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けやきのき

あれもこれも楽しみたい、理系大学院生の個人的で気ままな覚え書き。

カロリー計算のようなもの? 

勝間和代さんの最新刊
勝間式「利益の方程式」-商売は粉もの屋に学べ!

読了しました。

利益=(顧客当たり単価-顧客当たり獲得コスト-顧客当たり原価)×顧客数

という方程式を用いて、
一つ一つの要素を最適な値にするにはどうしたら良いのか?
ということを大変具体的にわかりやすく説明しています。

この本は、おもいっきりビジネスパーソン向けに書いてあるので、
私自身にとっては(適用できることもたくさんあるのですが)、
へぇ。とか、なるほどー。という感想を持ちながら面白く読める本で、
今すぐその方程式をつかって利益を上げよう!
というものではありません。

でもいくつか、印象的なメッセージがあったのでまとておきます。

1.健全な利益がワークライフバランスを整える
2.利益の計算は慣れればカロリー計算のようなもの
3.愚直に仮説→実行→検証を繰り返すこと
4.儲けとは顧客の感謝の表れである

1.労働にも資本にもコストがかかっていて、
適切な利益があげられない仕事というのは、長時間労働の源となり、
私たちの生活にも、地球環境にも負荷を与えているということ。
社会も個人もバランスよく幸せであるためには、きちんと利益を上げることが大切。
日本人の労働生産性の悪さなども挙げられていました。
確かに、納得です。

2.実は私は理系でありながら数字に弱くて、
簡単な四則計算にも苦手意識があります。
でも、カロリー計算はできます!
料理や栄養に関することが好きで、
子供のころから本もたくさん読んで(生物の本より多いかも…)
すっかり体になじんでいるのですよね。
きっと多くの人にとって、利益の計算、
というと難しい気がするのですが、
生活になじんだこと、当たり前のことにしてしまえば、
できるようになるのかも、と思わせられました。

3.これこそ、“営業はサイエンス”たる所以でしょうか。
この本はどちらかというとマーケティングに重点を置いているのですが、
いずれにも共通のように思います。
問題を解決するためには、より良い方策を見つけるためには、
仮説→実行→検証しかない、とのこと。
非常に親近感を覚えます。

4.商業取引は、金銭を通じた顧客とのコミュニケーション、
とも書いてありました。
あまり考えたことのなかったことです。
企業は確かに利益を追求する。でも、利益を上げるためには、
顧客の求めているものを探し出し、それを作り出して提供することによって、
顧客を幸せにしなければいけない。
儲けることははしたないこと、
ずるいこと、と感じている日本人はまだまだ多い。
でも、そうじゃないんだよ、と。
大切な視点だと思いました。


最後の4.に関連しますが、
今私がいるところ、大学や自然科学の基礎研究の分野は、
営利企業は汚い、お金のことを言うのは良くないという風潮が特に強いように思います。
確かに金銭や、顧客の感謝では測れない分野なの“かも”しれない、という側面はあります。

でも、その価値観に閉じこもるのではなく、
こうした本を読んで、いわゆる営利を追求している人たちがどんな事を考えているのか、
どんな思想をもって動いているのかということを知ってみると、
世界が広がるような気がします。







[ 2008/04/28 11:24 ] 本の感想 | TB(0) | CM(0)

営業はサイエンスだ! 

・・・という中吊り広告につられて、
週刊ダイヤモンド 2008 4/26号
を買ってしまいました。

「営業力実践トレーニング」特集です。

タイトルの営業はサイエンスだ!は大前研一さんの言葉。
さもありなん、という感じですが。

統計、確率を使うなど工夫すること。
データを収集し、法則性を見出すこと。
仮説と検証を繰り返すこと。

勝間和代さんの本も読みましたが(こちらも別に感想を書きます)、
確かにビジネスの世界でも、思考の仕方や、問題に対して向き合う方法は
サイエンスととても近いように思います。
少し前まで思ってもみないことで、ちょっとした発見でした。

さて、それに加えて、滅多に買わないビジネス雑誌を買って、
一冊まるまる“営業特集”で、圧倒されました。
世の中のビジネスパーソンは、こうした本を読んだり、
現場で鍛えられてスキルを磨いていくのだなぁ、と。


専門分野や仕事の内容は全然違っても、
皆それぞれの道で頑張っているのですよね。


[ 2008/04/27 05:30 ] 本の感想 | TB(0) | CM(0)

どこで時間をとるか? 

ここ1,2週間、なんだか忙しい気がしていて、更新が滞っていました。

実際、やるべきことが目白押しだったのは確かなのですが、
朝家を出て、夕方子供たちを迎えに行って帰宅するまでの時間はさほど変わっていないのです。

では、どうして書けなかったのか?

振り返るに、私はこれまで結構隙間時間を利用して、
ブログに書くことを考えたり、ちょこちょこまとめたりしていたわけです。

でも、ここしばらく、その隙間時間が埋まっていたのですね。
↑やるべきことの中には、“考えるべきこと”がたくさんあったので、
ちょっと時間があるとあれやこれや考えていました。

でも、それではいけないと思うわけです。

いろんな事をバランスよくやって生産性を上げるためには、
“忙しい”を言い訳にしないで、改善策を考えたいところです。


というわけで。
隙間時間も、分類してみましょう。

1.移動時間
2.微妙な待ち時間
3.単純作業の時間


比較的まとまった時間がとれるのは1.です。
朝、余裕をもって家を出て、各駅停車に乗れば座れるはずなので、
そこで書く…というのはどうでしょう。


でも、もっと思い切った策としては、
体力をつける
というのがあります。

特にここ最近、家に帰ると途端にバタン、でした。
子供が寝てから一時間活動できれば全然違うのですよね…


ブログは、それ以外の日々の活動に比べて
どうしてもプライオリティーが低くなってしまうのですが、
上手く続けられる仕組みをつくっていきたいものです。


職住近接にすべきか? 

今住んでいるところからラボまでは、1時間強かかります。
朝は特に電車が遅れることが多いので1時間半くらいでしょうか。

実は夫の勤め先と私のラボは、この4月からすぐ近くになりました。
なので、近場に引っ越す、という手も考えたのです。

しかし、問題点が二つ。
・家賃
・保育園&育児サポート
です。

現在は都心からすぐではありますが、やや郊外。
ラボ&夫勤め先は都心です。
どう考えても、家賃は跳ね上がります。

保育園も、どこに引っ越しても年度途中はまず入れませんし、
4月入園めがけて12月に引っ越してしまう、というのも厳しい。
(12月から3月はいったいどこに預ける??)
また、4月入園であっても、0歳児クラス以外はそうそう
空きがあるわけではありません。

加えて、今住んでいるところは様々な保育行政が整っている、
というか、ここに越してきて2年半の間に努力して自分たちの周りの環境を整えた、
というのも結構大きいのです。

また新しいところで一から、いろんな事が“まわる”ように整えるのは
結構な労力がかかります。
にもかかわらず、引っ越した先に住むのはおそらく3年程度。

しかも、今住んでいるところは交通の便もよくどんどん便利になっていっているので、
費用対効果を考えると、結局いまのところ、引っ越しは具体化していません。


でも、日常生活にかかる時間&体力的コストを考えると、
ことあるごとに引っ越したいな…とも思ってしまうのですよね。
うーん、悩ましいところです。


[ 2008/04/21 05:30 ] ワーキングマザー | TB(0) | CM(0)

朝型研究室。 

私が今いる研究室は、メンバーのほぼすべてが朝型です。

指導教員の先生が一番早くて、
朝7時くらいにはいらしている様子。
ポスドクの方が8時くらい、卒研生が8時過ぎくらい、
私は8時から9時の間くらい、
週に2回いらっしゃる事務補助の方が9時半くらいです。

夕方は17時くらいから帰り始め、
何もなければ19時過ぎにはだいたい皆帰っています。

子供がいる人&アメリカ生活経験者が多いせいかもしれません。
子供の生活や保育園の時間に合わせると必然的に朝型になりますし、
アメリカでは、朝早く来て夕方早く帰る方が多かったそうです。

一方、大学の多くの研究室は夜型のところが圧倒的です。
午前中は人がまばらで、お昼過ぎにだいたいでそろって、深夜から朝まで…
というスタイルのところも珍しくありません。

それでも、よくよく見ると、家族がいる方は、
それなりに常識的な時間に出てきて帰っている様子。
一人で気ままな生活スタイルの学生が、
やはり夜型に偏りがちなのかもしれません。

大学ってよく考えると、学生から教員まで、
いろいろな生活スタイルの人が共存しているのですよね。
一つのスタイルを押し付けるのではなく、
それぞれがそれぞれの生活やスタイルを尊重できると、
個人にとっても全体にとっても働きやすい場になるのだと思います。


企業ではどうなのでしょう?
少し前まで、会社勤めの人は皆、
専業主婦の奥さんがいて平日は子供の顔を見なくても良いお父さん、
というスタイルが基本だったのでしょうか?
多様性という考えを取り入れ出したのが、フレックス制や裁量労働制なのでしょうか?


私は保育園の迎えに間に合うためには、
普段は夕方19時前にはラボを出ます。
できれば朝はもう1~2時間早く出たいところです。

子供が寝ている間に家を出ればもう少し早くラボに着けるのですが、
朝ごはんをちゃんと食べさせたいとか、下の子に授乳したいと思うと、
早くて家を出られるのが7時。
私自身、実は朝はあんまり強くないのですが、
家族全員がもう1時間早起きするのは難しいかなぁ…







[ 2008/04/20 18:04 ] 研究と子育て | TB(0) | CM(2)

理研一般公開。 

理化学研究所の一般公開があります。
ギリギリのお知らせで申し訳ないのですが、明日です!
http://www.riken.go.jp/r-world/event/2008/open/wako/index.html

子供から大人まで楽しめる企画がたくさんありますし、
普段なかなか自分とは違う分野の研究を覗く機会がない研究者の方にもお勧めです。
[ 2008/04/18 11:24 ] 研究・大学院 | TB(0) | CM(0)

長期履修制度。 

私の通う大学院では、昨年度から、
長期履修制度というものが実施されています。

これは、大学院の履修を
修士課程ならば3年間、
博士課程ならば4年間、
と、最短修業年限より1年長く、
あらかじめ設定しておきます。
(場合によってはもっと長くできたりもするのかもしれません)

学費も、
2年間分を3年で、
3年間分を4年で払うように分割されるので、
1年延ばした分余分にかかるわけではありません。

適応されるのは、
出産・育児、もしくは介護のため、
履修に余分に時間が必要と考えられる学生です。

休学ではないので、いつでも実験したり講義を受けて単位を集めることができます。
本当に、履修期間が長くなるだけで、他は特に不都合はないようです。

私の周りでは、元いた研究室の博士課程の学生が1人、
D1で出産したので、この制度を利用しています。

私は全然利用するつもりはなかったのですが、
指導教員の先生から、
「ドクターは3年で取れないこともあるわけだから、とりあえず出しといたら?」
と勧められ、
「それなら皆が出すんじゃないですか?」
と訊ねたところ、
「いや、資格がないと出せないから。あなたは未就学児が2人いるから出せると思うよ」
「なるほど~」


というわけで、
無事研究が進めば3年で修了できることも確認した上で申請しました。
まだ動き出したばかりの制度なので、
状況に応じて運用していく様子です。


最近は大学において、
学生の様々な事情や生活を考慮したり応援してくれる
制度・施設が増えてきて、とても心強く思っています。

まぁ、できれば3年で出たいとところですが…







[ 2008/04/16 17:33 ] 研究・大学院 | TB(0) | CM(0)

女性が自由になると子供が産まれる? 

 パリの女は産んでいる
 <恋愛大国フランス>に子供が増えた理由
 中島さおり

ようやく読みました。
第54回日本エッセイスト・クラブ賞受賞作で、前々から読みたいと思っていた本です。

もっと軽い感じの本かと思っていましたら、
基本的には個人的な事柄を中心にしつつも、きちんとデータを示した落ち着いた色調の本でした。
また、非常に聡明な著者の姿勢にも好感を持てました。


フランス・パリでは女性は避妊・妊娠・中絶・出産・子育て、
様々な面において、“自由意思”を尊重される方向に社会が動いてきました。
女性が社会で生きる人として尊重され、自由にのびのびと過ごせるようになったことにより、
“産む”ことを主体的に選び取ることが可能となり、
その結果、フランスの出生率が上がった、ということを本書では述べています。

まぁ、女性を“産む機械”などと言ってしまっては、
出生率は上がらないだろうということですね。

そうしたウーマンリブが盛んになったことにより、
80年代初頭から最近に至るまで、
フランスではむしろ“母性が否定される”時代があったそうです。
母乳育児なんてもってのほか、子供を持って仕事をしていない女性は軽蔑される、
などといった、少々極端に走った時代です。

でも、そうした時代に、出生率が上がってきているのです。

最近はそんなフランスを含め、世界的に母性の復権が叫ばれていているそうです。
しかしながら、日本ではおそらく、どんなに女性が解放され、自由になったとしても、
そうそう“母性が否定される”なんてことにはならないでしょう。

そういう意味では、日本の政治家は、
家庭で母親が子供を育てられるような支援をと強調する前に、
フランスを見習って、女性をもっともっと自由にしても良いと思います。

少子化を考える人には一読の価値ありだと思いました。

著者自身もこの本を書くにあたって、日本人(女性)がもっと視野を広げて、
気楽に自由に生きることにより、子供を持つ人生を選びとれるようになったら、
との願いを込めています。

しかし、それはそれとして、著者の公平性が私は大変好ましく思いました。
印象深い文章があとがきにありました。

『この本を送りだすにあたって、気になっているのは、最近、日本では「仕事も子供も」というスローガンが急浮上し、「産まない女性」が、「キャリアだけではだめ。子供も持って女は一人前」と追い詰められはじめているらしいことだ。(中略)私の書いた本は、今、私の手を離れていくが、子供を持たない女性をいじめたり、「母性」を尊重するというポーズをとりながら、女という性の不自由さの中に女性を閉じ込めるような傾向の片棒を担いだりしないでほしいと思っている。(あとがきより)』


[ 2008/04/13 05:30 ] 本の感想 | TB(0) | CM(4)

理系に進んだ女子学生としては。 

女子学生を理系に誘ってよいものか? という記事を見つけました。
現在、理系に進んだ女性の進路は必ずしもバラ色とは言えない、むしろ厳しい側面が多いのに、むやみに女子学生に理系進学を勧めるような活動をしてよいのだろうか?といった主旨です。

重要な指摘だと思います。

文系に進学したとしても、
女性がキャリアを積んでいく過程には様々な問題があるとは思いますが、
ここでの話とはまた別なので置いておきます。

現在科学コミュニケーション活動や
高校生・女子高生への理系進学を勧める活動をしている人々は、
いわゆる理系の学問全体や、理系進学者の前途が厳しい、
ということを、身をもって感じています。
その実感があるからこそ、
状況を改善するためにもそうした活動をしているのだと思います。

しかしながら、厳しい現実を知りながら、
理系の楽しい面、良い面だけを伝えて誘って良いものか?

難しい問題ですが、私自身は良いと考えています。

なぜなら、特に女性が理系に進学することについては、
ネガティヴな情報や価値観が主流です。
そして、理系の楽しい面、良い面を伝えられる人々が限られているからです。
ネガティヴな情報が先行する中で、魅力を伝えようとする人々は、
(自身はネガティヴな側面を理解した上で)
ポジティブな情報を発信していけば良いのではないかと考えています。
#書いていて気がつきましたが、少子化・子育て問題にも通じますね。


そして、情報の受け手である中高生・女子学生には、
できるだけ多岐にわたる情報、異なる立場から発せられる情報を自ら集め、
取捨選択していける能力・主体性を身につけてほしい。

私は学校教育でも、こうした情報収集・選別能力を身につけるためのカリキュラムは
必要だと考えていますが、
現在の日本の状況では、親が関与しなければならない部分も大きいと思います。


うーん、ちょっと話が拡散しましたが…

私は理系に進学した者としては、理系分野の学問や理系に進学することの
魅力を伝える活動を行っていくと思います。
#でも、だからおいでよ、とまでは言わないと思います。
#ここにはこんなに楽しいことがある、
#でも、道を選ぶのはあなた自身というスタンスを取りたいです。
#“誘う”とまではいかないのかもしれませんが、実質は微妙なところです。

それと同時に、子供たちの親としては、
情報が偏らないように心がけたいとも考えています。
進学問題に限らず、彼らが情報収集・選別を主体的に行えるような
能力を身につける手助けをしたい。



矛盾しているようですが、立場の問題になるのでしょうか。
自分が置かれた状況、立場でできることを考えると、現在はこのような考えを持っています。





[ 2008/04/12 17:59 ] サイエンスと社会 | TB(0) | CM(0)

けやきが芽吹いてきました。 

タイトルの“けやきのき”は、とりあえず適当につけてしまったのですが
(本当はもっと内容を表すタイトルをつけるべきでしたね…)、それなりに気に入っています。

私は欅の木がとても好きです。
たまたま、子供時代に過ごした町にたくさんあったということが大きいのですが、
すっくと立って枝をきれいに伸ばしている姿。
四季折々に姿を変えながら成長していく様子が好きです。

春、今の季節は柔らかな黄緑色の若葉。
夏は深緑の力強い葉をめいっぱい広げています。
秋は全身茶色くなり、大量の落葉。
冬にはまた裸になって、まっすぐな枝を見せています。

この、季節とともに変わっていく、というところが何より好きです。
四季のある日本に生まれたことを幸せに思っていますが、
季節の移ろいを顕著に教えてくれるものの一つが、
私にとっては欅の木です。

HNのすいきょ/suikyoも、ほんとは翠欅と書きます。
高校の書道の時間につけた雅号なのですが、
ちょっと読みづらいので表記には迷いつつ…

欅の木のように、季節を感じながら、のびのびと成長していきたいなぁ、と思っています。


ほよよん倶楽部はこちらです! 

テレビを見て来て下さった、という方がいらしたので、
どうやってここにたどり着いたのかな?と思ってアクセスを解析しました。

すると、「ほよよん倶楽部」で検索してくださった方がたくさんいます。
そして、Googleでほよよん倶楽部を検索すると、なぜか私のブログがトップに出てしまう。

これはいけない!ということで、ここで再びご紹介。
ほよよん倶楽部はこちらです!
http://hoyoyonclub.blogspot.com/

どうぞ皆様、お間違えなく。

[ 2008/04/09 19:32 ] 研究と子育て | TB(0) | CM(2)

少しテレビに出ます。 

4月9日(水)、FNNスーパーニュースの特集コーナーに出ています。
18時15分頃からです。

子育て中の学生を取り上げたい、という企画で、
3年半くらい前にも似たような話はあったのですが、
その時はあっさり断りました。

でもその後、いろいろな出会いや経験があり、
このブログでも少し書きましたが、きちんと責任を持って発信していくことの
重要さを感じていたということもありました。

初めはかなり及び腰だったのですが、
研究を志す学生や、子育てしつつ学業・仕事を続けたいと思っている方々に、
ちょっとでもポジティヴなメッセージを伝えられたら、と思ってお話を受けることにしました。

普段出会うことのない方々に出会い、普段できない経験をして、
とても勉強になりました。

出来上がりがどうなったのか自分も知らないので、お勧めもできないのですが、
もしも目にした方がいらっしゃいましたら、感想を聞かせて頂けると幸いです。

[ 2008/04/07 21:56 ] メディアなど | TB(0) | CM(6)

サラリーマン夫。 

夫が大学の外に出て働き始めました。

一応サラリーマンなのですが、
建築学科を修了して個人事務所に就職したので、
大きな会社に就職した友人や弟たちとはちょっと様子が違うかもしれません。

この一週間は毎日ほぼ終電。
なかなか忙しそうで、週末ぐったりしています。
(いちおう今週末は休めたようです)

就職して一年過ぎた、友人のパートナーも、
終電にも間に合わなくてタクシー帰り、ということも良くある様子。
彼女曰く、「死ぬんじゃないかと思ったけどなんとかまだ死なずにやってる」
そうです。

そうした働き方はなんだかおかしいような気がしています。
ひとくくりに論じてしまうのは危険だと思いますが、
でもきっと、サラリーマン社会(男性社会とも言いかえられそうです)は
そんな風に成り立ってきたのかもしれません。


ただ、夫の場合、落ち着いて様子が分かってきたら、
週に1回早く帰る日を決めたり、私が学会でいない時など、
あらかじめわかっていれば都合をつけたりもできそう…とのこと。

あんまり期待しないで、様子を見ようと思っています。




[ 2008/04/06 15:36 ] 身近な人々 | TB(0) | CM(3)

実験が長引く時は… 

カテゴリーが「研究と子育て」なのか「ワーキングマザー」なのか迷いましたが、
私の場合はタイトルのように、特に、予定外に実験が長引いて保育園に迎えにいけない時の話なので、前者にしておきます。

保育園の迎えに間に合わないとき。
我が家ではファミリーサポートセンターを主に利用しています。

だいたいどこの自治体にもセンターはあると思いますが、
会員さんの人数などの問題で、活発なところとそうでないところがあるようです。
私の住んでいるところは十分機能している方だと思います。

この制度は、地域で子育ての手助けをしてほしい人(依頼会員)と
手助けをしたい人(協力会員)がそれぞれセンターに登録しておきます。
その中で条件の合う方同士をコーディネーターの方が引き合わせてくださって、
子供の様子やお願いしたいことなど事前に打ち合わせをしておきます。
たとえば我が家の場合、保育園への迎えとその後の預かりです。

そして実際に必要になった場合、
直接事前打ち合わせ済みの協力会員さんに電話して依頼し、
その旨センターに報告して、実際に活動して頂きます。
(センターに報告するのは何かあった時に保険が適用されるため)
費用はかなり安く、プロのシッターさんの半額から3分の1くらいだと思います。
定期的な利用もできます。

一番の難点はボランティアベースなので、急な依頼の時にはご都合が合わないことも多いこと。
うちではその対処のため、6人の方と事前打ち合わせをしてあります。
最初は1人だったのですが、忙しくなったり、第二子が生まれたりしているうちに徐々に増えて、
当日お願いしたい!という場合でも、これまでのところなんとかなっています。

ただ、今年はファミサポだけでは追いつかないかなぁ、と思ったので、
プロのシッター会社にも登録しました。



私の場合は自分の実験なので、本当はその日1日とか、
長くて1週間分の作業を徒労に終わらせる覚悟があるのなら、
途中で切り上げて迎えに走ることも可能なのです。
でも、企業に勤めていたり、責任ある立場でお仕事されている方は
放り出して帰るわけにもいきませんよね。

それを思うと、やはり基本的には最善の準備をしたうえで、
仕事(実験)に向かいたいと考えています。

…やはり、カテゴリーは「ワークングマザー」でしたでしょうか。







[ 2008/04/04 23:56 ] 研究と子育て | TB(0) | CM(0)

博士課程に進学するということ。 

博士課程に進学しました。

博士課程というと、一般には「研究者になる人がいくところ」と考えられているかもしれません。
(私の親などは博士課程って何?くらいの認識ですが)
確かに、基本的には研究者になりたい人が進学します。

でも、現在、博士課程に進学した人、
博士の学位をとったすべての人が研究者として職を得られるわけではありません。
こうした状況で、博士課程に進学するとはどういうことなのでしょうか。

あくまで私なりの考えですが、博士課程で学ぶということは、一般に思われているように、
ひたすら細分化、専門化した知識やスキルを身につけるということだけではありません。

少なくとも理系の研究者になるためには、
事実を的確に見つめ、そこから問題を設定し、問題を解くための計画を立て、
実行に移し、その結果を考察、議論するまでのすべての能力が必要です。

また、学会での発表に代表されるプレゼンテーション能力(スライド・スピーチの作成から実際のパフォーマンスに至るまで)、論文執筆や研究費等様々な申請に必要な文章力、研究室内や他の研究室との共同研究を成功させるコミュニケーション能力などなど、多くの能力が必要とされます。
さらに、上に進むにつれ、後輩や研究室の学生を指導する能力、ラボを運営する能力なども必須となります。


あるキャリアセミナーで、研究者として成功する人は、どの分野でも成功できるとの話を聞きました。
実際には、それほど、総合力が必要とされているのです。


博士課程に進学するということは、これらすべての能力を身につけようとすること。
少なくとも向上させようとすることなのではないかと考えています。

確かに私は研究者になりたいと考えて進学しました。
でもその結果、たとえ研究者にはなれなくとも、これら能力を身につけていれば、
その先に進む道がない、ということにはならないと信じています。

現在の博士あまりの状況は、政策の誤りや企業における博士受入れ状況の悪さなど、
博士本人たちだけの問題ではなく、いくつかの要因があるのは間違いありません。

しかしながら、明確に学ぼうという意欲や自身のキャリアプランなども一切なく、
周りに流されるように博士課程に進学してしまう学生も確かにいます。
そうした学生に、全く問題がないとは言えないと、私自身は考えています。










[ 2008/04/02 05:30 ] 研究・大学院 | TB(0) | CM(2)

妊娠中に就職活動をしていた友人の話。 

高校の入試の時に出会って3年間出席番号がとなり、なんだかんだとくされ縁の友人が近所に住んでいて、日曜日のお昼にお呼ばれしてきました。

彼女は日本の大学を出て(途中1年間ドイツに留学)、アメリカの修士課程に進学し、
マスターを取得したところです。経済や政策が専門です。
大学院在学中にアメリカで知り合った日本人男性と結婚し、
日本で博士課程に進学しようと思って戻ってきていました。

ところがお子さんを授かって、色々考えた挙句、就職することにしたそうです。
今年の6月に出産予定で、つい先日、無事就職活動が終わったところのようですが、
妊娠中の就職活動について、ちょっと話してくれました。

(たぶん彼女はだいぶ控え目に言って、)
6.5割くらいの企業がこれから出産予定ということでいやな顔をした、とのことでしたが、
自分の状況を説明し、就業形態や就業開始時期など望むことも交渉し、
その上でできること、やりたいことをアピールしていった結果、いくつかの企業から内定を頂き、
最終的に第一希望の企業に決まったそうです。

私自身研究室選びの時にも思いましたが、ごまかしたって仕方無いのですよね。
子供がいる、子供が生まれる、ということはきちんと受け止めてもらったうえで、自分を必要としてくれるところを探さなくてはいけないのだと思います、

とてもタフでバイタリティあふれる彼女ですが、
厳しいことや、嫌味なこともたくさん言われたようです(あまり具体的には私に言いませんでしたが)。
でも、自分の道をきちんと自分で歩いていく彼女に拍手です。

6月に出産されて、来年の1月から仕事を始めることになるようです。
とても頼もしいワーキングマザーが誕生しそうで楽しみです。


[ 2008/04/01 00:49 ] ワーキングマザー | TB(0) | CM(0)