葉に読めてしまう。
つまり、わたしにはごくごく自然に「おおい、町(よ)、翻(ひるがえ)ろう!」と読めてしまうのだ。何を、どう、翻るのか? 原発反対から、原発推進へと翻ろう!と呼びかけているのかと思われるのだ。自然にだ。
これは誤読であるとおっしゃる方もいらっしゃるかもしれない。正しくは、「おおい町、翻弄(ほんろう)」と読んで、環境ビジネスからの原発の推進、東京電力福島原発の事故からの脱原発、原発反対運動、電力不足からの再稼動、やっぱり脱原発なんで期間限定の稼動などなど、世論や政治、利権などの思惑が絡んで、まさに小さな地元の町が翻弄されているのだ。記事は「翻弄」と書くところ、「弄」の字が常用漢字にないので、「翻ろう」と「交ぜ書き」をしているんだと。
冗談じゃない! 翻弄の「弄」は、こないだ晴れて常用漢字にご出世あそばされていたのだぞよ~。(→ 新常用漢字追加字)
なんせ、当時はこんなブログ記事もあったくらいなのだ。
■翻ろう
「ほんろう」じゃないよ
今まで「弄」は常用外漢字だったから、今まで「翻ろう」と表記されてたけど、
常用漢字に「弄」が加わるから、これからは「翻弄」と表記されるんだぜ!
だから「翻ろう」は今までは「ほんろう」と読んでたけど、これからは「ひるがえろう」と読もうぜ。送り仮名も合ってるし、ちゃんと変換できるし。
→ le_ramierの日記(兎)
新聞記事は、常用漢字表に準拠して書かれているはずであるのだから、こいつは「おおい町、翻(ひるがえ)ろう!」って見出しと考えるほうが真っ当な理解になるのだ。
あ~、こんな漢字に誰がした、責任者出てこい! と、怒りたい気分である。
<追記>
こんなtweetがあった。
新聞で使ふ漢字は常用漢字表ぢやなくて、新聞用の常用漢字表で定められてるんぢやなかつたかしらんと思つてググつたら大体あつてた。
— 鳴海 彬さん (@santarou98) 6月 10, 2012
ああそうか、と思って調べたら、Wikipediaに「新聞常用漢字表」というのがあった。これをマスターしないと、「翻ろう」が「ほんろう」か「ひるがえろう」かが、判然としないということらしい!
なんだか、二重にややこしいわ……。
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