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米国の介入主義、第三世界、そしてソヴィエト連邦(要点)

1986/04/15にマイケル・パレンティ氏がコロラド大学で行った講演、「米国の介入主義、第三世界、そしてソヴィエト連邦」の要点を紹介する。
Michael Parenti lecture (1986)




 彼が批判しているのは冷戦末期で新自由主義台頭期のレーガン政権の、外交政策に於ける違法で非道な介入主義と、国内政策に於ける弱者切り捨てだが、同じ指摘は21世紀の現在には当て嵌まることだ。両者は同じコインの裏表であり、レーガンはアホではなく、彼の階級の利害の為に合理的に動いているが、それは大多数の一般庶民の利害とは完全に相反している。

 アメリカ帝国主義者達によって共産主義者と言われている人達は単に自分の生活を向上させたい(例:字が読める様になりたい、病院や学校が利用出来る様になりたい、産業を発展させて米国と友好関係を結んで自由で公平な貿易を行いたいetc)と思っている人達のことに過ぎず、彼等は愛(例えば「親米/反米」)などと云う移ろい易い基準によって物事を判断している訳ではなく、愛よりも強く持続的な自己利害に基付いて判断している。

 単なる抽象的なステレオタイプではなく具体的な歴史的現実に基付いて他者を理解することが出来れば、この「自己利害」と云うものが如何に強固なものかも理解出来る様になる。「反米」とか「反民主主義」とか「権威主義体制」とか、価値観やイデオロギーによって他者を判断させようとする言説は、この具体的な現実から目を逸らさせようとする為の誘導だ。

 私の見るところ、この「具体的な現実の他者」を見たくない、薄っぺらで飲み込み易い他者像しか受け入れたくないと云う現代日本人の欲望は非常に強く、最早自滅的なレヴェルにまで達している。自らの生存を懸けて苦闘する他者の現実を理解する努力は、スイッチひとつで「不愉快な他者」から逃れられる便利な時代には歓迎されない。世界の広さに合わせて自分の視点を一次停止する位なら、自らの視野に合わせて世界を切り取る方が遙かにラクだ。

 洞察力に満ちた社会学者ニール・ポストマンの表現を借りるなら、現実の複雑さや他者の不快さに耐える位なら、「愉しみながら死んで行く」方がマシだと考える人が実に多い。
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川流桃桜

Author:川流桃桜
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