滑稽な展開になりそうな「鳩山」名義の文章掲載問題 22009/09/04

Ponさんという方がコメントで、今回のNYタイムズなどの「鳩山」氏名義の文章掲載問題の成り行きを示唆するであろう興味深い記事を紹介してくれた。そのまま全文を掲載する。

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鳩山論文、米通信社が省略して無許可転載か

 民主党の鳩山代表の論文が、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)に掲載され、米欧に「反米的」との評を広げた問題で、鳩山事務所と論文を配信した米通信社の間に、掲載の経緯を巡る見解の相違があることが3日、明らかになった。

 日本の月刊誌「Voice」9月号に掲載された論文は、「私の政治哲学 祖父・一郎に学んだ『友愛』という戦いの旗印」の題で、事務所が業者に発注し英語と韓国語に翻訳、鳩山代表のホームページに掲載した。

 世界の要人インタビューなどを配信する米国の通信社「グローバル・ビューポイント」は、これを大幅に省略し、「新しい日本は米主導の市場原理主義を拒絶、東アジアの統合を模索」との見出しで配信。タイムズ紙はこれをさらに削って掲載した。

 「グローバル」のネイサン・ガーデルス編集長は「Voiceを通じて鳩山事務所の許可を取った。短縮したが、文章はそのままだ」と話している。

 これに対し「Voice」編集部は、英訳版の掲載依頼は米紙ロサンゼルス・タイムズ社からのみあり、鳩山事務所が要約版掲載を了承したが、他メディアに転載されるとの認識はなかったという。鳩山事務所は論文が、海外で配信されたこと自体知らなかったという。

 鳩山代表は8月31日、ニューヨーク・タイムズ紙掲載の論文について「一部だけとらえられた」と不快感を示したが、既に多数のメディアが同紙の引用を「新政権の外交政策」として紹介、「反米」イメージが独り歩きする懸念もある。(国際部 細川紀子)
(2009年9月3日21時03分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090903-OYT1T00973.htm
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なんともスッキリしない曖昧な記事だが、何となく、鳩山さんの「寄稿したわけではない」という発言を知った時点でこの展開はある程度予想できた。なぜなら、著作権違反問題に事態は発展していくはずで、そうなると誰が「グローバル・ビューポイント」とやらにあの文章を提供したのかという問題になる。それも、鳩山さんが寄稿したわけでもないのに、なぜNYタイムズやクリスチャンサイエンスモニターは「By YUKIO HATOYAMA」として、寄稿文であるかのようにして掲載したのか。おまけに、読売の記事によれば、「英訳版の掲載依頼は米紙ロサンゼルス・タイムズ社からのみあり、鳩山事務所が要約版掲載を了承した」にもかかわらず、「グローバル・ビューポイント」自体、そのサイトで、どちらの新聞社とも違う見出しを使って「By YUKIO HATOYAMA」として鳩山さん名義で文章を未だに掲載している。

The New Japan Will Reject American-Led Market Fundamentalism and Seek East Asian Integration(新しい日本は、米国主導の市場原理主義を拒否し、東アジア統合を求める)
http://www.digitalnpq.org/articles/global/385/08-20-2009/yukio_hatoyama

ロサンゼルスタイムズと「グローバル・ビューポイント」は同じ会社なんだろうか。そんなことはないだろう。とはいえ、「グローバル・ビューポイント」の会社紹介には、興味深い内容が記されている。この会社は「読売新聞」と提携関係にある。どうりで「犯人捜し」で問題が大きくなる前に手を打とうとしている、と見えないだろうか。鳩山さんは「犯人捜し」をすべきだと思う。それが、日本から「癌」を取り除く一歩になるのではないだろうか。どの記事にも「グローバル・ビューポイント」の著作権保有が明記されている以上、記事掲載にあたっての契約書があるのではないか。「グローバル・ビューポイント」と契約したのは誰なのか。

Often referred to as "the CNN of the print media" Global Viewpoint appears before 35 million readers in 15 languages through the pages of newspapers ranging from the International Herald Tribune to Corriere della Sera to El Pais to Asharq Al Awsat, from O Estado de Sao Paulo to Die Welt to Yomiuri Shimbun, Japan's largest daily.

Global Viewpoint
http://www.digitalnpq.org/articles/global

「グローバル・ビューポイント」の主要取引先であり、一応、米国ではリベラル紙と評価されているロサンゼルスタイムと日本の親米保守の読売新聞がこのようにして「グローバル・ビューポイント」でつながるのは、なかなか興味深い。

メモ 米国金融資本の現況とオバマの正体?2009/09/04

■ これは、世界に向けた米国金融資本妥協または屈服の合図か?

G20、金融機関に報酬規制 基本合意めざす
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090902AT2C0101801092009.html
金融規制、国際協調が重要 米財務長官、G20会議で表明へ
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090903AT2M0300I03092009.html

いずれにしても、昨年末のG20金融サミットでのブッシュに対する総スカンの状況とは様変わり。

George W. Bush Shamed At G20 Summit
http://www.youtube.com/watch?v=_bekEngveLY

しかし、最後のFRBの砦は守る。米国銀行の生死は、ゴールドマン・サックスの卒業生がほぼ仕切る財務省とFRBで決められている。

■ オバマの正体?

今年の夏中には医療法案を通過させると言っていたオバマ。しかし、そうはならなかった。もし通ったとしても、「Public Option」が付かなければ、医療保険加入の義務化だけが残り、医療保険会社は大儲けの機会を得る。

滑稽な展開になりそうな「鳩山」名義の文章掲載問題 2(追記)2009/09/04

紹介した読売の記事では、「Voice編集部は、英訳版の掲載依頼は米紙ロサンゼルス・タイムズ社からのみあり」とあるが、そのロサンゼルス・タイムズで「Hatoyama」を検索すると、次の4つで選挙関連と鳩山さんの奥さんの報道だけである。

http://www.latimes.com/search/dispatcher.front?Query=Hatoyama&target=article&sortby=display_time+descending

4 results for search term(s): Hatoyama
・ September 4, 2009 |story
Japan's first lady has the vision thing -- really
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・ August 27, 2009 |story
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署名入りの記事を書いた読売国際部の細川紀子記者は、変だと思わなかったんだろうか。検索するだけで、Voice編集部の言っていること違うことがわかる。そもそも、提携関係にあるのだから、細川記者は「グローバル・ビューポイント」のネイサン・ガーデルス編集長に契約書を見せてもらえばいいのではないか。口頭だけの許可なんて考えられるだろうか。