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「選べない選挙」-政党政治は崩壊している

11月14日の党首選で、野田佳彦が衆議院解散を宣言したとたん、日経平均は3日連続で続騰。
ニューヨーク外国為替市場では1ドル=81円の安値をつけ、15-19で500円以上上げました。

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これは、自民党の安倍総裁が15日に都内で行った講演会で、
「インフレターゲットを最高3%に設定し、デフレからの脱却と円安誘導を達成するまでは無制限の金融緩和を続ける」と発言したからです。

また、「災害に強い国土を形成するため」、10年間に200兆円の建設国債を発行し、日銀法(現行では、日銀が政府から直接、国際を購入することを禁じている)を改正してこれを買い取らせる」と言明し、インフラ整備などに集中投資する方針を力強く打ち出したからです。

これは、建設セクターに重点的に公共投資を行い、需要創出でデフレ脱却を図るという、従来の自民党の景気浮揚策そのまま。目新しいものは何もあません。

夏頃から突然、地震に強い国土づくりを謳った「国土強靭化計画」が出てきて、そのときの観測では、自民党政権になれば、再び公共事業の大盤振る舞いか、と囁かれていたのですが、なるほど、霞ヶ関では、この時点で自民党の政権奪還へのシナリオができていたということです。

15-19で500円上げた日経平均ですが、これは安倍演説を持ち構えていた国内の投資家が買いに走ったもので、チャートにも、それが表れています。
そこに間髪入れず海外のヘッジファンドが先物を買ったことが、日経225を構成する輸出型企業の銘柄の連れ高を誘っただけです。

経済の実態は何も変わっていないのですが、それでも、この“騙し上げ“は、12月の選挙まで維持されるのではないでしょうか。
そして12月16日の投開票の数日前に下げて、再びギャンブル相場が始まるでしょう。
(あくまで個人の予想ですので、投資の参考になどしないでください。一切の責任を持ちません)

これだけの災害が起こっても、政治も市場もまだ同じことをやっているのです。

これは、メディアも同じです。
野田佳彦は、都内の高校で携帯電話のストラップ作りにいそしみながら「高校無償化」を訴え、安倍晋三は、経済政策でアピール合戦ですと。

この産経新聞のタイトルを読んでピンッと来た方は、きっと自分の望む候補者を探し当てることができるのではないでしょうか。
このタイトルは、もともと比較できないものを並列に並べて、安倍晋三に好印象を与えようとしているようです。

次期政権には、悪質な印象操作、意図的な誤報ばかり流すメディアに対して処罰規定を作って欲しいものです。
あまりにも偏りすぎで有害、資源の無駄使いの何ものでもありません。

この選挙に臨むには、こうしたメディアのマインド・コントロールに引っかからないことが大切です。

有権者は、この選挙で多くの想像力を発揮せざるをえない

日本は、今でも原子力緊急事態宣言の発令中です。「まだ予断を許さない事態が起こる可能性が残されてるから」、この宣言が解除されないのです。

「経済対策の前に、言うことがあるんじゃないですか」と、まともな有権者は思っているのです。
科学的な調査を行い、原発事故収束の道筋をつけることと、住民、特に子供たちの避難。これこそが景気対策そのものなのに、そうした発想の転換ができないのです。

特に、こうした新聞の行っている政党支持率などの世論調査は、まったく信じてはいけません。

朝日新聞が11月12日、13日に発表した世論調査に私も答えたのですが、果たして統計学的に、こんな調査に代表性があるのか、質問に答えながらも疑念を拭い去ることはできませんでした。

まず、調査モデレーターがアトランダムに電話しているのは確かなのですが、調査対象が「その家の最年長者」であること、調査の内容によっては平日に実施する場合もあること、この2点だけでもすでに調査結果は信じるに値しないのです。

モデレーターの質問の中には、ある程度、政治のことを知っていないと回答できないような質問も入っており、「この質問に自分の意見をしっかり持って、はっきり回答できる人間が果たして何人いるのだろう」と訝しく思ったものです。
案の定、その質問の結果は、朝日新聞に掲載されていませんでした。

たとえば、マンションに一人暮らしの若い人の場合は、当然、その世帯では最年長ということになります。
年齢や職業(自営業か会社員か)、性別などの属性が異なるだけでも調査結果は大きく左右されます。

大マスコミが行った調査だからといって、国民の声を代表していると考えるのは大間違いです。

大マスコミの世論調査などは最初から論理的にもおかしいし、「あまり意味がない」と断言しましょう。

にも関わらず、早くも、「安倍政権・単独過半数」などという見出しで記事を掲載している週刊誌が出ています。
いくら経済界が、こうした週刊誌に編集費を渡して自民党有利を印象付けたところで、かえって逆効果です。

むしろそうした煩瑣な情報を無視して、選挙後、どの政党とどの政党が連立を組んだら、どうなるのか、という想像力を逞しくして投票しなけれはならなくなりました。
その上、各政党の政策さえ出揃っていないのですから。

政党よりも、ひとりひとりの議員を見ることです。

選挙後も、離合集散が繰り返され、政党の2つや3つは吸収されてなくなってしまうでしょうから。

亀井静香が、山田正彦元農相とともに新党を立ち上げるべく準備中。政党名は、「脱原発」、「反TPP」を標榜することから、暫定的に「反TPP」と決まりました。
いかにもワシントンの反感を買いそうな政党名ですが、しかし、今のような視界不良の中では、こういう名称は有権者としては非常にありがたいのです。分かりやすいからです。

今度の選挙は、できたてホヤホヤの「反TPP」も含めて、15の政党から候補者を選ばなければなりません。といっても、少数政党は、どれほど候補者を擁立するか見当さえつかないし、候補者を立てないこともありえます。

15の政党:民主党、自由民主党、公明党、国民の生活が第一、みんなの党、日本維新の会、日本共産党、社会民主党、みどリの党、国民新党、新党大地、新党改革、減税日本、新党日本、反TPP(準備中)

亀井氏は、下地幹郎(国民新党代表代行らに、自分が立ち上げた国民新党を追い出されたお方。

山田正彦も、民主党内のTPP反対派グループのリーダーとして、野田の暴走を食い止めようとしてきた議員。

野田の「TPP解散→TPP参加表明・マニフェスト明記」宣言によって、とうとう民主党にいられなくなってしまいました。
今までの常識からすれば、信じられないことが次々と起こっているのです。

二人とも、拠り所とする政党を身内の反乱によって追われた身。一気に沸き起こる憤怒をぜひとも国政にぶつけて欲しいと思います。

しかし、なんと、「TPP解散」を宣言して、さらなる離党を出した野田佳彦ですが、またもや「TPP参加表明を見送った」とのこと。
いまさら選挙対策のためにオバマとワシントンに従順な姿勢を見せても、彼ら自身が私たち国民のように、「野田佳彦の嘘」をいやというほど知ってしまった以上、この政党では、もう駄目でしょう。

また、野田佳彦内閣によって、突然、対米従属奴隷へと豹変した民主党の政策に反対していたものの、薬害C型肝炎の患者を救済するために、ぎりぎりまで党内に留まっていた福田衣里子も、とうとう離党、「反原発・反TPP・反新自由主義」を掲げる「みどりの風」に合流しました。

福田衣炒里子と同じ理由で、「新自由主義の流れに決別し、原発即時ゼロ、反TPP、消費増税凍結、オスプレイ配備反対」を主張する初鹿明博も、やはり離党。ただし、まだ行き先は未定。

優秀な議員なだけに、こんなシーンが永遠についてまわらないことを願うばかりです。
一方的に“お熱”を上げられてもね、ということでしょう。

かと思うと、長尾敬のような議員の離党もチラホラ。

長尾は、人権委員会設置法案(人権救済法案)に反対していた議員ですが、土壇場になって自民党に移ったことから「選挙目当てで、寄らば大樹の自民党へ」と批難されているのですが、民主党があれではと、同情したくもなるのです。

自民党に移っても、人権委員会設置法案(人権救済法案)反対を訴えていただきたいものです。

こうした動きがある一方で、自分の政党を追われた亀井静香同様、鳩山由紀夫も民主党を追われそうです。

なんと、安住淳に「党の方針に従わないのであれば公認しない」と言われて誓約書を書かされるとか。なんという屈辱でしょうか。

遺産として譲り受けたブリジストン株を、ほぼ底値で売って民主党の立党資金(30億円とも言われている)を工面した“功労者”が、こんな仕打ちを受けるとは。政界はアンタッチャブルな世界です。

それでも、鳩山は消費増税法に反対する姿勢を崩さなかったことから、民主党から公認をもらえず、出馬を断念しました。
この人なりの計算があるのでしょう。
「必ず、自分の民主党を取り戻す」と。

脱原発一本で衆議院選挙に臨む(TPP、消費税増税に関しては態度を明確にしていない)菅直人は、東京・新宿で独演会を開き、「海水注入を止めろと指示した事実はない」と改めて否定。

「原子炉への海水注入を止めろ」と指示したのは、東電の当時副社長だった武黒フェローだったことが、国会事故調査委員会の調べによって明らかになっています。
東電自らが、「海水注入を止めろ」と命令したの菅直人だ」というデマをほうぼうにばらまいだらしい)


そのデマを、この人が拡散。自分のブログで書いて国民を混乱させてしまいました
今さら、削除もできないのでしょう。デマであることを認めたことになってしまいますから。
とは言うものの、安倍晋三も東電のデマの被害者といえなくもありません。

日本の支配層とワシントンの逆鱗に触れて、長い間マスコミからシャットアウトされていた小沢一郎と「国民の生活が第一」の議員たちですが、一審に続き二審も無罪判決を勝ち取って冤罪を完全に払拭した今では、どのメディアも報道しない口実を見つけられないでしょう。

明日をも知れない国会議員、永田町では悲喜こもごもの倒錯した人生模様が繰り広げられています。

果たして、有権者はどの政党を支持したら言いのでしょうか。

有権者は、今までのような獰猛な野心ではなく、倫理ある経済合理性を求めている。その経済合理性は今までになかったもの

今度の衆院選では、どこが議席を増やそうとも、細川連立政権のときと同じように、異質な政党同士が寄り合い所帯でがまんしなければ政権を発足させることはできないでしょう。

また、脱原発や反TPPを方針として明確に掲げていない政党は消滅してしまうかもしれません。民意を反映しないのですから当然です。

アメリカは、日米同盟の深化を日本側に求めています。
いちばんの問題は、既成政党が、このことを理解していないことです。

「深化」させるためには、まず日本の国益とは何かが明確になっていないとできないはずなのですが、どうも、その国益とは何かが分からなくっているのが日本の国会議員たちです。

それは、目先の利益(国益とは違う)を追い求めるあまり、経済合理性の虜になってしまって、国民が求める倫理性との整合性が取れなくなっているからなのです。

その整合性を求める努力の中からこそ、新しい時代を切り開く指導的原理が生まれてくるはずなのですが、どうも、今の国会議員たちは、その努力を怠っているようです。

国民が本当に求めていることと正反対のことをやると宣言している最大野党の党首が、さらなる国債を発行するというメッセージを投げかけただけで株価が上がる市場の歪み。

そして、それを嬉々として取り上げるマスコミ。
こんなところから、私たちの未来を切り開く指導的原理など生まれようはずがないのです。

とどのつまり、私たち国民がおかしいのかもしれません。

ぜひ、「ある皇族の血筋の方」が書いた脱原発パブコメの文章を読んでみてください。





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