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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
スピーチが重要な仕事の一つである政治家は、プレゼンテーションの名手であることが要求されます。ボブウッドワードの「攻撃計画ーブッシュのイラク戦争ー」で、イラク戦争を始める直前のState of the Union Address演説のリハーサルをしているブッシュ大統領をまえにして、大統領専属スピーチライターのガーソンはつぎのように回想しています。

演説の予行演習をやるのは、その言葉を最初に口にしたときの気持ちを経験するためだというのを、ガーソンは承知していた。そうすれば、2度目には勢いをつけられるようになり、3度目にはその言葉だけでなく自分自身も制御できるようになる。
(Gerson knew that one of the reasons to practice a speech was so the president could experience the emotions of the words the first time. Then, on second practice, he could drive through them, and on the third control them and himself.)



つまり3回のリハーサルの目的はそれぞれ:
1回目:言葉を口にすれば、それは聴衆だけでなく自分にも作用します。まず自分の発した言葉に対する感情の揺れを経験します。
2回目:感情に押し切られないように勢いをつけます。
3回目:平常心で言葉を発することができるように。

スピーチのプロフェッショナルの米国大統領は3回で言葉と自分とが制御できるようになるのでしょうが、一般にはそれ以上の予行演習が必要で、3回というよりは3段階のフェーズがスピーチ/プレゼンテーションの予行演習にはあると理解した方がよいでしょう。


テーマ:クリエイティブなお仕事 - ジャンル:学問・文化・芸術

更新のほう頑張ってください。
拝啓、
島岡先生、ブログですが、毎日大変勉強になり、楽しみにしておりますので
大変なご多忙とは存じますが更新をお願いいたします。どうか後進のサイエンティストに
ご教授よろしくお願いいたします(と申していますわたくしはまだ大学院生です。)


【2008/07/23 Wed】 URL // m #mQop/nM. [ 編集 ]
応援ありがとうございます。
【2008/07/24 Thu】 URL // Motomu Shimaoka #- [ 編集 ]

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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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