いつから始まったのかはっきりとは覚えていませんが、
この夏、秋くらいから、ラボのある建物のすぐ横でグラウンド修復工事が始まりました。
もともとは土のグラウンドで、確かにだいぶくたびれた感じではありました。
毎日朝に晩に通るので、見るともなしに工事の様子を見ていました。
まずは元のグラウンドをすべて掘り返して、土の山になりました。
そして地下から少しずつ整えていきました。
ひとつひとつの目的は私にはわからないのですが、おそらく補強や排水などのために、
様々なものが重ねられて行きました。
そのステップの多さ、作業の緻密さ、仕上がりの美しさに私は感嘆していました。
土がならされ層になり、アスファルトが敷き詰められ、
人工芝が載せられて、排水溝が整えられ、土の山が徐々にグラウンドとしての姿を現しました。
工程の複雑さだけではなく、そこで働く人々の様子も見ごたえがあるものでした。
朝早くから作業を始め、日が落ちる頃には引き上げます。
特に冬場は日のある時間に合わせて作業をしていたのかもしれません。
土曜日にも日曜日にも、きびきびと熱心に働く人の姿が見られました。
そして竣工日の夕方には、静かに人がいなくなりました。
ごくごくありふれた人工芝のグラウンドの地下に、
人目に触れることなく幾重にも重ねられた土台があること、
それらを作り上げた人々がいること、
なんにも不思議なことはないのですが、
そうした当たり前の一部始終目にすることができたことは幸せなことでした。
しみじみと楽しみ、しみじみと感動しました。
昨日横を通りましたら、そこには誰もいませんでした。
このグラウンドでスポーツをする人々を見ることになるのが楽しみです。