« キャンドルナイト | トップページ | こっちの方が面白い?「党生活者」 »

2008年7月 3日 (木)

おい、地獄さ行(え)ぐんだで!

若者に読まれているという「蟹工船」を初めて読んだ。
[おい、地獄さ行(え)ぐんだで!]で始まる戦前の蟹漁の船の中のドラマだ。

純文学はあまり得意でないのだがテンションに満ちた展開となかなか描写が巧みで蟹工船の乗組員たちの生き生きとしたドラマが私に4時間で一気に読ませた。

プロレタリアート文学の代表作と学校時代に習ったが確かに芸術的な価値は高いと思う。
海外で多く翻訳されていることもこのドラマ性にあると思う。

読まないで批判する向きもあるが歴史的な本なので一生の内に一度は読んでもいい本だろう。
若くして特高警察に虐殺されたので皮肉なことに著作権切れとなっており

青空文庫
でも読めます。

文中ドストエフスキーの1860年に出たあまり有名でない『死の家の記録』 (本の中では:死人の家)」)、を蟹工船を書いた25歳の小林多喜二が読んでいことに驚いた。
当然有名な本『罪と罰』、『白痴』、『悪霊』、『未成年』、『カラマーゾフの兄弟』等はは読んでいたことだろう。

小林多喜二フォロワーになろうかと思います。

各新聞の「蟹工船」関連の記事を掲げます。

まさか若い記者達が読まないで書いているとは思いませんが・・・・・

「蟹工船」重なる現代 小林多喜二、没後75年
2008年02月14日朝日新聞

若年の貧困労働者問題にとりくむ作家雨宮処凛さんと作家高橋源一郎さんは、先月、毎日新聞の対談で、『蟹工船』は現在のフリーターと状況が似ているし、学生たちも共感するという意見で一致していた。
多喜二の母校の小樽商科大(旧・小樽高商)と千葉県我孫子市にある白樺文学館多喜二ライブラリーが共催して『蟹工船』感想エッセーを募集し大賞は、東京在住の25歳の女性の「2008年の『蟹工船』」。派遣・パートなど多様な働き方が奨励された結果、セクハラも加わって女性の友人たちが住まいを失ったり、休職に追いこまれたりしている姿を訴える。『蟹工船』の奴隷のような労働者が立ち上がれたのは共有する何かがあったからで、いまは「目に見えない誰かによって一人一人撃ち殺されている」。一人で労働組合に加入し、サービス残業代を支払わせた若者のニュースが、「ポスト蟹工船」の物語のような気がすると結んでいた。

「蟹工船」悲しき再脚光 異例の増刷、売り上げ5倍
(2008年5月2日 読売新聞

多喜二没後75年の今年は、多喜二の母校・小樽商科大学などが主催した「蟹工船」読書エッセーコンテストが開催された。準大賞を受賞した派遣社員の狗又(いぬまた)ユミカさん(34)は、「『蟹工船』で登場する労働者たちは、(中略)私の兄弟たちがここにいるではないかと錯覚するほどに親しみ深い」と、自らの立場を重ね合わせる。特別奨励賞を受けた竹中聡宏(としひろ)さん(20)は「現代の日本では、蟹工船の労働者が死んでいった数以上の人々が(中略)生活難に追い込まれている」「『蟹工船』を読め。それは、現代だ」と書いている。

プロレタリア文学:名作『蟹工船』異例の売れ行き毎日新聞 2008年5月14日 東京夕刊

 ◇高橋源一郎さん雨宮処凛さんの本紙対談きっかけに
きっかけは、今年1月9日に毎日新聞東京本社版朝刊文化面に掲載された作家の高橋源一郎さん=と雨宮処凛(かりん)さん=の対談。2人は「現代日本で多くの若者たちの置かれている状況が『蟹工船』の世界に通じている」と指摘。それを読んだ元フリーターの書店員が、ブームに火を付けた。
◇今の経済構造と類似--文芸評論家、川村湊さんの話
 『蟹工船』の労働者は、形式上、本人の意思で船に乗っている。だが、そこを脱する機会がない。これは、若者をフリーターから抜け出させない今の経済構造と似ている。輸出用の缶詰を作る労働者が搾取される構図も、今の世界資本主義のあり方を先取りして表現した。現代の若い読者には、この物語のような決起への呼びかけに対する潜在的な欲求があるのかもしれない。

【断 佐々木譲】蟹工船の次に読むもの2008.5.25 産経新聞


いまの『蟹工船』の読者は、次に何を読むのだろう。そこが問題だという気がする。かつて、わたしのまわりにいた底辺労働者たちは、小林多喜二などまったく読んでいなかった。いくらか知的好奇心のある労働者は、大藪春彦を読んでいた。わたしは最近の『蟹工船』読者たちに勧めたい。船戸与一はよいと思うぞ。(作家)

編集委員・福島敏雄 いま、なぜ「蟹工船」なのか
2008.6.28 03:13 

◆非正規雇用をアピール
 まさか非正規雇用の若者たちは『蟹工船』を読んで、共産主義に目覚め、革命を目ざそうとしているわけではないだろう。そういう意味では、小林が書いたイデオロギー的な意図はまったく「読解」されていない。
 派遣会社からはピンハネに近い搾取を受け、派遣先でも差別的な待遇を受けるなど、かれらが深刻な状況に置かれているのは事実である。大規模労組もようやく待遇改善に向けた運動に取り組みはじめ、政府も日雇い派遣を原則禁止にする方針を示すなど、法律改正に向けて動き出した。『蟹工船』ブームは、非正規の若者たちの存在をアピールしたという意味での功績だけは残した。

カナダde日本語を習い
とむ丸の夢を見ていた
きまぐれな日々
あんくる トム 工房での
反戦な家づくり
すごい生き方を学んだ。
土佐高知の雑記帳
ささやかな思考の足跡/や
dr.stoneflyの戯れ言
たけくまメモ して
観劇レビュー&旅行記
アルバイシンの丘から見た
ポラリス
ミクロネシアの小さな島・ヤップ
旅のプラズマを書き
美しい壺日記には
津久井進弁護士
村野瀬玲奈の秘書課広報室/との
関係性
大脇道場
「猫の教室」 
ごまめのブログ
たけむらブログ
とくらBlog
JUNSKYblog2008を書いた。
お玉さんとお玉おばさんでもわかる 政治のお話
左翼というのはプライドたりえるのだろうかという
愚樵空論をしていたら
「ちょっと、よってけらっせん。」と伊東勉… が来るは
ちょっと言わせてとひとみちゃんが来るわ
法大OB
嶋ともうみ/が来るわで
わんばらんすになった
低気温のエクスタシー状態の
大津留公彦のブログ2です。

参考になりましたらこちらをクリックお願いいたします。
人気ブログランキングへ
良ければこちらもお願い致します
FC2ブログランキング






Google















« キャンドルナイト | トップページ | こっちの方が面白い?「党生活者」 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

小林多喜二」カテゴリの記事

コメント

JUNSKYさん

「!」ありがとうございます。
私はプロレタリアート文学は殆ど読んでいません。
これから読みます。

ウッソーーーッ!
大津留公彦さんが、
「蟹工船」も「党生活者」も読んでいなかったなんて・・・
私は確か三十数年前に読んだよ~
その後は読んでないけど・・・

ひとみさん
コメントありがとうございました。
ブームに乗り遅れないようにと読みましたがはまりそうです。
次は「党生活者」です。

TBありがとうございます。「蟹工船」こどもの時に読んだきりです。友人と、「もう一回読んでみらなね~」と、話しているところです。図書館で借りている友人が、催促されるそうです。「次の人が待っていますから」と。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: おい、地獄さ行(え)ぐんだで!:

» 新銀行東京854億円をどぶに捨てる・公共投資銀行になるんでしたっけ? [Like a rolling bean (new) 出来事録]
築地市場の豊洲東京ガス跡地移転問題[(弊ブログでは、「中央市場の売り飛ばし・強制地上げ・あてがわれた土地は毒まみれ事件」と呼んでみます、というかしばらくそう書きます)への異議申し立てのデモ、「壊すな築地 7.12 東京大行進」を7/12(土)に行います、という恒例... [続きを読む]

» 知りませんでした。蟹工船のマンガ版があるなんて [ひとみちゃんにも ちょっと言わせて]
今日の日刊紙に  朝立ち(県下いっせい宣伝)で冷たくなった体を温めるために、  熱いミルクティを飲みながら、一気に読んでしまいました。... [続きを読む]

» ドントラ提灯持ち [薫のハムニダ日記]
<韓国>米国産牛肉輸入反対デモが過激化…メディア襲撃も 6月28日19時3分配信 毎日新聞 何度見てもムカつく記事です(←じゃあ読むなよ)。ごくごく一部の逸脱行為を書き立てておきながら、何十万人もの人々が平和的なデモを行っていることや、何百人もの市民が警察の暴力鎮圧によって負傷したことについてはまったく触れていないのですから。 もちろん、このような暴力行為を行った人に対する支持は決してしませんが、そのような行為に至った心境は理解できます。私もこの東亜日報の社説を読んだとき、心の中の... [続きを読む]

» 竹中平蔵氏が韓国大統領の顧問に、ですって [とむ丸の夢]
 今日の驚き。 「韓国の李明博大統領が、竹中平蔵元経財相を大統領府に招き、指南役の顧問になってほしいと要請した」こと(ゲンダイネット... [続きを読む]

» コラソン de メロン〜平成枯れすすき [佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン]
公式サイト。田中誠監督。井上和香、西川貴教。そこはかとなく「昭和枯れすすき」から連想して「平成枯れすすき」という雰囲気。 [続きを読む]

» 民主党は派遣会社の味方、ハケンの敵 [BLOG BLUES]
論より証拠である。6月23日付毎日新聞の朝刊に載った、2本の記事を紹介しよう。 つね日頃、反新自由主義・護憲を唱えながら、民主党を支持し共産党をスルー しつづける、左派・市民派ブロガーのみなさん、これが、事実です。 およそ政治言論メディアに在りながら、ブログだってメディアなのだ、 事実に目を背けつづける態度は、いかがなものか。不誠実じゃないかしらん。 無責任って言っちゃおかしらん。不真面目なんだよ!いい加減目を覚まされよ。 もう腹立ったから、追い討ち掛けちゃうぞ。「世... [続きを読む]

» 「政府は・・・方針を固めた」 [ペガサス・ブログ版]
「政府は・・・xxする方針を固めました」 昨日のNHKニュースにあったこの言葉が気になった.具体的に何のニュースだったかは思い出せないが,メディアで多様されるこの言い方に前からひっかかっていたので少し調べてみた.「方針を固めた」のフレーズで検索すると膨大な数が出てくる.(末尾) この言い回しのグロテスクで薄気味悪いところは,「方針を固めた」というような,いわば「内心」に係わることを,公的なメディアがニュース源と「一心同体」であるかのように代弁しているということだ.あたかも神の意志を神に代わって声に... [続きを読む]

» 築地市場の移転で不可解な金融取引と新銀行東京 [ろーりんぐそばっとのブログ]
築地市場の移転を巡って不可解な金融取引 東京・築地にある「東京魚市場卸協同組合」(東卸)。問題の取引は05年3月に行われた。東卸が抱える9億7500万円の債務を、債権者の農林中金が投資ファンド(東京チャレンジファンド)に売却し、さ... [続きを読む]

» PTAの会議に出て先生たちにメディア・リテラシー教育を要望しよう [ペガサス・ブログ版]
情報流通促進計画さんの紹介記事で知った「カナダのメディア・リテラシー教育」という本を読んだ.[上杉 嘉見 (著) ,明石書店 (2008/02),6,510円] カナダのこの「先進的な」事例に大いに啓発されると同時に,考えてみれば至極あたりまえのことを,なぜ日本の教育者が,また各国の教育者がやっていないのか,ということが強く強く後悔される.自動車が増えれば「交通安全教育」が必要になるように,メディアの影響力が強まればそのプロパガンダから自己を防衛するための教育も重要になるのだ.以前に紹介したように... [続きを読む]

» 『蟹工船』ブーム が続いているようです [JUNSKYblog2008]
 小林多喜二が70年も前に書いた小説『蟹工船』ブームについて、先日のサンデープロジェクトなどでも取上げられていましたが、それからしばらくたった今も書店では平積みにされているなど、一時的ブームではなく、若者の間に定着しつつあるようです。      (この写真を撮った時も蟹工船を立ち読みする青年が・・・)  今の若者雇用の形態が派遣・パート・アルバイト・日雇いなど「非正規雇用」すなわち『使い捨て労働』になっていることが、70年前の無権利な『囚人的労働』と同様の過酷なものであり、これに立ち向かった労働... [続きを読む]

« キャンドルナイト | トップページ | こっちの方が面白い?「党生活者」 »

無料ブログはココログ

逆アクセスランキング

" href="">FC2SEO
2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

カテゴリー

アクセスカウンター