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ボストンで13年働いた研究者が、アカデミック・キャリアパスで切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
堀内 浩二さんのブログ発想七日!での”成果を阻害する6つの「専門家根性」”のひとつに:


自分で決めた専門領域では第一人者であろうと努力するが、そのほかの領域ではむしろ無知をひけらかす (専門家とはそう振る舞ってよいものと思っているがゆえに)


があります。

研究者間のディスカッションで「素人の質問で申し訳ないのですが...」というフレーズをよく耳にします。「うまく質問するために覚えておくとよい10のポイント」で書いたように学会などのオフィシャルな場では、こんなことはわざわざ言う必要がないのですが...

「素人の質問で申し訳ないのですが...」的態度は必ずしも悪いことばかりではないと思います。謙虚な気持ちで自分の無知を認め、機会をとらえて他人から知識を得たり、教えを請うことは自分の成長には不可欠です。

しかし、大事なことは「素人の質問で申し訳ないのですが...」的態度の根底に無知を恥じるかすかな気持ちを常に持つことではないでしょうか。”ほかの領域ではむしろ無知をひけらかす”のは知への冒涜です。専門家の強みは専門的な知識・知恵の深さであり、必ずしも結果的に博学である必要はありませんが、常に専門外の知識への知的好奇心を失わないように努力することで悪い意味での”専門家根性”が染みこまないようにできるのではないでしょうか。



テーマ:研究者の生活 - ジャンル:学問・文化・芸術


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Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:三重大学医学部・分子病態学講座教授 10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務後, ボストンへ研究留学し、ハーバード大学医学部・准教授としてラボ運営に奮闘する. 2011年に帰国、大阪府立成人病センター麻酔科・副部長をつとめ、臨床麻酔のできる基礎医学研究者を自称する. 専門は免疫学・細胞接着. また研究者のキャリアやスキルに関する著書に「プロフェッショナル根性・研究者の仕事術」「ハーバードでも通用した研究者の英語術」(羊土社)がある. (Photo: Liza Green@Harvard Focus)

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