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2009年01月 の記事一覧

コラム 素子定数とE系列

■素子定数とE系列

少しでも電子工作をした人なら気づいているかもしれないが、抵抗やコンデンサの値は1.0, 1.2, 1.5, 1.8などと、不自然にとびとびの値になっている。「どうせなら1.0, 1.5, 2.0, 2.5・・・とか規則正しくしてくれればいいのに」と思う人もいるかもしれないが、実は1.0, 1.2, 1.5, 1.8・・・は規則正しい値になっている。

実は、素子定数はE3, E6, E12, E24と呼ばれる系列に従っている。EはExponent(指数)のことで、1〜10までを等比分割した系列だ。
つまり、E3は10の3乗根、E6は10の6乗根、E12は10の12乗根、E24は10の24乗根をそれぞれn乗した値に近いものとなっている。
分かりにくいのでE12を例にしよう。10の12乗根は1.211。なので、
1
1.211
1.211^2 = 1.466
1.211^3 = 1.775
1.211^4 = 2.150
1.211^5 = 2.604
   :
となる。実際にはE24系列を1つとばしにした値をE12系列としている。また、2.7〜4.7の間は単なる四捨五入ではなく、抵抗値の比が使いやすくなるように調整している。
ということで、実際のE系列は以下の通り。

E24 E12 E6 E3
1.0 1.0 1.0 1.0
1.1
1.2 1.2
1.3
1.5 1.5 1.5
1.6
1.8 1.8
2.0
2.2 2.2 2.2 2.2
2.4
2.7 2.7
3.0
3.3 3.3 3.3
3.6
3.9 3.9
4.3
4.7 4.7 4.7 4.7
5.1
5.6 5.6
6.2
6.8 6.8 6.8
7.5
8.2 8.2
9.1

よほどのことがない限り、E12系列で事足りる。また、6.8や8.2はほとんど使わないようにするのが普通。一般的に、抵抗値は比で決めることが多いから、8.2などとなるときは繰り上げて一つ上の1.0にするのが普通だ。


ということで、この数値列を覚えておくと設計が楽になる。覚えなくとも、この数値列は設計時に重要になるので、どこかにメモることをお勧めする。

利根川サイクリングロード

いつも走っている利根川サイクリングロードをご紹介しよう。写真は日曜日に撮影してきたもの。いや、走るときにカメラは持っていかなかったって。チャリで行ったときのものですよ。 【続きを読む】

安定化電源を作ろう(1)


※この連載を初めてご覧になる方は、まずこちらをご一読下さい


■そもそも安定化電源って何よ?

電源と言えば電源コンセントを思い浮かべる人が多いと思われる。しかし、あれは交流電源。多くの機器はコンセントから取った電気の電圧を落とし、直流に変換して使っている。
さて、電源には内部抵抗があるわけだから、負荷が変動したときに出力が変動してしまうという問題が生じる。この変動を減らして使えるレベルにまでするための回路が「安定化」電源というだけの話。
本当はもっと複雑だけど、まぁ、なんか安定した出力を得るための回路だと思っておけばおおよそ間違いはないだろう。負荷の変動にも動じず、安定した出力ができる。
(本当は完全な安定なんて不可能だから、実用上十分な安定度が得られるもの、というべきだが、細かいことを気にしたら負けだ)

ちなみに、大元の電源の変動に対しても安定した出力が得られるように作るのは当たり前。入力変動に対する出力変動の安定度合いは電源変動除去比というもので表されるのが一般的。
そして、ごくごく一般的に使われるのは電池のように一定の電圧を出力する定電圧源だが、充電電池の充電なんかでは一定の電流を出力する定電流源が用いられる。電池をそのままつなげても定電流にはならないから、安定化回路が必要になることは理解していただけると思う。

まぁ、言葉で書いてもよー分からんと思われるので、とりあえず読み進めてもらえれば話が早いかと。


■で、今回作るってのは?

「Series Regulator」(シリーズレギュレータ)と呼ばれる類の定電圧源。
下の図を見て欲しい。


V_ddが安定しているとすると、R_Lが変化したときにVRを適当に調整するとV_oを一定に保つことができる。また、V_ddが変動していても、V_dd > V_OであればVRを調整することでV_Oを一定に保つことができる。
負荷に直列(series)に入れた抵抗を制御することで安定化を図るものであるから、Series Regulatorと呼ばれる。ちなみに、負荷と並列に入れた抵抗を制御する方式もあり、こちらはShunt Regulatorと呼ばれる。「Shunt」は分流器の意。

というわけで、このVRをトランジスタに置き換えて出力電圧を見ながら制御すれば、出力電圧を一定に保つことができるわけ。


と、原理を説明したところまでで今回はおしまい。
次回は回路構成レベルに落とし込むところまで。

安定化電源を作ろう(イントロダクション)

「電子工作入門」とかで検索すると、確かに電子工作を紹介するページなんかはあるわけだが、こういったページは回路図が載せてあって「あとは作るだけ」というところが多い。まぁ、それはそれで楽しいわけだが、せっかくなのでどういう観点で回路を設計していくのかというのについて書いてみることにした。

「安定化電源を作ろう」と称し、何回かに分けて定電圧源の設計を行う。
回路の設計までを主な過程とし、実際に作る部分に関しては他の方々が書かれている「電子工作入門」などを参照してもらうこととする。

次のページから前のページへトラックバックを送信することとする。
全部の回が終了した時点で、全ページへのアクセスについて整理する。このため、連載中は各ページへのアクセスが不便になると思われるが、タグや検索を利用して見つけていただきたい。


当ページを参照するにあたっては、以下の条件を了解していただきたい:
1.当ページを見て、あるいはそれに関連して取得したいかなる情報による障害・損害等は
  当方では一切責任を負わない。
2.当ページで紹介する物は、動作を保証するものではない。「設計」という過程を
  つかんでもらい、トラブル発生時に自分で対処ができるようになることを主眼とする。
  動かない場合は自分で調査してもらいたい。(もちろん、できる限りのサポートは
  するつもりだが、答えを教えることはしない方針だし、自分が分かるとも限らない)

また、大前提として以下の点に注意していただきたい:
1.当ページの回路図は、最新のJISに従っていない。必要であれば、脳内変換すること。
  分からない場合はコメント欄やメールフォーム等にて質問していただきたい。
2.人間が作っているのだから、回路や設計に間違いがあるかもしれない。
  おかしいと感じた場合は質問・確認等をしていただきたい。
3.分からない場合は、「何がどう分からないか」をまとめて質問していただきたい。
4.一般的でないカタカナ表記はなるべく用いず、英語のままで記す。
  あくまで「なるべく」。筆者が忘れる場合があるので悪しからず。


最後に。
このページを見て、一人でも多くの方が回路設計に興味を持ってもらえたら幸いだ。


2009/03/25追記:
連載が終了したので、記事へのリンクを追加する。

(1)安定化電源概要
   コラム 素子定数とE系列
(2)仕様と超シンプルな回路
(3)安定度の向上
(4)feedbackの導入
(5)誤差増幅回路の増幅度
(6)オペアンプの導入
(7)基準電圧の安定化
(8)完成(最終)

PEAR::Log

PHPプログラミングでのデバッグで、これまで画面にデバッグ情報を表示していたけれども、Ajaxの導入によってXMLを返す部分のデバッグ情報を埋め込むのが面倒になった。
今後サーバに導入した時のことを考えて、トレースログを出力できるようにしようと思い立ってトレーサを作ろうと思ったのだが、世の中に需要がありそうな機能なので誰かが作ってるかもと思い、調べるとあった。

29. PEAR::Logでログ管理: ITPro

で、これを導入。
自分のデバッグ用ソースに

// ログファイル名
define("LOGFILE", dirname(__FILE__) . "/trace.log");
// ログレベル
define("LVL_CRT", PEAR_LOG_CRIT);
define("LVL_ERR", PEAR_LOG_ERR);
define("LVL_WRN", PEAR_LOG_WARNING);
define("LVL_INF", PEAR_LOG_INFO);
define("LVL_DBG", PEAR_LOG_DEBUG);

// トレースログ
function traceLog($level, $method, $seqno, $msg)
{
  $ret_info = $method . ": ";
  $ret_info .= $seqno;

  $log = &Log::singleton("file", LOGFILE, $ret_info, array(), LVL_DBG);
  $log->log($msg, $level);
  $log->close();
}

などと書いておき、実際にログを吐きたいところで、

traceLog(LVL_DBG, __METHOD__, 1, $variable);

などとして使用する。すると、こんな感じで出力される。

Jan 10 20:48:06 HogeClass::hogeMethod: 1 [debug] Contents of variable


ぬぅ。他に色々と便利な機能があるらしいが、とりあえず不要なのでこんな感じで使っている。
って、こんなの常識?

新年、明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

久しぶりに帰ってくると、近所の景色が変わっていて面白い。まず横浜駅の中央通路・相鉄線間の通路が変わっていた。11月に変わったらしい。むぅ、意外に身近なところから変わっていくものだな。近所でも家が増えていたり、ビルを建設中だったりした。ちょっちびっくりだね。いや、家は昨年8月の時点で建っていたのかもしれないけど、なかなか通らない場所だったので。。。

ともあれ、家の中での新年の挨拶をすまし、お雑煮を食べてから近所のお宮参り。昨年の1月は夜中に行ったけど、後悔するほど待たされたので今年はゆっくり昼間に初詣という作戦。が、しかし、人が多かった。意外だ。この辺も家が増えているから、人が増えたのかもしれん。

で、高校時代の恩師に年賀状を書き(今さらかよ、というツッコミは勘弁してください・・・)、それを出すついでにお買い物。というほどでもないものだが。

まぁ、テーピングを忘れて足も痛いことだし、今日はゆっくりしよう。明日はぶらぶらするかねぇ。