fc2ブログ

回路図エディタ

連載の合間に小ネタを展開してくれ、という要望があったのでちょっと書いてみることにする。
要望にあった回路図エディタの話。昔色々と試したが、pManがメインで使っているのは紹介する2つ。

XCircuit

pManがこの連載で提示している回路図は、XCircuitを使って書かれたもの。UNIX系なソフトだが、Macはもちろんのこと、Windows版もある。ちなみに、Macはfinkでしか提供されていない。portsな人は自分でbuildしろっちゅーことだな。

このソフトを使い出したのは大学3年の時だったろうか。レポートに貼る回路図をキレイに描きたくて使い始めたのがきっかけだ。ちょっと長いレポートだったので、TeXで書いた。使ったことがある人はよーくご存じの通り、TeXで図を貼るにはEPSが一番楽だ。なので、図がキレイでかつEPS出力ができる(むしろ他は吐けない?)このソフトを使い始めた。

20090321 XCircuit, originally uploaded by pman0214.


ちなみに、初めて使ったときの印象は「超使いにくい・・・」だ。回路図エディタというより図を書くソフトなので、結線したまま部品を移動しても線はついてきてくれない。完成した回路をキレイに描くためのソフトであるような気がする。なので、考えながら構成していくときには向かないだろう。まぁ、慣れてくると頭の中でブロックごとの回路は出来上がるのでそれほど困らないけど。

少しだけTipsを書いておこう。

1. window size
Macbookなんかだと起動時のウィンドウサイズができすぎてorzとなる。これは、xcircuitインスコdir内のresource.tcl内に記載されている。finkで入れたのであれば、/sw/lib/xcircuit-3.4などというdirがあるはずだ。versionによってdir名が変わるっぽい。で、

option add *xcircuit.width 1200
option add *xcircuit.height 910

などとなっている部分の数値を変えてやればいい。pManはMacbookなので1200と750にしている。

2. 真ん中クリックできないんだけど
Macはマウスのボタンが1個しかないのが基本だからな。右クリックと真ん中クリックは困る。
右クリックは確かCommand+クリックでいけるはずだが、真ん中は・・・。
答えはX11のPreferenceをいぢれば無問題。Inputタブの、その名もずばり「Emulate three button mouse」。すぐ下に説明があり、OptionとCommand押したままクリックすると真ん中クリックになると書いてあるではないか。
XCircuitでは線の書き終わりは真ん中クリックでするこになっているのでこれがないとタッチパッドでは仕事にならない。

3. bounding box
EPSはbounding boxという領域を設定して描画領域を指定している。XCircuitはほとんどの場合でbounding boxをうまく設定してくれるが、たまにおかしなことになったりする。また、端っこの方に字が書いてあると、そのギリギリのところに境界線が設定されてしまったりして見づらくなってしまう。
なので、pManは明示的に指定するようにしている。
方法は簡単で、まず、設定したい位置に四角形を描く。この四角形がbounding boxになる。で、真ん中クリックでその四角形を選択しておいて、メニューから、
Option > Elements > Border > Bounding Box
と選択する。ESCを押して選択を解除すると緑っぽい色の線に変わっているはずだ。これで完了。


文書内に回路図を書いたりする必要がある場合は非常にお勧めのソフトだ。EPSで貼り付けると劣化しないし、サイズも小さい。そして何より、見た目がキレイな回路図が描ける。「見た目」と書いたのは、キレイな回路図というのは線とか部品とかが「キレイ」なだけではダメだから。


EAGLE

CadSoft Computer社が出しているプリント基板エディタだ。こちらはプリント基板を自作したことがある人ならご存じかもしれない。「プリント基板エディタ」なので、基板のパターンレイアウトを編集するのがメインなのだが、当然回路図エディタも付いている。


20090321 EAGLE Schematic Editor, originally uploaded by pman0214.


回路図を書いて部品を配置し、パターンを自動生成なり手配線なりする。このソフトはfreeware版も自動配線が使えるという優れものなので使っている人は多いと思う。freeware版と商用版の違いは、設計できる基板サイズと面数の制限のみ。freeware版は表裏の2面設計しかできないが、商用になると多層基板の設計もできる。まぁ、大規模回路を趣味で作らない限りはfreeware版で十分なことが多い。
windows, mac, linuxで使えるのも嬉しい。学部時代はDebianで使っていた。一昔前までは、Mac版はX11必須だったのだが、いつの間にかX11が不要になったようだ。
もう一個だけ画面イメージを貼り付けておこう。Exposéで並べているのはご愛嬌。


20090321 EAGLE, originally uploaded by pman0214.


XCircuitと違い、こちらは考えながら回路設計していくのに向いていると言える。部品を移動する場合はwireも移動してくれるし、wire接続時は「・」が自動で付加されたりする。まぁ一般的な回路図エディタはみんなそうなのだが。
欠点は日本でよく使われる部品のライブラリが少ないこと。2SC1815なんかもない。他の部品のパッケージとシンボルを使って簡単に自作できるので、順次追加していけば問題ないのだが、最初は手間かも。


と、紹介したものの、pManは回路設計時はほとんど手書きで済ますことが多い。色々な計算をするために色々と書き込むのでパソコンだと作業しづらいという理由だ。
まぁ、使うときは、レイアウトまで考える必要がある場合はEAGLEを、論文などに載せるためにキレイな回路図が欲しい場合はXCircuitを使うようにしている。そのまま印刷したい要求がある場合はEAGLEを使う。要するに、XCircuitはEPS出力が欲しいときに使い、そのままでは印刷したりしない。


回路図エディタは様々なものがあるので、自分に合ったものと、用途に応じて使い分けるのがベストだと思う。

No title

情報ありがとうございます.
XCircuitですが,MacPortsにもあるみたいです.

xcircuit @3.4.24 (x11)
circuit-drawing program

機会があったら使ってみます.

2009.03.21 10:51 river24 #X8WUXqdA URL[EDIT]
適材適所かー

なんというか決定版はないんですねえやっぱり.
Eagleも活用してみよう..

2009.03.21 11:35 ar #- URL[EDIT]
No title

> river24さん
お。いつの間にかportsにも入ったんですね。今度Mac初期化するときはportsに移行予定だったので、すごくありがたいです。

> arさん
結論から言うとそうですね。用途によって求める物が違いますので仕方ないと言えば仕方ないです。
自分が欲しい機能だけ埋め込むのであれば、何かをベースにして開発するのもありかと思いますが、全部の機能を入れてM$社のような超使いにくいソフトを作るのもアレなので・・・。

2009.03.22 10:16 pMan #s0snXUxw URL[EDIT]

管理者にだけ表示を許可する