ユーザビリティの観点から「CapsLock」と「左Ctrl」を入れ替える
使い慣れているソフトを使っている時,作業能率を上げるためにショートカットキーを頻繁に使っている人も多いと思います.今回はそんなショートカットキーを多様する人たちが更に便利にショートカットキーを使えるようになるエントリです.
早速ですがキーボードをよく見てみますと,ショートカットキーに必要になる修飾キーはキーボードの左右に配置されていますが,ほとどの人が右利きのため,右手でマウスを持つ人はショートカットキーを空いている左手のみで入力することが多いはずです.
このように右側にも修飾キーは配置されていますが,基本的に左側の修飾キーしか使っていない事が多いはずです.
しかし左手でキーボード左側にある修飾キーを入力するには,Alt キーなら左手親指,Shift キーなら左手小指を使うと思いますが,Ctrl キーはどの指を使っていますか?
左手小指で入力するには左手のホームポジションが少し崩れてしまいそうになりますので,あまりスマートな入力方法とも思えません.一部では左手小指の付け根でCtrl キーを入力している人もいますが,これも入力方法が特殊すぎて万人向けとは言いにくいです.
よくよくキーボードを見てみると実は使用頻度が極端に少ない CapsLock キーが「A」の横という左手小指で簡単に入力できる位置にあり,逆に使用頻度の高い左Ctrl キーが押しにくい位置に配置されていることに気がつくと思います.
ということは CapsLock キーと左Ctrl キーの位置を入れ替える事ができたら,今まで以上にショートカットキーの入力をスムーズに行えそうですね.
「CapsLock」と「左Ctrl」を入れ替える
キーボードを分解してハードウェア的に「CapsLock」と「左Ctrl」を入れ替える事は限られた人にしかできないので,今回はソフトウェア的にキーを入れ替えていきます.
スタートボタンを押して「ファイル名を指定して実行」を選択すると,上の画像のようなウィンドウが出ます.次に「名前」の項目にあるエディットに
regedit
と入力してOKボタンを押すことでレジストリエディタを起動します.
レジストリエディタの左側のツリーを以下のディレクトリ順で進んでください.
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\Control\Keyboard Layout
「Keyboard Layout」ディレクトリを右クリックし「新規→バイナリ値」とクリックし新しい値を新規に作成します.
そして新規に作成した「新しい値」を右クリックして「名前の変更」のメニューから値の名前を「Scancode Map」に変更してください.その後「Scancode Map」をダブルクリックして「バイナリ値の編集」ダイアログを表示します.
次に以下の16進数の値を入力してください.
00 00 00 00 00 00 00 00
03 00 00 00 3A 00 1D 00
1D 00 3A 00 00 00 00 00
最後にOKボタンを押して適用し,レジストリエディタを閉じてパソコンを再起動すると「CapsLock」と「左Ctrl」の機能が入れ替わる設定が反映されるようになります.
なぜ CapsLock キーはこの位置なのか?
最後に豆知識として何故「A」の横というとても良い位置に CapsLock キーが存在し,Ctrl キーが使いにくい位置にあるのか?という疑問を解決します.
パソコンで使用されるキーボードの配列を語るにはタイプライターの時代から始まります.
実は現在主流のキーボードの配列は,当時タイプライターで使用されていたキー配列と同じものなんです.つまり CapsLock キーは当時から「A」の横にありました.
by Etan J. Tal
ご存じのようにタイプライターは文章を打ち出すだけの機能しか持たないので Ctrl キーは勿論ついていません.つまりタイプライターがパソコンでも使われるようになって初めて Ctrl キーという新しいキーが必要になったということです.
今までの配列を変えてしまう (CapsLock キーを移動する) と,何かと不都合な事が多くなるので,Ctrlキーは空いている部分に追加されることとなってしまいました.
その結果,タイプライター時代ではある程度使用する機会もあった CapsLock キーよりも,Ctrl キーの方がパソコンの機能として多様されるようになり,現在のような不合理な配列となってしまいました.