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スイッチング電源を作ろう(10)

【第10回】
 動作


※この連載を初めてご覧になる方は、まずこちらをご一読下さい
※前回の記事はこちら


忙しくて随分時間が空いてしまった。たまには更新しないと。


■各部の動作

前回まででスイッチング電源自体は完成したので、今回はその動作波形をほんの少しだけ紹介しよう。
家にあるオシロスコープはアナログ式で、毛布をかぶってメガネを外して写真撮影していたため、ボケてても気づかなかった。なので、そこはご愛敬ということで。

歪み三角波発振回路。RC発振なのでこんな感じ。10us/divなので、27kHzくらいか。設計値は30kHzなので誤差は10%程度。コンデンサの誤差を考えると妥当な周波数になっていると言える。

20090913 Triangular Wave, originally uploaded by pman0214.


思いっきりボケているが、先ほどの歪み三角波と出力トランジスタのゲート電圧を並べたもの。同じ周波数で発振していることが分かる。


え?第2回に書いたように、SWのON/OFFのタイミングは歪み三角波のある電圧になってるんじゃないのか、だって?
確かにそうなのだが、歪み三角波の電圧と比較することになる誤差増幅回路の構成を思い出して欲しい。RCが並列になったものを使って増幅している。なので、位相がずれる。コンデンサを含んでいるので、電圧の位相が遅れる。どのくらい遅れるかは自分で計算してみて欲しい。

というわけで、出力トランジスタのゲート電圧は、歪み三角波よりも若干位相が遅れることになる。で、写真の通りというわけだ。問題なし。


ちなみにこの電源、出力電流が小さいときは誤差増幅回路の出力が小さくなり、色々な影響が出てきて出力トランジスタのゲート電圧が減衰発振する。出力に影響は出ないけど気分は悪い。50mAくらいからこの現象が出るので、この電源はやはり大きな電流用ということになる。


以上で「スイッチング電源を作ろう」と題した本連載は終了となる。
本連載を読んでアナログ回路に少しでも興味を持ってもらえたら、本連載の意味があったのではないかと思う。

なお、この連載は動作を理解しながら製作していく人のためのものなので、単に使えるスイッチング電源を自作したい人はuPC494などのICを使用して回路を作ることをお勧めする。


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