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けやきのき

あれもこれも楽しみたい、理系大学院生の個人的で気ままな覚え書き。

論文受理されました。が。 

金曜日夕方に再投稿した論文が、今朝、acceptされました。

投稿までにも、そして投稿してからも、ずいぶん時間がかかりました。
執筆中におなかにいた息子は、もう自分で歩くようになりました。
彼の誕生予定日と最初のreviseの〆切が近くて、まさに産まれる直前まで、
そして直後からも、必死で実験していたものです。

あれから一年以上も経ってしまいましたが、なんとか世に送り出せそうで、
何はともあれほっとしています。


さて。
博士課程三年目。
ここで無事学位も…ということになればめでたしだったのですが、
今年度は、私は出ません。

出たい気持ちはもちろんあったのですが、最終的に、
"まだ到達していない"という結論です。


学位に恥じない博士となれるよう、
もう一年、がんばります。


[ 2011/02/01 23:20 ] 研究・大学院 | TB(0) | CM(8)

ダーウィンもフィールドワーカーですね。 

少し前のことですが、珍しく2週続けて生物科学セミナーに参加しました。

「『種の起源』を読む」
渡辺政隆

「フィールドワークのすすめ」
樋口正信


どちらも大変興味深く参加しました。

通常このセミナーは専門分野の研究成果を発表する場合が多いのですが、
今回はどちらもちょっと趣が異なるものでした。

それぞれ「種の起源」、「フィールドワーク」をテーマに、
研究をする際の考え方、対象への向き合い方などをお話し下さったように思います。



私はこれまで基本的に、研究室内でのwetな実験、
生化学的解析を基本とした研究スタイルを学んできました。
技術だけではなくて発想の仕方も、
それに基づいたものを培ってきているように思います。

これから先も進んでいくためには、それに加えてなにを身につけていけるか、
そしてそれらの中から、私なりの視点、スタイルを確立していけるかが、
とても重要になっていくのではないかと考えています。


専門を磨きつつ、それを軸に多様な視点を学んでいく。
研究に限らず、大切なことだと考えています。

また逆に、そうした姿勢を養いつつ、世界と向き合おうとすることが、
すなわち研究をするということなのかもしれません。


[ 2010/07/06 23:27 ] 研究・大学院 | TB(0) | CM(2)

タンパク質が精製できました。 

なんというか、感無量です。

材料がそろった、ということに過ぎないと言えばそれまでなのですが。
もう半年以上悩まされて、頭も体もせっせと動かして試行錯誤してきたものです。

必要なタンパク質が十分な濃度で全てとれた時には、なんだか放心してしまいました。


とっても地道に辛かったところを越えました。

浮上します。


[ 2010/06/04 22:26 ] 研究・大学院 | TB(0) | CM(8)

出るんだ! 

今日ラボで話していて、
「出ようと思わないと出られないよ」

助教さんの言葉。
私に対して言われたものではないのですが、
まぁ、つまり、学位の話です。

基本的に3年で、というラボ、
時間がかかってもじっくり、というラボ、
色々です。

ボスがどのような考えか、というところに左右されるところは少なからずあるのですが、
やっぱり本人が出ようと思わないと出られない。

「こんなとこさっさと出ていってやる。次行くぞー!と思わなきゃ」
と。


はい。


私は出ますよ!



[ 2010/06/01 22:06 ] 研究・大学院 | TB(0) | CM(7)

「駒場進化セミナー」ファイナル! 

駒場進化セミナー THE FINAL
右利きのヘビと私と,次世代型生態学者について
細将貴(東北大・生命科学)


行ってきました。
演者はこちらの方。

前半は右利きのヘビとカタツムリの共進化について。
食べる、食べられるの関係によって、両者の形態がいかに進化してきたか。
フィールド調査、実験、数理モデルなどを組み合わせて解きほぐしていきます。

ここで言う実験は「ヘビにカタツムリを食べさせる」
というごくシンプルなものなのですが、
左右の巻きの異なるカタツムリ、殻のないナメクジ、
さらには殻を縫い付けたナメクジ(=ナメツムリ)
などを用いて、ヘビの行動を観察します。

これがとってもおもしろい!
生き物をよく見る、そしてよく考える。
その基本的な営みからわかることがとてもたくさんありました。


後半は、演者の生い立ちや研究の歴史を聴きつつ、
これからの研究者のありかた、社会との関わり方を考える場に。

演者の方はとても真摯で、そしてとても素直でしみじみと魅力的な方。
彼の考える科学とは、
「人間にとっての新しい価値を創りあげ、提示していくもの」

価値とはそこにあるものではなく、人が意味付けするもの、と。
それは本当にそうだと思います。


同時期に行われていた生態学会での演者の方のポスターについてのお話も、
セミナー後にお聞きしましたが、興味深いものでした。


今回ははじめて、進化セミナー後の懇談会に参加しよう!と後ろを空けておいたので、
その後わらわらと駒場のお好み焼屋さんに。
生態学会が行われていたということもあり、進化・生態・フィールドの方々が多く、
私の日頃の研究とは少々趣が異なる様々な方とお話できて、とても面白く有意義な時間でした。

生物学者の中でも、特に、生き物が好き!という人が多かったのかもしれません。
実験室で煮詰まっても、外を歩いて、植物や昆虫、自然にある生き物たちを眺めていると、
そこからまた元気をもらえる、そしてそれがまた研究に向かうモチベーションになる、
という話は、私自身、まさにそうだなぁ、と思いました。


大変楽しい夜でした。
演者の方、世話人のお二人、集まったたくさんの方々に感謝です。
どうもありがとうございました。


[ 2010/03/21 03:46 ] 研究・大学院 | TB(0) | CM(4)