五箇山・相倉合掌造り集落の桜景色/忘れかけていた山里の春の風景

2023年の桜の記事もいよいよ終盤です。
北陸の平地の桜が終わると、代わって今度は山間部の桜が見頃を迎えます。中でも富山県の南西部に位置する五箇山エリアは庄川に沿った谷にいくつもの桜の木があり、そこを車で走るだけでも面白いのですが、是非とも立ち寄りたいのが五箇山の合掌造り集落です。
五箇山と言えば「相倉」「菅沼」の2つの集落が世界遺産に指定されていることでとても有名ですが、今年の春はそのうちの相倉合掌造り集落の桜を観に行くことができたのでお伝えしたいと思います!

20230409091930.jpg


世界遺産合掌造り集落は3つありますが、今回は合掌集落桜景色の3か所目。つまり今回の訪問で「合掌造り×桜」のコラボレーションは完全制覇ということになります。
合掌造りなんてどれも一緒でしょ?・・・なんて思うかもしれませんが、これが3つともそれぞれ特徴があるんですよね。相倉は3集落の中では真ん中の規模になるんですが、桜景色の満足度は最も大きな白川郷荻町にひけをとらず、結構高いと思いました。
何より、この日の青空が山間の集落の桜景色にピッタリでした!

20230409092450.jpg


そして相倉集落ならではの絶景も!
ここからの景色は四季折々で異なる情景を魅せてくれるんですが、春も最高に綺麗でした!

20230409101601.jpg


ってなわけで、今回は富山県の五箇山、相倉集落の桜景色をご覧ください。
この記事の執筆はGW前。当地の桜もさすがにすでに葉桜になってると思いますが、来年以降のお花見の参考にしていただければと思います。


2023年04月09日 富山県南砺市 相倉合掌造り集落


4月上旬の週末。山の麓や市街地の桜はとっくに葉桜になっていましたが、富山県の山間部にある五箇山・相倉(あいのくら)合掌造り集落では、今がピークとばかりに桜花爛漫の光景が広がっていました!
相倉集落は金沢からだと下道を使っても1時間弱くらいで行けるお手軽お出かけスポットなんですが、標高が高いところなので桜の暦に関しては2週間ほどのズレがあるようです。一度葉桜を経験した身からすると、まるで2週間ほど前にタイムスリップしたかのような不思議な感覚になります。
ちなみに相倉集落は世界文化遺産に登録されていて、駐車場を降りるや否や世界遺産の碑が出迎えてくれます。
20230409091544.jpg


「いい天気ね」
「ホントだな」
20230409091650.jpg


春爛漫の相倉集落ですが、車を降りるや否やまず最初に目に飛び込んできて驚いたのは・・・まだ雪が残ってるではないか!
もう今シーズン見ることはないだろうと思っていた雪が、まさかの目の前に現れました。おそらくここは集落の雪捨て場みたいなところで、最後の最後まで雪が残っちゃうんでしょうね。お世辞にも綺麗とは言えないし(^^;。
20230409102717.jpg


残雪の上ではおそらく外国の子供たちだと思うんですが、雪遊びではしゃいでいました。もし普段雪の見られない地域にお住まいであったなら、日本でいい思い出ができましたね!
冬の間、雪はこの集落で随分幅をきかせていたんでしょうが、今となってはとても肩身が狭そうです。そりゃそうだ、背後には桜や新緑など次の季節の主役たちがすでに登場しているし、この風景に全くそぐわなくなった雪には早めにご退出願いたい。
20230409091357.jpg



さて改めまして、春本番を迎えた相倉集落です。
桜景色を求めて集落を歩いてみましょう!
20230409102803.jpg


おぉ!なかなか美しいぞ相倉!
桜は見事に満開。しかもホントにいい天気だったんですよ。
前日訪ねた白川郷では残念ながら雨に降られてしまいましたが、その翌日にこんなに綺麗な空が用意されていたとは思いませんでした。前日の雨で汚れが落とされて、なおさら空がクリアになったのかもしれません。
20230409092125.jpg

20230409092248.jpg


相倉集落の桜景色について僕が思うに、皆さんが春の合掌造り集落に求めている風景に最も近い場所だと認識いたしました。
世界遺産の合掌造り集落は、白川郷エリアの荻町集落、そして五箇山エリアの菅沼集落と相倉集落の三集落から成り、それぞれの集落内には桜がいくらか咲いています。そのうち菅沼集落の桜は2018年に見に行き、つい前日に荻町集落を、そしてこの日相倉集落を訪ね、これで三集落全ての桜景色を見たことになるんですが、僕個人的に一番良かったなぁと思ったのはこの相倉集落でした。
ほどよい集落の大きさ、ほどよい桜の本数、合掌造りとのコラボのしやすさ、歩きやすさ、ほどよい観光客数、高低差が生み出す景観のバリエーションなどなど、トータル的に一番バランスが取れていると思った次第です。まぁ他の集落に比べて「青空補正」が強く効いているせいもあるかもしれませんが(笑)。
20230409092547.jpg

20230409092646.jpg

20230409102927.jpg

20230409095930.jpg


長く厳しい冬が終わり、春の陽気に包まれた相倉集落。春になると早速お祭りがあるのか、集落はその準備作業(だと思われる)でちょっとだけ慌ただしい雰囲気でした。観光客の数も徐々に増えてきて、集落の目抜き通りが俄かに活気づいています。
20230409095706.jpg



五箇山の相倉集落には、20棟ほどの合掌造りの建物が現存しています。60棟もある白川郷の荻町集落に比べれば、ちょっとこぢんまり感があるのは確か。でも桜のシャッタースポットは思ったよりも多い印象です。
相倉集落を「桜の名所」と言っちゃっていいかどうかは迷うところですが、カメラを片手に桜を撮りながら散歩する場所としてはなかなか面白いんじゃないかなと思います。それに荻町集落ほど観光地化されていなくて、昔ながらの素朴~な情景が残されているのが相倉のイイところかな。
20230409095025.jpg

20230409092903.jpg


月並みな表現にはなりますが、まるでタイムスリップしたかのような情景、と言っても過言じゃないでしょう。しかもこれは観光のために作られたものではなく、ちゃんと人々が生活している「生きた」風景なんだからスゴいです。
時代劇っぽくはないし、古代って感じでもないし、でもすごく懐かしい感じ。いや、別にこういう集落に昔住んでいたワケではないですよ。でも懐かしさを感じるのは、もしかして日本人のDNAに刻まれた何かのせいなんじゃないかと密かに思うワケです。
20230409093118.jpg

20230409093217.jpg

20230409093839.jpg


集落の中心には「原始合掌造り」と呼ばれている家屋と桜がありました。今の相倉合掌造り集落の原型と言われている建造物で、今は物置小屋になっているんですが昔はここにちゃんと人が住んでいたみたいです。
原始合掌造りはかつては多く見られたらしいけど、現代ではとうとうこの1棟しか残っていなくて、とても貴重なんだとか。
20230409093045.jpg


集落の中にある地主神社の鳥居と桜。
この桜は相倉集落の中ではかなり立派な部類だとお見受けしました。神聖な場所だからこそ、人々もこの桜を大切に育てているのでしょう。
20230409095256.jpg


合掌造りの相念寺と桜。
合掌集落はお寺ももれなく合掌造り・・・ってのは、つい昨日白川郷荻町集落に行った時にも思ったことです。白川郷のお寺はかなり立派でしたが、相倉のこちらは結構小振り。だけどなかなか絵になる素敵なお寺です。
20230409093443.jpg



相倉集落の中には公式にビュースポットとして紹介されているところが5ヶ所ほど存在します。
集落の観光駐車場で係の人からいただけるマップを見れば、どこにビュースポットがあるかすぐに分かります。たいへん見やすい地図だと思いました。そんなビュースポットの中で特にオススメなところを2つばかし紹介したいと思います。

まず一つ目は相念寺の裏手の高台のビュースポット。一本の桜の木が存在感あり、さらにその向こうには合掌造りと残雪の山並みが見渡せました。
20230409094237.jpg


そして桜越しに見る合掌造り集落も味がある。
20230409094619.jpg


2つ目のビュースポットは、もちろん「あの場所」でございます。
相倉集落の中であまりにも有名なシャッタースポット。これを見なきゃ相倉に来た意味が半分なくなると言っても過言じゃない(?)ビュースポットです。
駐車場から徒歩5分ほどのところにあります。距離はさほどではないかもしれないけど、急坂を登る必要があるのでまぁまぁ足腰に来る。中年以上はそれは覚悟していただきたいw
まだまだ坂の途中ですが、ちょっと振り返ってみると・・・なんかもう既に素晴らしい光景!
心にビビビっとくる、忘れかけていた日本の情景です。
20230409100837.jpg


そしてビュースポットから見下ろした相倉集落の全景がこちら!
う~ん見事な絶景!
眼下の集落からは山里感バンバン伝わってくるし、この時期ならではの点在する桜がいいアクセントになっています。そして何より、バックに広がる雄大な人形山をはじめとする山並みがいいよね。高い山にはまだまだ冬の名残りがありますが、山里には確実に春が来ている。五箇山の冬から春への季節の移り変わりが楽しめる景色でした。
20230409101525.jpg


ちなみに、ビュースポットへ向かう途中、水仙がこれまた綺麗だったんですよね~。
20230409102130.jpg



ってなわけで、五箇山・相倉合掌造り集落の桜景色でした。
ずっと前から合掌造り集落三兄弟の桜景色を制覇するぞと思いながら、結局カメラを始めて何年経った?ようやくこの日、3つ全ての桜を見ることができました。感無量です!
実は荻町・菅沼・相倉は、車さえあれば一日で3つ回ることは十分可能。なんなら3つ回ったその日のうちにさらに金沢に行って兼六園の夜桜を見るというプランも全然できますので、北陸に桜を観に来た際は是非ハシゴやっちゃってください。
20230409103110.jpg



五箇山菅沼集落の桜景色
五箇山・合掌造り集落の桜風景/厳しい冬を抜けて、五箇山にも春が来た

五箇山・合掌造り集落の桜風景/厳しい冬を抜けて、五箇山にも春が来た

世界遺産の五箇山合掌造り集落。四季折々様々な情景を醸し出してくれるので、写真好きじゃなくても五箇山を愛する人は多いと思います。五箇山は春になると集落内の桜がいい感じで咲き、伝統の合掌造り家屋との見事な「和のコラボ」が楽しめるらしいことは聞いていました。しかし、写真の世界に足を踏み入れてから軽く7~8年経って、これまで結構な回数五箇山を訪ねてはいろんな季節の風景を楽しんできた私なのに、実は桜が咲く時...


白川郷荻町集落の桜景色
世界遺産白川郷の桜/荻町合掌造り集落の桜スポット巡り

世界遺産白川郷の桜/荻町合掌造り集落の桜スポット巡り

北陸の平地の桜が散り果てる頃、バトンタッチするかのように岐阜・富山の山間にある白川郷・五箇山の桜が見頃を迎えることは何となく経験で知っていました。だけどまさかこんなに早く満開になるとはちょっと驚きでした。今年の桜はどこもとりわけ進みが早かったのですが、白川郷も例外ではなかったみたいです。例年の見頃は4月中旬以降なのに、今年は4月上旬に訪ねた時にはすでに満開に近い咲きっぷりとなっていました!多分、およ...


当ブログ桜の記事一覧(リンク集)

当ブログ桜の記事一覧(リンク集)

当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。四季折々の日本の風景を追い求めて、写真に切り取り公開し、皆様の旅の参考にしていただくのが当ブログの趣旨です。特に春の桜の景色はとても好きで、毎年春を迎えるとソワソワしてしまうんですよね(^^;。当ブログにもこれまでに数多くの桜の記事を掲載してきましたが、それらをザっと見渡すことって、ブログの特性上なかなか難しいんですよね。そこで、思い切って桜の目次ページを...



<五箇山相倉合掌造り集落>
【駐車場】あり(500円)
【入場料とか】無料
【所要時間】1時間

【地図】


【リンク】
相倉合掌造り集落
関連記事
まっさ
まっさ

>妖怪雨降らしさん

五箇山の桜ですが、結構イイですよ!
桜の名所ほどのインパクトはないですが、日本の原風景の桜景色には癒されます。
菅沼・相倉の集落はもちろんのこと、途中の道沿いにも桜が結構咲いていて、時間があれば足を止めてゆっくり回りたいものです。

雪景色ももちろんいいんだけど、基本はオールシーズン見所があるところですね。
今頃は新緑と「逆さ合掌」が綺麗だと思います(^^)。
久しぶりにカメラ片手に行ってみてはどうでしょうか?

2023/05/07 (Sun) 17:04
妖怪雨降らし

茅葺屋根と1本の満開の桜。

まさに日本の原風景ですね、これは!
五箇山に、桜を見にいくなんて微塵にも考えませんでしたよ。
流石、目の付け所がSHARPです(笑)

五箇山は、最近は「雪景色」しかイメージにありませんでした。
う~~ん、久しぶりに行ってみようか・・・・
いや、


一気に観光客が増えてるでしょうね(ーー;

2023/05/06 (Sat) 21:14
まっさ
まっさ

>大樹さん

GWはいかがお過ごしですか?

五箇山、大変いいところですよ。
私も日頃の疲れを癒されに、五箇山にフラっと行くことが年に何度かありますが、ちょうど桜から新緑にかけての時期が本当に美しいです。
桜ももちろんいいんですが、今頃は新緑の中で田んぼに水が張られて水鏡に映る「逆さ合掌」が見られるかもしれません。
これが絶品な光景なんですよね。
あ~、また五箇山に行きたくなってきました(笑)。
3時間くらいあれば行って撮って帰って来られるんですが、このGWはちょっと厳しいかな。

また機会を見て五箇山の四季をお伝えしたいと思います!

2023/05/04 (Thu) 14:52
大樹

こんばんは。
五箇山には一度だけ行ったことがありますが、多分相倉の方は行っていないかなあ。。。
しかし、桜のなんともきれいなこと。
荒んだ心にこのような美しい桜が目の前に咲かれると涙腺が緩みそうな感じがします。
独特な合掌造りに桜の樹々。
日本に生まれてきてよかったなあ、と思う瞬間ですね。
日本人でも感動一入になるのであれば、外国から来た人達はこの光景を見たら、母国に帰りたくなくなるのでは??と思ってしまう位の美しさですね。

2023/05/01 (Mon) 00:01