ヤツは、中学に行っても野球を続けるみたいで、父親として、スバラ嬉しいのです。
「お前結局、どんな選手になりたいん?」
「えー、糸井みたいな選手」
そうでした。
長男が一番好きな選手はオリックス・バファローズの糸井嘉男外野手でした。
これはキビシイ。
彼のようになるには、かなりの努力とセンスと天然っぷりが要求されるでしょう。
「ノーコンだな」と言われて「黒です!」とアンダーシャツの色を答えたり、契約更改のときにハンコ押そうとしてポケットから出したらリップクリームだった、などド級の天然伝説を持つ糸井のようになりたいとは物好きな。
と思ったら選手として、走攻守揃ったマルチタレントっぷり抜群の選手になりたいというではないですか。
「お前そんなに走るの速くないよな」
「うん」
「バッティングもレギュラー獲れなかった。後半は良かったけどな」
「うん」
「守備は?」
「ウマくない」
ダメやん。全然ダメやん。
「じゃあ、糸井は最終目標として、例えば何番打ちたいとかある?」
「4番」
「そうな、お前パワーあるんだろ?腕相撲とかみんなでやったりする?」
「俺、超弱いよ…テヘ」
なにがテヘだ。言うてる場合か。
「しかもお前、チャンスで打席に入ったときガチガチやろ」
「うん」
「ここで打ったらウハウハじゃー!って思ってる?」
「打てなかったどうしようって思ってる…テヘ」
テヘじゃないっつーの。言うてる場合か。
これはなかなか厳しい状態だと思わずにはいられません。
基礎体力をつけ、パワーとスピードを自分のものにし、さらにメンタルも鍛え上げねばならないでしょう。
僕が父として、星一徹になるより他はないような気がしてきました。
しかし、テーブルをひっくり返したりしたら確実にカミさんに怒られます。
これは困ったな!
超人・糸井への道のりは遠い……。
プロ野球選手データ名鑑2013 (A6・ポケット判) (別冊宝島) (2013/02/23) 不明 商品詳細を見る |