「光州」に寄せて
昨日は、1980年韓国光州で、軍事独裁政権に対して民主化を求める民衆抗争が起きた日からちょうど33年目の日であった。
民衆抗争は、中国で言えば、天安門事件に匹敵する弾圧事件に発展した。
光州事件と呼ばれる。
この事件は、大学時代の僕に強い印象を与えた事件だった。
光州とは、仕事柄、深い縁がある。
今日は、光州事件に寄せて、光州市民に送った詩らしき文章を紹介しておこう。
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おお光州よ
その名は私たちにとって
特別な響きを持っている。
おお光州よ
お前は何物も持たない
ただ人間の心を除いては。
そして
人間を包囲し
押しつぶそうとする巨大な力に
立ち向かった。
おお光州よ
お前は立ち上がり
軍靴に踏みにじられ
銃剣と砲弾に貫かれ
そして
戦車に踏みしかれ
お前は斃(たお)れた。
おお光州よ
しかし、お前はあきらめなかった。
お前は屈服したかのように見せながら
服従と屈辱にまみれた長い時間を耐え
待ち続けた。
なぜなら
お前は人間の真実と真理を知っているからだ。
そして
お前はよみがえる。
人間の歴史の
必然の力に押し戻されて。
おお光州よ
今、私たちは三菱重工本社の前に
無言で立ち続ける。
激しい日照りと雨と風にさらされながら
歯を食いしばって立ち続ける。
国家という名の
巨大な力に翻弄された、
ハルモニたちと苦難をともにするために。
私たちの
人間に対する信念を回復するために、
人間の尊厳に対する私たちの信念を確かめるために。
ただ黙って三菱重工の前に立ち続ける。
おお光州よ
今、お前が私たちに勇気を与える、
今、お前が私たちに信念と覚悟を与える、
そして希望を与える。
海を越えてお前の真理が私たちを揺さぶるのだ。
人間の、
人間としての誇りと、
人間としての尊厳が回復され、
人間としての社会が築かれるために、
歩み続ける勇気と信念と覚悟において、
お前の前に
国も民族も権力も無力だ。
そうして
お前は全ての
屈従し虐げられた者たちの心に灯りを灯し続ける。
おお光州よ
お前の名は
特別な響きを持っている。
人間の希望と、勇気と、信念と、覚悟において、
お前の名は
無限の響き合いを呼び寄せる。
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