ウクライナのドンバスでの紛争:砲撃数のグラフ(解説)
2014年以降のドンバス紛争について、データを視覚化したページより、ドンバスでの砲撃数を示したグラフ(2018年〜)を紹介してみる。
Conflict in Ukraine’s Donbas: A Visual Explainer
青はドネツク、オレンジはルガンスク、緑は両者の合計。
データはロシアではなく、欧州安全保障協力機構(OSCE SMM)の特別監視ミッションのものなので、「ロシアのプロパガンダ」ではない。
2022/02/24のロシア軍による特別軍事作戦開始の直前に、一旦は落ち着いていた(が、中断された訳ではなく継続されていた)砲撃が急増していることがはっきり視認出来る。
直接的にはこれを止める為に、ロシア軍は軍事介入を余儀無くされた訳だ。ロシアが重い腰を上げて介入していなければ、ドンバスの人々がまた何百何千と殺されていたことだろう。

ワシントンはロシアが何ヵ月も前からロシアがウクライナ侵攻の準備を進めて来たと根拠も無く言い触らして来たが、実際にはウクライナ軍/米軍の方がロシア軍との直接対決に備えて軍備を増強して来たのであって、後から振り返れば2021年8月に米軍が非常に芝居掛かったわざとらしいやり方でアフガニスタンから撤退したのは、ウクライナ戦線にリソースを振り向ける為だったことが判る。CIAの機密報告書もまた、プーチンのウクライナ侵攻の決定は事前に予定されたものではなく、2月の土壇場になってから急いで下されたものであると結論付けているが、作戦開始後のロシア軍の進軍のペースが遅いことも、この事実を踏まえなければ理解出来ない。
フォトジャーナリストのパトリック・ランカスターのドンバスからの報告も、2022年2月に最初に砲撃したのがウクライナ軍であることを示している(但しその村への砲撃は2015年以来ずっと続いており、2022年に始まった訳ではない)。
Putin: Kiev ‘Puppets’ of US
Eyewitness Reports Indicate Ukrainian Army Fired First Shots in War with Russia
住民の一人は「プーチンは何時私達を助けに来るんでしょう?」と尋ねた。西洋は「ロシアは親ロシア派に命じてウクライナを攻撃させている」と云うキエフの主張をその儘垂れ流して来たが、これは事実ではなく単なる疑惑に基付いた主張だ(言い掛かりと言った方が良いだろうか)。ロシアは赤十字と協力して人道支援は行って来たが、軍事支援は行っておらず、ミンスク合意の為に奔走したことからも判る様に、ウクライナの内戦(ドンバス戦争)を寧ろウクライナの国内問題として解決させようとした。プーチンはキエフ軍が砲撃を激化させても、ギリギリまで外交交渉によってことを収めようとしたが、表でも裏でも、西洋は全く相手にしなかった様だ。
下の地図もOSCEの2022/02/18のものだが、停戦協定に違反する砲撃は、殆どがウクライナ側によって実行されていることが見て取れる。

こちらはロシア特別軍事作戦が開始される前のドンバスの戦況についてのやや詳細な地図。ウクライナ紛争は2014年からずっと続いて来たのであって、西洋大手報道からはこの現実がごっそり抜け落ちている訳だ。
Conflict in Ukraine’s Donbas: A Visual Explainer
青はドネツク、オレンジはルガンスク、緑は両者の合計。
データはロシアではなく、欧州安全保障協力機構(OSCE SMM)の特別監視ミッションのものなので、「ロシアのプロパガンダ」ではない。
2022/02/24のロシア軍による特別軍事作戦開始の直前に、一旦は落ち着いていた(が、中断された訳ではなく継続されていた)砲撃が急増していることがはっきり視認出来る。
直接的にはこれを止める為に、ロシア軍は軍事介入を余儀無くされた訳だ。ロシアが重い腰を上げて介入していなければ、ドンバスの人々がまた何百何千と殺されていたことだろう。

ワシントンはロシアが何ヵ月も前からロシアがウクライナ侵攻の準備を進めて来たと根拠も無く言い触らして来たが、実際にはウクライナ軍/米軍の方がロシア軍との直接対決に備えて軍備を増強して来たのであって、後から振り返れば2021年8月に米軍が非常に芝居掛かったわざとらしいやり方でアフガニスタンから撤退したのは、ウクライナ戦線にリソースを振り向ける為だったことが判る。CIAの機密報告書もまた、プーチンのウクライナ侵攻の決定は事前に予定されたものではなく、2月の土壇場になってから急いで下されたものであると結論付けているが、作戦開始後のロシア軍の進軍のペースが遅いことも、この事実を踏まえなければ理解出来ない。
フォトジャーナリストのパトリック・ランカスターのドンバスからの報告も、2022年2月に最初に砲撃したのがウクライナ軍であることを示している(但しその村への砲撃は2015年以来ずっと続いており、2022年に始まった訳ではない)。
Putin: Kiev ‘Puppets’ of US
Eyewitness Reports Indicate Ukrainian Army Fired First Shots in War with Russia
住民の一人は「プーチンは何時私達を助けに来るんでしょう?」と尋ねた。西洋は「ロシアは親ロシア派に命じてウクライナを攻撃させている」と云うキエフの主張をその儘垂れ流して来たが、これは事実ではなく単なる疑惑に基付いた主張だ(言い掛かりと言った方が良いだろうか)。ロシアは赤十字と協力して人道支援は行って来たが、軍事支援は行っておらず、ミンスク合意の為に奔走したことからも判る様に、ウクライナの内戦(ドンバス戦争)を寧ろウクライナの国内問題として解決させようとした。プーチンはキエフ軍が砲撃を激化させても、ギリギリまで外交交渉によってことを収めようとしたが、表でも裏でも、西洋は全く相手にしなかった様だ。
下の地図もOSCEの2022/02/18のものだが、停戦協定に違反する砲撃は、殆どがウクライナ側によって実行されていることが見て取れる。

こちらはロシア特別軍事作戦が開始される前のドンバスの戦況についてのやや詳細な地図。ウクライナ紛争は2014年からずっと続いて来たのであって、西洋大手報道からはこの現実がごっそり抜け落ちている訳だ。

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