2010.03.20
一生で何冊読めるか?/Readers' Math Shortcuts
あと60年生きるとして
月1冊なら 720冊(=12ヶ月×60年)
週1冊なら 3120冊(=52週×60年)
毎日1冊で21915冊(=365日×60年+(60年÷4年;うるう年の分))
馬場正平(ジャイアント馬場) 200冊/年
ニーチェ 200冊/日(ピーク時)
2006年の1カ月間の平均読書冊数は、
小学生は9.7冊/月
中学生は2.8冊/月
高校生は1.5冊/月
(出所:全国学校図書館協議会・毎日新聞社「第52回学校読書調査」)
(出所)文化庁「国語に関する世論調査(平成20年度)」
日本の新刊点数(書籍)
http://www.1book.co.jp/001274.html
1960年 11,173
1970年 19,226
1980年 27,709
1990年 38,680
2000年 67,522
2001年 69,003
2002年 72,055
2003年 72,608
2004年 74,587
2005年 76,528
2006年 77,722
2007年 77,417
2008年 76,322
世界各国の出版点数ランキング(1996年)
http://www.1book.co.jp/002988.html
1位 中国 110,283
2位 イギリス 107,263
3位 ドイツ 71,515
4位 日本 56,221
5位 スペイン 46,330
6位 ロシア連合 36,237
7位 イタリア 35,236
8位 韓国 30,487
日本の図書館蔵書数ランキング(『日本の図書館 統計と名簿2005』)
1位 国立国会図書館東京本館 - 633.8万冊
2位 東北大学附属図書館 - 248.6万冊(全館合計372.7万冊)
3位 早稲田大学中央図書館 - 229.5万冊(全館合計467.2万冊)
4位 大阪大学附属図書館豊中本館 - 227.8万冊(全館合計390.0万冊)
5位 大阪市立大学学術情報総合センター - 219.6万冊
6位 広島大学中央図書館 - 208.7万冊(全館合計323.9万冊)
7位 関西大学総合図書館 - 184.5万冊
8位 慶應義塾大学三田メディアセンター - 181万冊(全館合計287.2万冊)
9位 国立国会図書館関西館 - 178.6万冊
10位 一橋大学図書館 - 170.5万冊
(文字数)
新書本200~250ページ=12~15万字
新聞(朝刊、広告等のぞく)=12万字(朝日新聞、読売新聞)~15万字(日経新聞)
(おまけ)Freshman's Math Shortcuts
4年間=48ヶ月=1460日=35040時間
月1冊なら 720冊(=12ヶ月×60年)
週1冊なら 3120冊(=52週×60年)
毎日1冊で21915冊(=365日×60年+(60年÷4年;うるう年の分))
馬場正平(ジャイアント馬場) 200冊/年
ニーチェ 200冊/日(ピーク時)
2006年の1カ月間の平均読書冊数は、
小学生は9.7冊/月
中学生は2.8冊/月
高校生は1.5冊/月
(出所:全国学校図書館協議会・毎日新聞社「第52回学校読書調査」)
読まない | 1,2冊 | 3,4冊 | 5,6冊 | 7冊以上 | 分からない | |
---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 46.1 | 36.1 | 10.7 | 3.3 | 3.3 | 0.5 |
16~19歳 | 47.2 | 30.6 | 16.7 | 2.8 | 2.8 | ― |
20代 | 38.0 | 38.0 | 13.3 | 5.1 | 5.1 | 0.6 |
30代 | 42.4 | 39.4 | 11.6 | 3.0 | 3.0 | 0.7 |
40代 | 38.9 | 41.8 | 11.4 | 3.9 | 3.9 | ― |
50代 | 38.8 | 41.3 | 13.0 | 3.3 | 3.0 | 0.6 |
60歳以上 | 55.5 | 30.1 | 7.9 | 2.8 | 3.0 | 0.7 |
(出所)文化庁「国語に関する世論調査(平成20年度)」
日本の新刊点数(書籍)
http://www.1book.co.jp/001274.html
1960年 11,173
1970年 19,226
1980年 27,709
1990年 38,680
2000年 67,522
2001年 69,003
2002年 72,055
2003年 72,608
2004年 74,587
2005年 76,528
2006年 77,722
2007年 77,417
2008年 76,322
世界各国の出版点数ランキング(1996年)
http://www.1book.co.jp/002988.html
1位 中国 110,283
2位 イギリス 107,263
3位 ドイツ 71,515
4位 日本 56,221
5位 スペイン 46,330
6位 ロシア連合 36,237
7位 イタリア 35,236
8位 韓国 30,487
日本の図書館蔵書数ランキング(『日本の図書館 統計と名簿2005』)
1位 国立国会図書館東京本館 - 633.8万冊
2位 東北大学附属図書館 - 248.6万冊(全館合計372.7万冊)
3位 早稲田大学中央図書館 - 229.5万冊(全館合計467.2万冊)
4位 大阪大学附属図書館豊中本館 - 227.8万冊(全館合計390.0万冊)
5位 大阪市立大学学術情報総合センター - 219.6万冊
6位 広島大学中央図書館 - 208.7万冊(全館合計323.9万冊)
7位 関西大学総合図書館 - 184.5万冊
8位 慶應義塾大学三田メディアセンター - 181万冊(全館合計287.2万冊)
9位 国立国会図書館関西館 - 178.6万冊
10位 一橋大学図書館 - 170.5万冊
(文字数)
新書本200~250ページ=12~15万字
新聞(朝刊、広告等のぞく)=12万字(朝日新聞、読売新聞)~15万字(日経新聞)
(おまけ)Freshman's Math Shortcuts
4年間=48ヶ月=1460日=35040時間
2010.03.19
空き缶でKJ法をやってみるとこんな良い事がある/分類という病をいやすために
KJ法には、一望する、並べ替える、突き合せる、名付ける、という知的作業の4エレメントがすべて含まれている。
だが、なかなか使いこなすまで行く人は少ない。
やってみたことはあるけれど、平凡な結果に終わったという経験が、多くの人にあるのではないだろうか?
KJ法を説明することは、「なぜあなたがやるKJ法はうまく行かなかったか」を説明する事に、ほとんど等しい。
一番よくあるのが「分類という病」だが、あるファシリテーターは「分類」をたしなめるのではなく(そうするとかえって「治療抵抗」が引き起されるだけなので)、あえてさらに「分類」に追い立てる事で、この罠を抜けるところまで持っていく。病気の経過を速度を上げて通り抜けさせるところなど、なかなかおもしろい。
ワークショップ形式でやる場合、参加者に持って来てもらうのは、ジュースの空き缶。とりあえず1グループ100個くらいは欲しい。
最初は細かい指示も暗示もせずに、とにかく「分類」してみてください、と言う。
まず最初の「症状」として出るのが、「中身による分類」。
コーラ、オレンジ、炭酸飲料、100%果汁、などなど、孤立したグループがいくつもできあがる。
これに対応するのが、表面的な共通項でグルーピングしてしまうことだ。
料理にたとえると、「いろんな肉」「いろんな魚介類」「いろんな根菜」「いろんな果物」といった,孤立したグループができることになる。当然ながら、同種の素材を束ねても料理にならない。無理矢理やってしまうと悲惨なことになる。「料理」はむしろ、異なるカテゴリーから材料を選んで来ないと成立しない。
しかし、親切な解説はここでは入らず、「じゃあ,今とは別の分類をやってみてください」という指示が出る。
困って来ると、さらに表面的な「分類」が登場してくる。
いわば「熱が浮いて来た」段階。
「赤っぽい色の空き缶」「黒っぽい」「緑色系」と、缶の表面の色で、分類するグループがぼちぼち現れる。
これは一見「退行」が進んだかに見えるが、表面への着目は、次のステップへの手がかりになる。
次の段階で、こんな指示が出る。
「じゃあ、試しに、若者っぽい順番に並べてみて下さい」
???若者って何?
「年齢順ってことです。これは若者向けだな、いやこっちの方が若いだろ、と順番をみんなで考えて、並べてみてください」
四苦八苦しながらやり終えると、「分布」を眺めてみてくれ、と指示が出る。
さっきの(一見無駄に見えた)「中身での分類」や「色での分類」が、ここ来て生きてくる。
「若い方へいくほど、なんかデザインが直線っぽい、というか機械っぽい」
「年齢が上がって行くと、甘いのが減って行くな」
「お茶とかね。缶の色も濃淡のグリーンとか、そういうのが多い」
「ちょっと簡単に、年齢を横軸に、カロリーのグラフをつくってみたんだけど」
「結構山あり谷ありだな。単純に若いと高カロリーとは言えんね」
「でも、なんかパターンがありそうだけど」
中身→パッケージ→消費者(という人)へと、焦点が移動して来ている。
ここまで来ると、もう一度、
「空き缶でグループをつくって見て下さい。小さいグループからはじめて、最後は全体で関係が見えて来るように」
ここまで来ると、それぞれユニークな視点でのグループ作りができて、最後は全体でストーリーが描けるまでになっていく。
この作業の途中か、終わってから言うかは、その場のノリと「進み具合」によるが、次のようなインストラクションが入るときもある。
「今日は空き缶をつかってKJ法をしてもらってますが、これらは、もともとは空き缶じゃなくて、ジュースという商品のパッケージです。どれだけ売れるかは味もさることながら、パッケージによるところが非常に大きいのがソフト・ドリンクで、メーカーはものすごい数のデザインを作っては、何度も繰り返しモニターの意見を聞いたりアンケートを取ったり、すごい時間と知恵とコストを掛けて、パッケージを作っていきます。
『空き缶=捨てられたもの=タダ(無料)』と思って眺めていたら見えなかった、そんなものが見えるようになって来たのは、みなさんもこれを誰が飲むのか、というレベルまで見ようとしたからじゃないですか?
中身は無くても、空き缶のパッケージはすごい知恵と努力が込められています。それをいくらか読めるようになってきたんじゃありませんか?」
……前作『発想法』を出して、返って来たフィードバックを下に書いているこちらは、「やってみたけど、いまいちだった」という人がまず見るべき本。
だが、なかなか使いこなすまで行く人は少ない。
やってみたことはあるけれど、平凡な結果に終わったという経験が、多くの人にあるのではないだろうか?
KJ法を説明することは、「なぜあなたがやるKJ法はうまく行かなかったか」を説明する事に、ほとんど等しい。
一番よくあるのが「分類という病」だが、あるファシリテーターは「分類」をたしなめるのではなく(そうするとかえって「治療抵抗」が引き起されるだけなので)、あえてさらに「分類」に追い立てる事で、この罠を抜けるところまで持っていく。病気の経過を速度を上げて通り抜けさせるところなど、なかなかおもしろい。
ワークショップ形式でやる場合、参加者に持って来てもらうのは、ジュースの空き缶。とりあえず1グループ100個くらいは欲しい。
最初は細かい指示も暗示もせずに、とにかく「分類」してみてください、と言う。
まず最初の「症状」として出るのが、「中身による分類」。
コーラ、オレンジ、炭酸飲料、100%果汁、などなど、孤立したグループがいくつもできあがる。
これに対応するのが、表面的な共通項でグルーピングしてしまうことだ。
料理にたとえると、「いろんな肉」「いろんな魚介類」「いろんな根菜」「いろんな果物」といった,孤立したグループができることになる。当然ながら、同種の素材を束ねても料理にならない。無理矢理やってしまうと悲惨なことになる。「料理」はむしろ、異なるカテゴリーから材料を選んで来ないと成立しない。
しかし、親切な解説はここでは入らず、「じゃあ,今とは別の分類をやってみてください」という指示が出る。
困って来ると、さらに表面的な「分類」が登場してくる。
いわば「熱が浮いて来た」段階。
「赤っぽい色の空き缶」「黒っぽい」「緑色系」と、缶の表面の色で、分類するグループがぼちぼち現れる。
これは一見「退行」が進んだかに見えるが、表面への着目は、次のステップへの手がかりになる。
次の段階で、こんな指示が出る。
「じゃあ、試しに、若者っぽい順番に並べてみて下さい」
???若者って何?
「年齢順ってことです。これは若者向けだな、いやこっちの方が若いだろ、と順番をみんなで考えて、並べてみてください」
四苦八苦しながらやり終えると、「分布」を眺めてみてくれ、と指示が出る。
さっきの(一見無駄に見えた)「中身での分類」や「色での分類」が、ここ来て生きてくる。
「若い方へいくほど、なんかデザインが直線っぽい、というか機械っぽい」
「年齢が上がって行くと、甘いのが減って行くな」
「お茶とかね。缶の色も濃淡のグリーンとか、そういうのが多い」
「ちょっと簡単に、年齢を横軸に、カロリーのグラフをつくってみたんだけど」
「結構山あり谷ありだな。単純に若いと高カロリーとは言えんね」
「でも、なんかパターンがありそうだけど」
中身→パッケージ→消費者(という人)へと、焦点が移動して来ている。
ここまで来ると、もう一度、
「空き缶でグループをつくって見て下さい。小さいグループからはじめて、最後は全体で関係が見えて来るように」
ここまで来ると、それぞれユニークな視点でのグループ作りができて、最後は全体でストーリーが描けるまでになっていく。
この作業の途中か、終わってから言うかは、その場のノリと「進み具合」によるが、次のようなインストラクションが入るときもある。
「今日は空き缶をつかってKJ法をしてもらってますが、これらは、もともとは空き缶じゃなくて、ジュースという商品のパッケージです。どれだけ売れるかは味もさることながら、パッケージによるところが非常に大きいのがソフト・ドリンクで、メーカーはものすごい数のデザインを作っては、何度も繰り返しモニターの意見を聞いたりアンケートを取ったり、すごい時間と知恵とコストを掛けて、パッケージを作っていきます。
『空き缶=捨てられたもの=タダ(無料)』と思って眺めていたら見えなかった、そんなものが見えるようになって来たのは、みなさんもこれを誰が飲むのか、というレベルまで見ようとしたからじゃないですか?
中身は無くても、空き缶のパッケージはすごい知恵と努力が込められています。それをいくらか読めるようになってきたんじゃありませんか?」
発想法―創造性開発のために (中公新書 (136)) (1967/06) 川喜田 二郎 商品詳細を見る |
続・発想法 中公新書 (210) (1970/02) 川喜田 二郎 商品詳細を見る |
……前作『発想法』を出して、返って来たフィードバックを下に書いているこちらは、「やってみたけど、いまいちだった」という人がまず見るべき本。
2010.01.15
30分で108のアイデアを生む/後処理をにらんだブレイン・ライティングの工夫その他
時々忘れてしまいそうになるが、アイデアは生では食えない。
つまり、「そのままでは使えない」のがデフォルトである。
時々、宝石のようなアイデアにめぐり合うこともあるが、そんな僥倖は待つものではない。
宝石にしても、磨いてカットすること、評価しディスプレイすることが必要になる。
料理を例にとろう。
サバ、サンマ、ハマチと「青身の魚」ばかりあつめても、献立が立たない。
アイデアは食材だ。
現実のものとするには、何か違う種類のものと組み合わせて、加工することが当然、予定に入ってなくてはいけない。
小量のアイデアを後生大事に抱えていることは愚かしい。
時に愚かであることが必要だとしてもだ。
湯水のごとくアイデアを扱おう。そのためには、まずは数がなければ始まらない。
アイデアを無理やりひねり出す方法はいろいろあるが、話ベタな日本人(へたな癖にやたらと話したがる輩を含む)には、ブレイン・ライティングが向いている。
狭い部屋で同じように頭を絞ってそれぞれに独立した作業を行ない、そのことでやる気に火が着くところや、時間に縛られるところも、パンクチュアルな日本人向きだ。
普通、紹介される方法は、6行3列のマス目を書いた紙を使う。
(普通のやり方)
デフォルトの設定は6人が参加して、1ターンは5分。
それぞれに6×3のマス目が配られ、各自は5分以内に1行(3つのマス目)分を、なんらかのアイデアで埋める。
5分経つと、各自がとなりに紙を渡し、各自は5分以内に次の1行(3つのマス目)分を、なんらかのアイデアで埋める。
5分経つと……(以下くりかえし)。
紙が一周したら5分×6人=30分が過ぎ、6×3×6人分=108個のアイデアが出た、という訳である。
この標準的なやり方には、問題がある。
アイデアの数が増えると、アイデアをハンドリングする工夫をしないと、整理がつかず、カオスに陥る。
冒頭に、アイデアは作りっぱなしにできない理由を述べた。アイデアは整理されたり、組み合わせられたり、せねばならない。
だから少しやり方を変える。
(工夫したやり方)
参加者の人数だけ、大きめの台紙を用意する。
(1)ポストイットをくばり、1行に3枚づつ、各自で貼ってもらう。これで準備完了。
A4の紙だと、75mm四方のポストイットは、無理して4行×3列と12枚しか貼れない。もう少し大きな台紙を用意するか、何枚のポストイットを貼るかは、使える時間と参加者数に応じて、現場で調整する。
(2)各自は5分以内に1行(ポストイット3枚分)を、なんらかのアイデアで埋める。
(3)5分経つと、各自がとなりに紙を渡し、各自は5分以内に次の1行(3つのマス目)分を、なんらかのアイデアで埋める。
5分経つと……(以下くりかえし)。
(アイデアが出た後の処理)
ポストイット方式のブレイン・ライティングのメリットは、アイデアのハンドリングが向上することである。
人数が居るうちに、その手を使えば、貼りかえも整理もはやい。
時間を使えるなら、模造紙の上に、ポストイットを貼りながら、KJ法もどきで整理する。
ホワイトボードをコピーできる装置は、この巨大な整理用台紙を手持ちサイズにしてくれ、お持ち帰りを可能にしてくれる。
(KJ法についてのメモ)
KJ法は、本来、素材の「分類」を良しとしない。
料理のたとえに帰れば、魚ばかり、あるいは、根菜類ばかりあつめても「料理」しようがない。
「ナントカずくし」をやるにも、「脇役」や「だし」が必要だ。
「分類」を避け、アイデアの整理と組み合わせを行なうには、「ストーリーができそうな組み合わせ」を探すとよい。
たとえば、謎かけ。「○○とかけて、××と解く、そのこころは~~」である。無理なこじつけこそ歓迎すべきだ。
主人公-対象・目的、送り手(対象の出発点)-受け手(対象の到着点)、そして援助-妨害(この3対は理想とその実現、時間の流れ、空間の移動の3軸でもある)でできたグレマスの図式も役に立つ場合がある。
すべての項目を埋める必要はない、主役と目標と障害だけでも、立派に「一皿」できる。もちろん、主役と目標と援助者でもかまわない。
最下位のレベルで「かたまり」ができたら「かたまり」に名前をつけ、かたまり同士を組み合わせて、ひとつ上のレベルで「ストーリー」をつくるような組み合わせを探す。
足りない素材は、無論、追加していい。
むしろ、このステップでは、追加されるアイデアに期待している。
かたまりづくりとより上位への以降をくりかえして、すべてのポストイットの「処遇」が決まったら、スナップショットを撮ろう。
できればコピーして、みんなに配る。
ひとつひとつは凡庸なアイデアが、仲間と居場所を得て、輝き出しているだろうか?
途中でアイデアをまとめるストーリーは「使い捨て」しても構わない。
むしろ、とりあえず配置が決まった後、全体の絵を無理やりストーリーに読み取る作業(KJ法B型)が肝である。
箇条書きでなく、ひとつながりの文章としてアウトプットした方が良い。
ここでも追加は歓迎される。
最上のミーティングは「話し合わない」こと/素人こそ使える3つのノウハウ 読書猿Classic: between / beyond readers
つまり、「そのままでは使えない」のがデフォルトである。
時々、宝石のようなアイデアにめぐり合うこともあるが、そんな僥倖は待つものではない。
宝石にしても、磨いてカットすること、評価しディスプレイすることが必要になる。
料理を例にとろう。
サバ、サンマ、ハマチと「青身の魚」ばかりあつめても、献立が立たない。
アイデアは食材だ。
現実のものとするには、何か違う種類のものと組み合わせて、加工することが当然、予定に入ってなくてはいけない。
小量のアイデアを後生大事に抱えていることは愚かしい。
時に愚かであることが必要だとしてもだ。
湯水のごとくアイデアを扱おう。そのためには、まずは数がなければ始まらない。
アイデアを無理やりひねり出す方法はいろいろあるが、話ベタな日本人(へたな癖にやたらと話したがる輩を含む)には、ブレイン・ライティングが向いている。
狭い部屋で同じように頭を絞ってそれぞれに独立した作業を行ない、そのことでやる気に火が着くところや、時間に縛られるところも、パンクチュアルな日本人向きだ。
普通、紹介される方法は、6行3列のマス目を書いた紙を使う。
(普通のやり方)
デフォルトの設定は6人が参加して、1ターンは5分。
それぞれに6×3のマス目が配られ、各自は5分以内に1行(3つのマス目)分を、なんらかのアイデアで埋める。
5分経つと、各自がとなりに紙を渡し、各自は5分以内に次の1行(3つのマス目)分を、なんらかのアイデアで埋める。
5分経つと……(以下くりかえし)。
紙が一周したら5分×6人=30分が過ぎ、6×3×6人分=108個のアイデアが出た、という訳である。
この標準的なやり方には、問題がある。
アイデアの数が増えると、アイデアをハンドリングする工夫をしないと、整理がつかず、カオスに陥る。
冒頭に、アイデアは作りっぱなしにできない理由を述べた。アイデアは整理されたり、組み合わせられたり、せねばならない。
だから少しやり方を変える。
(工夫したやり方)
参加者の人数だけ、大きめの台紙を用意する。
(1)ポストイットをくばり、1行に3枚づつ、各自で貼ってもらう。これで準備完了。
A4の紙だと、75mm四方のポストイットは、無理して4行×3列と12枚しか貼れない。もう少し大きな台紙を用意するか、何枚のポストイットを貼るかは、使える時間と参加者数に応じて、現場で調整する。
(2)各自は5分以内に1行(ポストイット3枚分)を、なんらかのアイデアで埋める。
(3)5分経つと、各自がとなりに紙を渡し、各自は5分以内に次の1行(3つのマス目)分を、なんらかのアイデアで埋める。
5分経つと……(以下くりかえし)。
(アイデアが出た後の処理)
ポストイット方式のブレイン・ライティングのメリットは、アイデアのハンドリングが向上することである。
人数が居るうちに、その手を使えば、貼りかえも整理もはやい。
時間を使えるなら、模造紙の上に、ポストイットを貼りながら、KJ法もどきで整理する。
ホワイトボードをコピーできる装置は、この巨大な整理用台紙を手持ちサイズにしてくれ、お持ち帰りを可能にしてくれる。
(KJ法についてのメモ)
KJ法は、本来、素材の「分類」を良しとしない。
料理のたとえに帰れば、魚ばかり、あるいは、根菜類ばかりあつめても「料理」しようがない。
「ナントカずくし」をやるにも、「脇役」や「だし」が必要だ。
「分類」を避け、アイデアの整理と組み合わせを行なうには、「ストーリーができそうな組み合わせ」を探すとよい。
たとえば、謎かけ。「○○とかけて、××と解く、そのこころは~~」である。無理なこじつけこそ歓迎すべきだ。
主人公-対象・目的、送り手(対象の出発点)-受け手(対象の到着点)、そして援助-妨害(この3対は理想とその実現、時間の流れ、空間の移動の3軸でもある)でできたグレマスの図式も役に立つ場合がある。
すべての項目を埋める必要はない、主役と目標と障害だけでも、立派に「一皿」できる。もちろん、主役と目標と援助者でもかまわない。
最下位のレベルで「かたまり」ができたら「かたまり」に名前をつけ、かたまり同士を組み合わせて、ひとつ上のレベルで「ストーリー」をつくるような組み合わせを探す。
足りない素材は、無論、追加していい。
むしろ、このステップでは、追加されるアイデアに期待している。
かたまりづくりとより上位への以降をくりかえして、すべてのポストイットの「処遇」が決まったら、スナップショットを撮ろう。
できればコピーして、みんなに配る。
ひとつひとつは凡庸なアイデアが、仲間と居場所を得て、輝き出しているだろうか?
途中でアイデアをまとめるストーリーは「使い捨て」しても構わない。
むしろ、とりあえず配置が決まった後、全体の絵を無理やりストーリーに読み取る作業(KJ法B型)が肝である。
箇条書きでなく、ひとつながりの文章としてアウトプットした方が良い。
ここでも追加は歓迎される。
最上のミーティングは「話し合わない」こと/素人こそ使える3つのノウハウ 読書猿Classic: between / beyond readers
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