新型コロナより怖いオリンピック病 感染拡大防止とは検査しないこと 底抜けの国家統計
厚労省のサイトに「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」と題する日報が掲載されている。
2月12日版から、それまでの感染者数等の結果だけではなくPCR検査数も掲載されるようになっている。
以下、現在、確認できる2月12日版から2月21日版までのスクリーンショットを並べる。
ブログサイトの関係で甚だ読みにくいので、各日におけるPCR検査数の推移を以下に列記する。
わかりやすいように政府に倣って、『国内事例』に関するPCR検査件数のみを挙げておく。
2月10日 174人
2月12日 190人
2月13日 200人
2月14日 214人
2月17日 487人
2月18日 523人
2月19日 532人
2月20日 603人
2月21日 693人
それぞれの人数の基準時は各日12時現在の数字のようである。
この数字は、各日の検査人数ではない。累計の数字である。
各日別の検査数は差し引き、以下のとおりである。
2月12日 16人
2月13日 10人
2月14日 14人
2月17日 273人(15日~17日の3日間)
2月18日 36人
2月19日 9人
2月20日 71人
2月21日 90人
中国が何万という感染を検査で発見できているのに(検査件数は何十万から百万のオーダーに及ぶだろう)、日本は10日間かけてやっと500人というのは、如何に何でも恥ずかしくないのか。
クルーズ船の乗員乗客の一斉検査を早急に行うことができない理由として、わが国の新型コロナウイルスの検査能力は1日1000件程度で、国内感染にも備えて余裕を残す必要があるなどと説明されていた記憶がある。
いや、そんなことはない、民間の検査会社を利用すれば、1日に万の単位の検査を行うことができると正しい情報を伝え続けているのは、見たところ、テレビ朝日のモーニングショーだけだ。
あらゆる対策の基礎をなす問題であるのに、これに追随する報道機関がない(らしい)ことは、恐るべきことだろう。
そのモーニングショーすら、どんなに多くても検査数は1日100件に満たない、ひどい日は10件前後の検査しか実施されていないというのは盲点だったのではないだろうか。
2月18日には、1日の検査件数を3800人の体制にするという厚労省の発表があった。
人口が日本の半分に満たない韓国が1万件を目指そうという時期に、いかにもみずぼらしい目標であったが、それすら口先だけの嘘八百だった。
特殊世界にさまよい込んだ現在の日本では、統計は政策決定の基礎ではなく、政策に合わせて作り出すものになっていることくらいはわかっていたが、しかしね、ここまで疑わなきゃいかんかね。
発生の早期とする専門家会議の報告を受けて、厚労相は、2月16日、「(重要なのは)重症化や死亡する事例を出さないことだ」としたが、検査しなければ、ただの肺炎であり、新型肺炎の重症者も死亡者も出なかったことになる。
せめても検査件数を公表することにした官僚に良心があるんだろう。
サイトを見れば、一目瞭然の事実に口をぬぐうマスコミ(モーニングショーは盲点を突かれたと思うが)も、これは何と評したらよいのか、言葉がない。
オリンピック開催に都合が悪いことは、隠蔽する、真夏の東京が「温暖」であってみれば、「検査しないことによって、重症化と死亡者を出さない」というのは、政権にとっては、非常に真っ当な思考パターン、危機管理、ダメージコントロールなのだろう。
全てが協賛企業となったメディアも、知っていて、『新型コロナウイルスを流行させない』とする方針を堅持し、感染者に関する政府発表だけを垂れ流す。
オリンピック誘致は、民主党政権時代に決まった。
オリンピックがここまで国を破壊すれば、ただ一人反対した山本太郎があまりにも圧倒的に正しいことがいよいよ歴然としてきた。
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