金沢の西田家庭園「玉泉園」の紅葉/想像以上に綺麗!穴場の庭園で雨に濡れるモミジたち

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今年の紅葉はいかがでしたか?
巷では「遅い紅葉」と言われまくっていましたが、ここ金沢でも11月が終わろうとしている時期にようやく紅葉がピークを迎え、見頃は師走に食い込みました。
そんな中で迎えた週末。北陸のこの時期らしく天気は連日すこぶる悪かったのですが、それでも市内の紅葉は観ておきたい。さて雨の降る中どこに観に行こうかと考えていたところ、ふと思い浮かんだのが西田家庭園(玉泉園)でした。

玉泉園はひょっとすると県外の人にはあまり知られていないかもしれません。
金沢の中心部、兼六園・金沢城から至近距離にあって立地的にはすこぶる良いのですが、いかんせん大庭園である兼六園の影に隠れてしまって、ちょっとだけ地味な印象は拭えません。
でもでも!紅葉の時期は兼六園に負けないくらい綺麗なんですよ!
今回、初めてこの時期に玉泉園を訪ねたのですが改めてその美しさを知ることができました。

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そして、この玉泉園の紅葉はズバリ、雨の日でも似合う!
いやむしろ、雨の日のほうがいいんじゃないかと思うくらい。僕は今回の記事でこのことを声を大にして言いたいのだ。
雨に濡れてキラキラした葉っぱが、暗い空の下でもとても華やかでした。
紅葉の時期は雨が降るとガッカリしてしまいがちですが、雨の日は雨の日なりの楽しみ方もあるのだなと改めて知りましたね~。

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ってなワケで、今回は玉泉園の紅葉の様子をお伝えしたいと思います。
小さな庭園だけど、撮った写真の枚数は広い兼六園にも負けないくらいでした(^^)。
この玉泉園は金沢市の立派な「紅葉名所」と言ってもいいと思います。


2024年12月01日 石川県金沢市 西田家庭園(玉泉園)


玉泉園は日本三名園である兼六園のすぐ隣にある日本庭園です。
兼六園の影に隠れてしまいがちだけど、玉泉園の歴史は実は兼六園よりも古くて400年前にさかのぼります。当時加賀藩の上級武士だった脇田家が、代々100年かけて立派な庭園を造り、明治時代になって西田家がこれを受け継いで今に至っているようです。
ちなみにこのお庭の池を潤している水は兼六園から引いているそうですよ。大名庭園から水を分けてもらってるあたり、脇田家の家柄も相当なものだったと想像できます。
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玉泉園の一部は高台にある兼六園から見下ろせます。
この時期は紅葉した木々ですごく華やか。ってかこれ、ぶっちゃけ兼六園よりも派手じゃなかろうか!?
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こちらが玉泉園のエントランス。ここで入園料700円を支払うのですが、お庭だけでなくお菓子と抹茶も併せて嗜む場合はプラス1000円。今回はお庭鑑賞だけにしておきます。
カメラを首からぶら下げた僕の姿を見て、受付の係の方が「今が一番紅葉が綺麗ですよ」と教えてくれました。よしよし、どうやら一年で一番いい時に来られたのかもしれないゾ。「お日様が照ればもっといいんですけど」ともおっしゃっていましたが、雨に打たれたモミジもきっと綺麗なハズ。
さてさて、一番美しい時の玉泉園の紅葉ははたしてどんな感じでしょうか。いざ、入園!
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エントランスのゲートをくぐると、黄色に色づいたモミジやドウダンツツジがお出迎え。
うん、なかなかいい頃合いなんじゃないかな。
庭園は右に直角に折れた先、下の写真の右手にある木戸をくぐった先にあります。
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庭園に入るや否や、見事な紅葉!
思わず「おぉぉ~、綺麗!」と唸ってしまいました。
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天気が悪いせいで背景は少し暗めなんですが、これが手前の赤や黄色を引き立てている気がします。葉っぱは濡れてツヤツヤしてて思ったよりも明るい感じ。なるほど、雨天は雨天でこういうメリットがあるのね、と、気づかされました。
今更ですが・・・何年写真撮ってんだっけ!?(笑)
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モミジが雨に濡れてキラキラ。
少しイキイキとしたふうにも見えます。雨の日の紅葉も実にいいものです。
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玉泉園は池泉回遊式庭園、つまり中央に池を配置してその周りを歩いて愛でるタイプのお庭です。でもお座敷から眺めた時に最も美しく見えるようにも設計されています。
お座敷には入れませんが、その縁側からお庭を眺めると・・・確かに美しい。
常緑樹と落葉樹が重なり合っています。緑の木と紅葉する木、それらの配置も計算されたものなんでしょうかね。
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いや~、本当に紅葉が見事な庭園だなと。
金沢市内で紅葉名所と言えば兼六園ですが、玉泉園の紅葉のインパクトは兼六園の紅葉に勝るとも劣らないと思いました。
兼六園に比べればお庭の規模は小さいですよ、でも小さいながらもギュっと魅力が詰まっているように感じます。密度の濃さで言うなら玉泉園だって全然イケてると思うんですよ。
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兼六園や金沢城は小立野台地と言う台地上に立地しています。そのためこれら都心の公園たちは周りに比べて一段高いところにあります。
玉泉園はそんな兼六園のすぐお隣にあって、兼六園に向かって昇りの傾斜がついています。小さな庭園だけど起伏には富んでいて立体的。庭園を奥のほうへ進むと上り坂があって、坂の上からは美しい庭園が見下ろせる造りになっています。
木々と同じ目線でお庭を眺めるのもまた一興。
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一つ残念なところを挙げるなら、高台から見下ろした庭園の背景に大きな駐車場が見えてしまうところかな。
兼六駐車場、そう、兼六園や金沢城の観光客のための大きな立体駐車場でして、最近になってリニューアルしました。かつての古臭い外観が一新され、景観的にかなり頑張ってれる洗練された駐車場に生まれ変わりましたが、お庭の借景にはやっぱりちょっと似合いませんね(^^;。
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坂を登り切ったところに、さらに池と庭園があります。
こちらのお庭も見事に紅葉していました。
建物は「灑雪亭」(さいせつてい)というそうで、金沢最古の茶室があることで知られています。
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灑雪亭の軒下から眺める紅葉がこれまた見事でした。
このお庭にいると自分が金沢の街の中心にいることを忘れてしまうくらい、自然の多いところです。何でも玉泉園の池には水芭蕉が自生するという話ですから、すごいよね。
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金沢は11月下旬からやたらと雨が続いています。
今年の秋は比較的暖かかったため歩みがゆっくりだった市内の紅葉が、連日の冷たい雨に尻を叩かれたかのように一気に色づきました。そしてこの雨は同時に葉っぱを散らす雨でもあり、落葉の勢いもなかなかのもので、玉泉園の足元はすでにモミジの絨毯で真っ赤。
次の週末にはもう見頃は終わっていたんじゃないかと思います。
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足元を彩る紅葉も見所の一つですね。
玉泉園はそれほど混雑しているわけではないので、散ったモミジが踏み荒らされることもなく綺麗な散紅葉が楽しめました。
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ってなワケで、金沢市の西田家庭園(玉泉園)の紅葉をお伝えしました。
この庭園には1時間弱ほどいたんですが、僕以外に誰一人とも会いませんでした。つまり貸し切り状態です。
これほど観光客が増えたご時世ですが、玉泉園はまだ騒がしくなる前の落ち着いた金沢の風情を残しています。それに想像以上に紅葉が美しい庭園だということを知りました。
兼六園に足を運んだならこの玉泉園にも立ち寄ることをオススメしたいですね~。
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玉泉園は雪景色もたいそう写真映えすると思うんですが、どうやら冬季は12月下旬から2月末まで閉園し、開園時期でも雪が積もれば入れなくなるそうです。
この庭園の雪景色を撮るのはなかなか難しいのかな。



<西田家庭園 玉泉園>
【駐車場】なし(近くの兼六駐車場が便利)
【入場料とか】700円
【所要時間】50分

【地図】


【リンク】
西田家庭園玉泉園
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