刀語 第9話
- ジャンル:[アニメ・コミック]
- テーマ:[刀語(カタナガタリ)]
『王刀・鋸』
≪あらすじ≫
伝説の刀鍜治、四季崎記紀がその人生を賭けて鍛えた完成形変体刀十二本を求め、無刀の剣士である虚刀流七代目当主・鑢七花(やすり・しちか)と美貌の奇策士・とがめが征く、刀集めの旅。
九本目の変体刀『王刀・鋸』は剣術道場心王一鞘流の当主である汽口慚愧が代々流派に伝わるモノとして手にしていた。だが、彼女は刀を持たない流派・虚刀流とその使い手である七花を認めず、刀と防具を手にして戦うことを求める。
それに従う七花たちだが、刀を手にしないことで強さを得てきた虚刀流の七花にとって、刀を手にしたことで劇的に弱くなり、慚愧に敗北してしまう。慚愧の提案で、七花は心王一鞘流の道場で剣術を学ぶことになったのだが―――
≪感想≫
な ん だ こ の ラ ブ コ メ は w w w
凄い。本当に回を増すごとにラブコメ度が強くなっていくが、今回がピークじゃないか?(笑 あれ、とがめってあんな可愛過ぎるキャラだったっけか?と思わず首を捻って見終わった後に過去の回を少し見直してしまったよ。
実際、今回の描写は秀逸だった。この手に、二元中継的な手法は、特に動画において有効な描写法の一つだと思う。もちろん、中継先がやたら多くなりすぎると、おそらくどの媒体でも“やり過ぎ”感が強くなって失敗するのだろうが。
現に、今季のアニメーションの中では特に『伝説の勇者の伝説』で二元中継的手法が多用されている。あれは、あれで悪くないなと思えるが、二元中継としての手法の完成度だとやはり『刀語』の方が上だと思えた。
もちろん描かれているテーマやプロットが全く違うので一概に断言出来ることではないが、アニメーションにおける二元中継の最大の醍醐味は、相手の手の内を読み合う戦略戦か、あるいは中継場面によって180度逆転される物語としてのギャップだろう。今回は、こと後者において強く描かれていたと思う(伝勇伝はシリアス一辺倒で描かれがち(序盤は違うが)で、戦略戦術戦としてもシオンSideはともかくライナSideはそんな展開ではない)。
七花ととがめのラブコメを基軸としながらも、二元中継で否定姫Sideや真庭忍軍Sideが極めてシリアスに描かれる。そうしたギャップがあるから、七花ととがめのラブコメは一層面白く微笑ましく見れるし、否定姫Sideなどは一層シリアスさ・暗躍さが伝わって来る。
ギャップというのは一つのある種完成されたキャラクターや物語の魅力を引き出す手法だが、その典型例とも言えるのだろう、きっと。七花ととがめのラブコメはここまでの8話の積み重ねがあったからこそ笑えて楽しめたものでもあるわけだし。
物語にはシナリオやプロットの整合性や理論性というものを大切にしている私だけど、そういったものを全部放り投げてしまいそうになるほど、「あぁ、これはこれで良いや」と思って最後まで楽しんで見ていた。決着もとがめの半ば(というかほとんど)反則行為による、相手へのささやき戦術と言う終わり方であり(※慚愧の思考を考えれば反則にはならないだろうと異論はあるのだが)、やっぱり剣を手にした七花の弱さと不器用さを表すような、最後の面だったわけだけど、それはそれで良いだろうと思った。
普通に考えれば、どうにかして慚愧を説得するか言葉巧みに騙して七花が虚刀流として戦える場面を作り上げるシナリオが一般的だろうが、とがめの“奇策士”という設定も相まって、あの展開はそれはそれで納得出来る展開だったと思う。
ここ数話、最後は必ずと言っていいほどカッコいい七花で戦いに決着が着いていたわけだから、たまにはとがめにも見せ場があって良いと思うし、確かにとがめが戦いにおいて最後まで見せ場を作るのだとすれば智略戦・戦略戦術戦になるのは道理だと思う。
本当はもっと語るべきことがあったような気もするけどね(笑 活人剣と殺人剣とか、炎刀ってオートマチックとリボルバーの銃じゃんとか、ゲストキャラだった慚愧についてとか、真庭鴛鴦の忍術とか。
別にそれがどうでも良いわけではない。でも、そうしたものはあくまで物語の肉付けに過ぎず、物語の骨格はあくまで七花ととがめの刀集め、ということなのだろう。
こうして記事を書いていて、真っ先に思いついた話題がソレだったことを思い返しながら、作品として軸がブレていない、良い作品だなぁ、と(今更ながら)改めて思った。
※とがめの取った戦術ってやっぱ反則なのかね?
一応本文で書いてしまったので。ぶっちゃけ、あんまり考察する必要性を感じてないが(笑
まぁ、普通に考えれば反則なのかもなぁ、と思いつつも、それはちょっと違うのかもとも思ったり。結局五分五分な気がする。
とがめの奇策が個人的に反則にギリギリ触れないのではないか、と思える要因は、心理戦の是とするか否とするかによる個人的な持論の違いによる気がするからだ。
しかも、その心理戦はとがめが慚愧一人に行ったモノではない。確かにとがめは慚愧一人をピンポイントに狙ったモノであることに違いはないが、とがめが両者の中央で審判役をしていたわけだから、慚愧に聞こえていたのなら、七花にも当然聞こえていたはずなのだ。
剣士同士の一騎打ちにおいて、部外者の声や音が一切入ってはいけない、というのであればとがめの行為そのものが反則なのだろう。
でも、それは普通に考えて無理なのである。自然界において全くの無音状態というものがそもそもにおいて極めて稀な状況下でなければ生み出されるものではないと思うから。
七花にもとがめの声が聞こえていたのであれば、同じ環境において勝負をしたわけだからそこに不正はない。要はその発言を理解してしまうか否か、その発言の先に思考が飛んでしまうか否かなのだ。
七花は将棋に対する理解力がないから、とがめの言葉を理解出来なかった。逆に慚愧には理解出来てしまった。勝負の差はこの差だったのだろう。
例えるならば、異国の言語。何かの勝負や立ち会いの際、外部から異国の言語が聞こえてきても、その言語についての知識や理解力がなければ、それは周囲の騒音と大した差はない。でも、その言葉が理解出来てしまうと、そうもいかない。おまけに、理解出来てしまう内容が自分に関係していたり興味の持っていたりしたものであるならば、なおのことなのだ。
もちろん、とがめは慚愧ならば思考が将棋にも飛んで集中力を欠くことを想定しての行動だったわけだが、それならば慚愧の集中力がとがめのささやき戦術を上回っていれば何の問題も無かったわけで。
そうした意味で、たぶん慚愧はその戦術を用いられて負けたとしても口にしなかったように思えてならない。あそこまで自分を律していた人間ならば、「目の前の敵に集中し切れなかった自分の未熟さが全て」と言い訳をしないと思うからである。
それをどう捉えるかはやっぱり人それぞれだろうが、その潔さは劇中で七花が感服したように、見ている視聴者の私たちも、幾ら二次元のアニメの中とはいえ、こうした潔いキャラクターが稀少な時代なだけに感服出来たのではないだろうか、と思えた。
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