新日本歌人2020年6月号 大津留公彦10首選
新日本歌人2020年6月号 大津留公彦10首選
p2 雑踏のホームで突然声かかる誰かと思えば笑顔のわが妻 東京 河野行博
★ 忙しく動き回る夫婦の微笑ましい出会いですね。
p3 プリントし四十枚をこたつ板に打ち揃えれば堅き響きに 愛知 小平考常
★ 「『大久保巳司短歌集』を手作り」と題がある。こたつ板で優しいそして立派な歌集が出来上がりました。
p4 いい人の仮面少しずらしてみるあまりに眩し五月の空は 山口 三枝史生
★ ちょっと面白い「いい人の仮面」です。
p5 カレンダー中止の文字で埋め尽くす三月うーんと背伸びしてみる 大阪 佐野映子
★ きっと予定がびっしりだったのでしょう。「うーんと背伸びしてみる」でうまく転換されてますね。
p8 「居場所」とは何?その有無もそれぞれに問いつ問われつ人は老いゆく 大阪 高島嘉巳
★ 確かにコロナ渦でいろんな「居場所」が問われてますね。
p28 こもり居れば今日の曜日もあやふやでパソコン画面でにちようびと知る 静岡 飛田佳恵子
★ 籠もり生活では曜日も分からなくなりますね。比較的若い人の作か?
p36 気付かずに五十余年の人生を酒に縛られ生き来し吾は 静岡 松浦直巳
★ 題は「断酒」ですから松浦さんは断酒されたのですね。この思いが続くといいですね。
p43 灯油代が掛かり過ぎたかー
中旬に米を買い足す
予算が出ない。 青森 木村美映
★ これはちょっと深刻な歌が七首並んでいます。木村美映さんを救いたいです。
p56 永遠よ詩は実在の影だから詩を置き去りに時は過ぎ逝く 東京 門 梨枝
★ これは逆に非常に象徴的な「詩」です。
特選p77 涙目の友のマスクは毛羽だちぬ残り少なを洗いしと聞く 埼玉 木村久代
★ コロナ渦の歌の中ではこれが目立ちました。やっぱりリアリズムですね。
先月も先々月も書きましたがコロナウイルスでこの世は一気に塗り替えられました。
コロナ後の新しい短歌の運動も模索すべきでしょう。
大阪では非常に多くの人を会員・購読者に迎え入れています。
「新日本歌人」を守る為に努力しましょう。
先月と先々月と同じことを書きます。
比較的時間のある今こそ「新日本歌人」をよく読みましょう。そして選歌を行いましょう。
コロナ・これをいま歌わないで何を詠うだろうか。
歌人は全身全霊で今の時代に向き合わなければならないと思います。
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大阪支部の岡田です。
ズーム会議に間に合わないようですので、こに連絡しました。
決まったことをお知らせください。
投稿: 岡田信行 | 2024年3月30日 (土) 18時51分